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第二章

色々はしゃいだら疲れてきちゃいました

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まずは釣り!
やっぱり海に来たら釣りしないとね!

「創造、釣り竿」

私は釣り竿を3本出した。

「さ!これで釣りをして、お魚を釣ろー!」

「これで魚が取れるのですか?」

「もちろん!あ、あの辺がいいかも!ほら、二人共いくよ!」

釣りに良さそうな場所を見つけたので二人をつれていく。

「こうやって先端の餌を飛ばすんだよ。餌を食べると引っ張られるからそれを釣り上げるの」

私が先に釣り竿を振る。
割と上手くいって、ルアーが20メートル先にぽちゃんと落ちた。

「なるほど…では、私もやってみます」

「私もやります!リーシャ、どっちが遠くに飛ばせるか勝負しましょう!」

「望むところです、ではせーので振りましょうか」

ふふふ…二人共楽しんでるようでよかっ…。

「「せーの!」」

ーーーぶぉん!

まるでバットを振るような音ともに風が起きた。
ルアーが遥か彼方へ飛んでいき、しばらくしてリールの糸が全部なくなった。

「あ、これじゃあどっちが勝ちかわかりませんね」

ライラがえへへと笑う。

「えへへじゃないよね!?なにその力!?」

「いえ、このくらいメイドは当たり前に…」

「できないから!普通のメイドさんはリールの糸がなくなるまで飛ばせないから!」

ほんとにこの2人…いろいろ規格外すぎて…。

1時間ほどして、ライラが痺れを切らしてきた。

「お嬢様ぁ…まだですかぁ…?」

「んー…今日は釣れないのかなぁ…」

まぁ…やってみてすぐに釣れるほど、釣りは甘くない。
今日は運がなかったと思って釣りはやめよう。

「じゃあ別の遊びをしよっか!あ、その前に…創造、鍋。創造、ガスコンロ」

鍋いっぱいに海水を回収して、ガスコンロにかけておく。
いや、別に信用してないわけじゃないんだけどね?
海水持って帰ったのに塩が取れなかったら嫌だからね…。

「じゃあ…スイカ割りとか!」

「スイカ割り…ですか?」

「うん!創造、スイカ!創造、タオル」

スイカを砂浜に置いて、近くの木の棒を拾ってから二人にスイカ割りの説明をする。

「これで目隠しをしてね、他の人の声を頼りにこの棒でスイカを割るの!」

「なるほどです!では、私からやりまーす!」

ライラが元気よく手をあげて立候補する。

「じゃあ最初はライラね!」

私はライラに目隠しをして、木の棒を渡す。

「じゃあスタート!ライラーそのまままっすg…」

「ライラ、北西方向に12歩の位置です」

「りょーかい!」

ライラが1歩踏み込んでスイカに接近。
木の棒を振り下ろすと、スイカが粉々になった。

「やりましたよ!お嬢様!」

「あぁ…うん…スゴイスゴイ」

まるで私は出来る子みたいにドヤ顔をするライラ。
でもねライラ…そうじゃないの…。スイカ割りはそんなんじゃないの!

「えっと…じゃあ次はビーチボール!」

私はこの後も二人に海の遊びを教えていくが、ことごとく二人の規格外っぷりに驚かされるばかりだった。

とうとう私の海での遊びのレパートリーがなくなったところで、鍋の海水は塩に変わり、本日のところは帰ることとなった。









海からの帰り道、行きよりもややゆっくりとしたペースで馬車は進んでいく。
お嬢様は遊び疲れたのか、私の足を枕にして、気持ちよさそうに眠っておられます。
馬車がゆっくりなのはお嬢様を起こさないようにというリーシャの配慮だと思う。

「ねぇ、リーシャ。お嬢様のことどう思う?」

「どう思う…というのは難しいですね。ただ、今までの主人とは違うのはよくわかります」

「だよね…主人にはあまりいないタイプだよ。私達に色々教えたり、優しくしたり」

今まで仕えてきた人たちにスノウお嬢様のように優しい人はいなかった。
ただ命令に従って、失敗すれば怒鳴られる。
そんな人達ばかりだった。

「でも、たまに危なくて心配になるよ!崖の上に行こうとしたり、川の中に入ったり!今日だって生魚を食べさせようとしてたし!」

「ふふふ…」

私がお嬢様のこと話してるのにリーシャはくすくす笑っていた。

「なんで笑うかな!」

「主人嫌いのあなたが心配なんて言うからつい…。そうですね…危なくて、何も知らない。だから、私達が王妃様に選ばれたんじゃないかしら」

「そうなのかな?」

王妃様は賢く、素晴らしいお方で、私なんかじゃ王妃様の考えはわからない…。でも…。

「私、お嬢様のお付になれて良かった」

「そう…じゃあ、もう少しお嬢様の身の回りのことしっかりできるようにしてくださいね。掃除とか洗濯とか」

「も、もう!なんで今そういうこと言うかな!」

私がぷんぷん怒るとリーシャはまたくすくす笑っていた。
気がつくと馬車の窓からは王国が見えていた。
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