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暁を覚えない春眠編
サプライズ検討会議
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火曜日の昼休み。
毛利さんと教室で弁当を食べているとSMSで伊達先輩からメッセージが。
『話があるので、放課後、部室に来て』
なんだろう?
急用かな?
僕がスマホを見ていると、毛利さんが尋ねた。
「どうしたの?」
「伊達先輩が、放課後、部室に来いってさ」
「伊達先輩が呼び出すなんて、珍しいね。何の用かな?」
「さあ。いつもは、上杉先輩が偽ラブレターを書いて来るけどね、今日は伊達先輩か…。重大な用事かな?」
「私は放課後、図書委員で行けないから、聞いておいて」
「うん。いいよ」
そんなこんなで、放課後。
火曜日は毛利さんは図書委員の仕事で図書室に行ってしまったので、僕は1人で校舎の4階、端の端、理科準備室でもある歴史研究部の部室までやってきた。
僕が部室の扉を開けると、いつものように伊達先輩と上杉先輩がポテチを肴に紙パックのコーヒーを飲んでいた。
「いらっしゃい」
「来たね!」
「こんにちは」
僕は、いつもの挨拶を交わすと椅子に座った。
「今日は何の用でしょうか?」
「今週の金曜日、3月8日。何の日かわかるわよね?」
僕の質問に対し、逆に伊達先輩が尋ねて来た。
「えーと…」
何だっけ?
「国際婦人デー?」
「それも、当たりなんだけど、それと同じぐらい大切なことよ」
そうか、思い出した。
「毛利さんの誕生日ですね」
「そうよ」
「自分のカノジョの誕生日ぐらい覚えておきなよ」
上杉先輩が睨みつけて来た。
「いや、カノジョじゃあないですし」
伊達先輩が話を続ける。
「それで、サプライズで誕生日祝いをしてあげようと思うんだけど」
さほど、重大な用事じゃあなかったな。
そう言うと、毛利さんが怒るかな?
「そういえば、雪乃もサプライズで誕生日祝いをしようと言ってます」
僕は答えた。
「じゃあ、織田さんと私たちで合同でやりましょう。織田さんとも会って話をしたいわね」
「じゃあ、LINEで聞いてみます」
「え? キミ、LINE使えないんじゃなかったの?」
上杉先輩が再び睨みつけて来た。
そうだ、上杉先輩からの連絡がウザいからLINEアプリの調子が悪いことにしてたんだった。
「あ、ああ…。そうでしたね。最近、治ったんですよ」
「じゃあ、これからはLINEで連絡するわね」
伊達先輩は言った。
「じゃあ、私がわざわざ手紙を書いて下駄箱に置く必要は無くなったね」
「そうですね…」
ん?
「上杉先輩…、僕のLINEがおかしくなる前から手紙を書いてませんでしたっけ?」
「そうだっけ?」
「いや、どうでしょう…?」
よく覚えてないが、もう、どうでもいい。
早速、僕はLINEで雪乃へメッセージを送る。
メッセージのやり取りを少しして、結局、明日、雪乃が歴史研の部室までやって来て詳細を詰めることになった。
「でも、明日は水曜日ですから、毛利さんは部室に来てしまうのでは?」
「明日、毛利さんが部室に来ないように、またキミがデートにでも誘いなよ」
上杉先輩が提案した。
「またって…。僕はデートに誘ったことないですよ」
「あー、はいはい。モテるボクちゃんは、女子からデートに誘われるだけだもんねー」
上杉先輩は嫌味っぽく言う。
「明日は、毛利さんを武田君の家にでも誘っておいて。誕生日のサプライズは私と紗夜と織田さんで考えておくから」
伊達先輩が、上杉先輩の嫌味が面白かったのか、珍しく微笑みながら提案してきた。
「そうですか…。じゃあ、明日、毛利さんを誘いますので、サプライズの中身はお任せします」
「どういうのがいいかなー?」
上杉先輩はそう言って、伸びをした。
そういえば、以前、雪乃の誕生日サプライズも歴史研でしてあげたよな。
あの時は確か、お城巡りで大阪滞在中で、雪乃にケーキを買ってあげたっけ。
今回も似たような感じになるんだろう。
まあ、あとは3人にお任せしよう。
本当に、サプライズとか好きだよな。
その後、僕は久しぶりに下校時間まで部室で伊達、上杉両先輩とダベって過ごした。
毛利さんと教室で弁当を食べているとSMSで伊達先輩からメッセージが。
『話があるので、放課後、部室に来て』
なんだろう?
