16 / 20
第1章
私の武器を作ります
しおりを挟む
食事を終えて、次は街の案内をされながら武器と防具を探すことになった。
ちなみに、お金はパーティのみんなに少しずつ出してもらうことになった。
申し訳ないと思ったけど、私のパーティ加入祝いだとか。
私達は武器屋についた。
中に入ると、ファンタジーの映画とかにあった、両手持ちの剣や槍などが壁にかけてある、ザ・武器屋って感じだ。
「親父さん!いるか!」
ガラムさんが叫ぶと奥から背の低いがっしりした男の人が出てきた。
「おう、ガラムじゃねーか。今日はどうした?この前に手入れしたばかりじゃねーか」
「今日はこの子の武器を探しにな」
ガラムさんが私のほうを向いたので、私は親父さんと呼ばれた人に頭を下げた。
「きょ、今日からガラムさんのパーティに入らせていただきました。モモです」
「なんでぇ、次はこんなちっこいやつを入れたのか?相変わらずもの好きだな」
ちっこい!?まぁ…たしかに背は低めだと思うけど…。
「たしかに見た目からは分からないだろうけど、モモが噂のギガンテス殺しだよ」
「なんだって?こいつが?」
そう言って親父さんがじーと私を見る。
「そんな風には見えねーが、お前が嘘を言うわけはねーな。嬢ちゃん、俺はドッデルド・ルード。ドワーフだ。ガラムが駆け出しの時から武器の面倒を見てる。名前はノーマからすりゃ呼びづらいらしいから、みんな親父と呼んでる。嬢ちゃんも好きに呼んでいいぞ」
「はい。よろしくお願いします。親父さん」
「おう!それで、今日はこれから選定がしてーってとこか?」
「あぁ、頼む」
「選定?」
「そう。その人に一番ぴったりの武器を選ぶ儀式のことよ。ドワーフにだけ使える魔法で、私達もそれで武器を作ったの。私は弓だったわ」
「私は杖よ」
「俺は剣と盾だったな」
「ふーん…」
便利な魔法があるんだなぁ。
私は親父さんに呼ばれて奥の部屋に一緒に入った。
案内された部屋は変わっていて、大きな魔法陣が真ん中に1つ、たくさんの鉱石の前に小さな魔法陣が1つある部屋。
「嬢ちゃん、まずはその小さい方の魔法陣に立ちな」
「は、はい」
私は言われるままに魔法陣に立つ。
「今からこの魔石の中から嬢ちゃんに合う魔石を選ぶ。目を閉じて、何かを感じたら両手を手に出して掴みな」
「え?掴む?」
「まぁ、やってみりゃわかる」
「は、はい…」
私は目を閉じた。
「そのままゆっくりと息をしな。それで、自分の魔力を感じるんだ」
私の体に流れる魔力。
私は魔力を色でわけて感じている。
癒しの緑、変化の白、結界の青。
それを感じるとそれらが固まっていく。
そして、小さな光が私の前にあるように感じる。
目を閉じているから分からないけど、何かがある。
きっとこれのことだ。私は手を伸ばして、その光を掴む。
すると、何もないはずの私の手には、ラグビーボールをゴツゴツさせたような鉱石があった。
色は透き通ったライトグリーン。私の魔力のイメージ色を混ぜ合わせるとこんな感じな色かなと思う。
「ほう…純度の高い鉱石だ。その年でそんな鉱石が掴めるたぁ、大したもんだ」
「ありがとうございます」
「次はそれを持ってそっちの大きい魔法陣に立ちな」
「はい」
私は大きな魔法陣に立って、親父さんを見る。
「今からその魔石が嬢ちゃんの武器に変わる。また、目を閉じて俺の質問に答えな。正直にだぞ?」
「はい」
私は目を閉じた。
「嬢ちゃんは体は頑丈か?」
「いいえ、きっとみんなよりも弱いです」
「嬢ちゃんは敵の近くで戦えるか?」
「いいえ」
「どうしてだ?」
「怖いからです」
「何が怖い?」
「敵に傷つけられるのが怖い。敵を傷つけるのが怖い」
「仲間が襲われそうでも、怖いか?」
「怖い…でも、仲間が傷つく方が怖い…と思います」
「これが最後の質問だ。敵が最愛の仲間を襲っている。お前の手には武器がある。どうする?」
武器…私は剣も振れないし、槍の扱いもわからない。
魔法だって攻撃向きじゃない。
何ができる…?
