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第四章

ライラとリーシャの仕事

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「それではお嬢様…行って参ります」

朝早くに私達は門の前で手紙を届けるリーシャのお見送りに来ていた。
まぁ、あれだけ警戒してた割に、私に見張りもつけずにいるのはいかがなものかと…。

「リーシャ、任せたわよ」

「はい、、戻ってきますから」

「うん、、ね」

リーシャは私と揃って悪い笑みを浮かべてから、馬にまたがる。

「リーシャ、ちゃんと私の作った紙、ちゃんと持った?」

「もちろんでございます」

「よし、それじゃあお願いね」

「行って参ります」

そういってリーシャは馬で門から出ていった。

「よし、私たちは…」

「はい!まずは何からいたしましょう!?」

「うーん…まずはブルダの朝食を作って…」

作戦が始まってウキウキしていたライラがガクッとなった。

「お嬢様ぁ…そんなのんびりと…」

「だって私たちはずっと味方のフリをしてないと…」

私たちは王宮に向かって歩きながらこの後の流れを話す。

「あ、そうだ。ライラ、この手紙をゲイルさんに届けてくれる?今日の作戦の内容が書いてあるから」

私が出した手紙を受け取るとライラはプルプルと震えて、急に王宮に駆け出した。

「手紙を届けるのにリーシャの方がかっこいいのはズルいですぅーー!!!」

そう叫びながら宮殿に走っていくライラを見て、私はふぅ…と息を吐いた。

「ウルル…もうちょっとだからね…」

私はそう呟いて宮殿に向かって、再び歩き出した。




ーーーーーーーーーーーー

ビースを出発して1時間ほど経っただろうか。
周囲を警戒しても気配はない…。

私は馬から降りて、鞄の中からお嬢様からいただいた紙を取り出した。
これはお嬢様の異能がかけられていて、これを作った時にフラついたお嬢様を心配した。

紙を広げると、お嬢様の絵が描いてあった。
それにしても本物そっくりの絵ですね…。部屋に飾りたいくらいです。

『リーシャ、この映像を見てると言うことはレインバルトに向かうんだね』

急に紙の中のお嬢様が動いて、喋り出した。

「こ、声が聞こえる!?お嬢様!?」

『ちなみに、これは私の異能で声を紙に保存しただけだから、会話はできないわ』

紙の中のお嬢様がまるで私が驚いていることをわかっているように説明してくれた。
……お嬢様の異能や行動には驚かされてばかりです。

『それじゃあ準備はいい?リーシャがこの紙を持って5秒目を閉じれば、お城の私の部屋へ転移するから、まずは王様に私の手紙を渡して、出来るだけ沢山の兵を用意してもらって。あとの説明はあなたに任せたわ。それじゃあよろしくね。信じているわ』

私がこの作戦で重要な役をしていることはわかっていたから少し緊張していた。
でも、お嬢様の『信じているわ』と言う言葉に、心が引き締まるような思いになった。

「お嬢様、行って参ります」

私はゆっくりと目を閉じた。
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