急用かな?
僕がスマホを見ていると、毛利さんが尋ねた。
「どうしたの?」
「伊達先輩が、放課後、部室に来いってさ」
「伊達先輩が呼び出すなんて、珍しいね。何の用かな?」
「さあ。いつもは、上杉先輩が偽ラブレターを書いて来るけどね、今日は伊達先輩か…。重大な用事かな?」
「私は放課後、図書委員で行けないから、聞いておいて」
「うん。いいよ」
そんなこんなで、放課後。
火曜日は毛利さんは図書委員の仕事で図書室に行ってしまったので、僕は1人で校舎の4階、端の端、理科準備室でもある歴史研究部の部室までやってきた。
僕が部室の扉を開けると、いつものように伊達先輩と上杉先輩がポテチを肴に紙パックのコーヒーを飲んでいた。
「いらっしゃい」
「来たね!」
「こんにちは」
僕は、いつもの挨拶を交わすと椅子に座った。
「今日は何の用でしょうか?」
「今週の金曜日、3月8日。何の日かわかるわよね?」
僕の質問に対し、逆に伊達先輩が尋ねて来た。
「えーと…」
何だっけ?
「国際婦人デー?」
「それも、当たりなんだけど、それと同じぐらい大切なことよ」
そうか、思い出した。
「毛利さんの誕生日ですね」
「そうよ」
「自分のカノジョの誕生日ぐらい覚えておきなよ」
上杉先輩が睨みつけて来た。
「いや、カノジョじゃあないですし」
伊達先輩が話を続ける。
「それで、サプライズで誕生日祝いをしてあげようと思うんだけど」
さほど、重大な用事じゃあなかったな。
そう言うと、毛利さんが怒るかな?
「そういえば、雪乃もサプライズで誕生日祝いをしようと言ってます」
僕は答えた。
「じゃあ、織田さんと私たちで合同でやりましょう。織田さんとも会って話をしたいわね」
「じゃあ、LINEで聞いてみます」
「え? キミ、LINE使えないんじゃなかったの?」
上杉先輩が再び睨みつけて来た。
そうだ、上杉先輩からの連絡がウザいからLINEアプリの調子が悪いことにしてたんだった。
「あ、ああ…。そうでしたね。最近、治ったんですよ」
「じゃあ、これからはLINEで連絡するわね」
伊達先輩は言った。
「じゃあ、私がわざわざ手紙を書いて下駄箱に置く必要は無くなったね」
「そうですね…」
ん?
「上杉先輩…、僕のLINEがおかしくなる前から手紙を書いてませんでしたっけ?」
「そうだっけ?」
「いや、どうでしょう…?」
よく覚えてないが、もう、どうでもいい。
早速、僕はLINEで雪乃へメッセージを送る。
メッセージのやり取りを少しして、結局、明日、雪乃が歴史研の部室までやって来て詳細を詰めることになった。
「でも、明日は水曜日ですから、毛利さんは部室に来てしまうのでは?」
「明日、毛利さんが部室に来ないように、またキミがデートにでも誘いなよ」
上杉先輩が提案した。
「またって…。僕はデートに誘ったことないですよ」
「あー、はいはい。モテるボクちゃんは、女子からデートに誘われるだけだもんねー」
上杉先輩は嫌味っぽく言う。
「明日は、毛利さんを武田君の家にでも誘っておいて。誕生日のサプライズは私と紗夜と織田さんで考えておくから」
伊達先輩が、上杉先輩の嫌味が面白かったのか、珍しく微笑みながら提案してきた。
「そうですか…。じゃあ、明日、毛利さんを誘いますので、サプライズの中身はお任せします」
「どういうのがいいかなー?」
上杉先輩はそう言って、伸びをした。
そういえば、以前、雪乃の誕生日サプライズも歴史研でしてあげたよな。
あの時は確か、お城巡りで大阪滞在中で、雪乃にケーキを買ってあげたっけ。
今回も似たような感じになるんだろう。
まあ、あとは3人にお任せしよう。
本当に、サプライズとか好きだよな。
その後、僕は久しぶりに下校時間まで部室で伊達、上杉両先輩とダベって過ごした。
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