もし、この世界にあるかはわからないけど…すぐに敵を倒せるとすれば…私なら…。
「私は…敵に迷わず引き金を引きます」
「……目を開けな」
ゆっくり目を開けると、私の手にあった鉱石は、イメージしていた銃へと姿を変えていた。
ちなみに、お金はパーティのみんなに少しずつ出してもらうことになった。
申し訳ないと思ったけど、私のパーティ加入祝いだとか。
私達は武器屋についた。
中に入ると、ファンタジーの映画とかにあった、両手持ちの剣や槍などが壁にかけてある、ザ・武器屋って感じだ。
「親父さん!いるか!」
ガラムさんが叫ぶと奥から背の低いがっしりした男の人が出てきた。
「おう、ガラムじゃねーか。今日はどうした?この前に手入れしたばかりじゃねーか」
「今日はこの子の武器を探しにな」
ガラムさんが私のほうを向いたので、私は親父さんと呼ばれた人に頭を下げた。
「きょ、今日からガラムさんのパーティに入らせていただきました。モモです」
「なんでぇ、次はこんなちっこいやつを入れたのか?相変わらずもの好きだな」
ちっこい!?まぁ…たしかに背は低めだと思うけど…。
「たしかに見た目からは分からないだろうけど、モモが噂のギガンテス殺しだよ」
「なんだって?こいつが?」
そう言って親父さんがじーと私を見る。
「そんな風には見えねーが、お前が嘘を言うわけはねーな。嬢ちゃん、俺はドッデルド・ルード。ドワーフだ。ガラムが駆け出しの時から武器の面倒を見てる。名前はノーマからすりゃ呼びづらいらしいから、みんな親父と呼んでる。嬢ちゃんも好きに呼んでいいぞ」
「はい。よろしくお願いします。親父さん」
「おう!それで、今日はこれから選定がしてーってとこか?」
「あぁ、頼む」
「選定?」
「そう。その人に一番ぴったりの武器を選ぶ儀式のことよ。ドワーフにだけ使える魔法で、私達もそれで武器を作ったの。私は弓だったわ」
「私は杖よ」
「俺は剣と盾だったな」
「ふーん…」
便利な魔法があるんだなぁ。
私は親父さんに呼ばれて奥の部屋に一緒に入った。
案内された部屋は変わっていて、大きな魔法陣が真ん中に1つ、たくさんの鉱石の前に小さな魔法陣が1つある部屋。
「嬢ちゃん、まずはその小さい方の魔法陣に立ちな」
「は、はい」
私は言われるままに魔法陣に立つ。
「今からこの魔石の中から嬢ちゃんに合う魔石を選ぶ。目を閉じて、何かを感じたら両手を手に出して掴みな」
「え?掴む?」
「まぁ、やってみりゃわかる」
「は、はい…」
私は目を閉じた。
「そのままゆっくりと息をしな。それで、自分の魔力を感じるんだ」
私の体に流れる魔力。
私は魔力を色でわけて感じている。
癒しの緑、変化の白、結界の青。
それを感じるとそれらが固まっていく。
そして、小さな光が私の前にあるように感じる。
目を閉じているから分からないけど、何かがある。
きっとこれのことだ。私は手を伸ばして、その光を掴む。
すると、何もないはずの私の手には、ラグビーボールをゴツゴツさせたような鉱石があった。
色は透き通ったライトグリーン。私の魔力のイメージ色を混ぜ合わせるとこんな感じな色かなと思う。
「ほう…純度の高い鉱石だ。その年でそんな鉱石が掴めるたぁ、大したもんだ」
「ありがとうございます」
「次はそれを持ってそっちの大きい魔法陣に立ちな」
「はい」
私は大きな魔法陣に立って、親父さんを見る。
「今からその魔石が嬢ちゃんの武器に変わる。また、目を閉じて俺の質問に答えな。正直にだぞ?」
「はい」
私は目を閉じた。
「嬢ちゃんは体は頑丈か?」
「いいえ、きっとみんなよりも弱いです」
「嬢ちゃんは敵の近くで戦えるか?」
「いいえ」
「どうしてだ?」
「怖いからです」
「何が怖い?」
「敵に傷つけられるのが怖い。敵を傷つけるのが怖い」
「仲間が襲われそうでも、怖いか?」
「怖い…でも、仲間が傷つく方が怖い…と思います」
「これが最後の質問だ。敵が最愛の仲間を襲っている。お前の手には武器がある。どうする?」
武器…私は剣も振れないし、槍の扱いもわからない。
魔法だって攻撃向きじゃない。
何ができる…?
もし、この世界にあるかはわからないけど…すぐに敵を倒せるとすれば…私なら…。
「私は…敵に迷わず引き金を引きます」
「……目を開けな」
ゆっくり目を開けると、私の手にあった鉱石は、イメージしていた銃へと姿を変えていた。
10
お気に入りに追加
348
あなたにおすすめの小説
【完結】捨てられ令嬢は王子のお気に入り
怜來
ファンタジー
「魔力が使えないお前なんてここには必要ない」
そう言われ家を追い出されたリリーアネ。しかし、リリーアネは実は魔力が使えた。それは、強力な魔力だったため誰にも言わなかった。そんなある日王国の危機を救って…
リリーアネの正体とは
過去に何があったのか
完璧ヒロインに負けたので平凡令嬢は退場します
琴吹景
ファンタジー
【シュプレイム王国貴族学院伝統の卒業生祝賀会『プロムナード』の会場のど真ん中で、可憐な少女と側近の令息数人を従えた我が国の王太子、エドモンド・シャルル・ド・シュプレイム殿下が、婚約者であるペネロペ・ド・ロメイユ公爵令嬢と対峙していた。】
テンプレのような断罪、婚約破棄のイベントが始まろうとしている。
でも、ヒロインも悪役令嬢もいつもとはかなり様子が違うようで………
初投稿です。異世界令嬢物が好きすぎて書き始めてしまいました。
まだまだ勉強中です。
話を早く進める為に、必要の無い視覚描写(情景、容姿、衣装など)は省いています。世界観を堪能されたい方はご注意下さい。
間違いを見つけられた方は、そーっと教えていただけると有り難いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
ペット(老猫)と異世界転生
童貞騎士
ファンタジー
老いた飼猫と暮らす独りの会社員が神の手違いで…なんて事はなく災害に巻き込まれてこの世を去る。そして天界で神様と会い、世知辛い神様事情を聞かされて、なんとなく飼猫と共に異世界転生。使命もなく、ノルマの無い異世界転生に平凡を望む彼はほのぼののんびりと異世界を飼猫と共に楽しんでいく。なお、ペットの猫が龍とタメ張れる程のバケモノになっていることは知らない模様。
頭が花畑の女と言われたので、その通り花畑に住むことにしました。
音爽(ネソウ)
ファンタジー
見た目だけはユルフワ女子のハウラナ・ゼベール王女。
その容姿のせいで誤解され、男達には尻軽の都合の良い女と見られ、婦女子たちに嫌われていた。
16歳になったハウラナは大帝国ダネスゲート皇帝の末席側室として娶られた、体の良い人質だった。
後宮内で弱小国の王女は冷遇を受けるが……。
異世界召喚された回復術士のおっさんは勇者パーティから追い出されたので子どもの姿で旅をするそうです
かものはし
ファンタジー
この力は危険だからあまり使わないようにしよう――。
そんな風に考えていたら役立たずのポンコツ扱いされて勇者パーティから追い出された保井武・32歳。
とりあえず腹が減ったので近くの町にいくことにしたがあの勇者パーティにいた自分の顔は割れてたりする?
パーティから追い出されたなんて噂されると恥ずかしいし……。そうだ別人になろう。
そんなこんなで始まるキュートな少年の姿をしたおっさんの冒険譚。
目指すは復讐? スローライフ? ……それは誰にも分かりません。
とにかく書きたいことを思いつきで進めるちょっとえっちな珍道中、はじめました。
辺境伯令嬢に転生しました。
織田智子
ファンタジー
ある世界の管理者(神)を名乗る人(?)の願いを叶えるために転生しました。
アラフィフ?日本人女性が赤ちゃんからやり直し。
書き直したものですが、中身がどんどん変わっていってる状態です。
ピコーン!と技を閃く無双の旅!〜クラス転移したけど、システム的に俺だけハブられてます〜
あけちともあき
ファンタジー
俺、多摩川奥野はクラスでも浮いた存在でボッチである。
クソなクラスごと異世界へ召喚されて早々に、俺だけステータス制じゃないことが発覚。
どんどん強くなる俺は、ふわっとした正義感の命じるままに世界を旅し、なんか英雄っぽいことをしていくのだ!
求:回復術師 〜絶対見捨てない為に、僕が今できる事〜
まめつぶいちご
ファンタジー
2-3日に1話更新!
【nola縦読み漫画原作大賞にて、優秀賞獲得】
【アルファポリスにてランキング5位獲得】
【DADAN Web小説コンテスト一次選考通過】
未曾有の大災害、医者である主人公は患者を助けるべく奔走するも、命の選択を『見殺し』だと言われ殺されてしまう。
二度と誰も見捨てるもんかと思いながら、回復術師として転生した世界は、回復術師の激減した世界だった。
バレないように回復術師として生きる主人公の冒険をお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる