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悪夢の奴隷生活編

横浜デート(?)~その2

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 海の見える丘公園を下って、お次は山下公園に到着した。
 徒歩で10分と少し。
 ここも観光客が結構いる。

 山下公園の目の前は海。潮の匂いがした。
 すぐ近くに氷川丸が係留されている。
 さらに先の山下埠頭の方へ行くと、海の見える丘公園の展望台から見えたガンダムがいるらしい。

 少し疲れたので、公園の空いているベンチに4人並んで座る。
 並びは、妹、僕、雪乃、毛利さん。
 今日は風もなく天気もいいので、少し暖かい。
 ここで、しばらく休憩することになった。

 雪乃が話し掛けて来た。
「ここのベンチなんだけど」
 辺りには、少し離れているが等間隔にベンチが多数並んでいる。
 雪乃は続ける。
「街灯がまばらだから、夜になると、かなり暗いベンチもいくつもあるんだよね」

「そう?」

「だから、色んなことできるよ」

「いろんなこと…?」

「うん、純也が好きな事」

「え…?」
 ああ…、Hな事か…。
 一応、否定しておく。
「別に好きじゃあない」

「今度、夜に来ようよ」

「え…? ああ、うん…」

 そういえば、ここまで来なくても池袋のサンシャインシティの屋上のベンチも暗がりがあるから、イチャつけるんだが。

 この話が終わると雪乃は毛利さんと何か世間話を始めた。
 それを見て妹が話しかけて来た。
「お兄ちゃん、夜にここ来ちゃダメ」
 雪乃の話を聞いていたんだな。

「なんでだよ」

「Hなことするから」

「別に、Hなことしてもいいだろ」

「ダメだよ! お兄ちゃんは誰とでもHなことするから、節操がないよ」

「待ってくれ、いつ僕が誰とでもHなことしたよ?」

 妹は無言で、雪乃と毛利さんに目線を向けた。

 僕は反論する。
「別に、してないだろ」

「しようとしてたくせに」

「未遂だから、別にいいだろ」

「私が部屋に入らなかったら、してたでしょ?」

「してないよ」
 まあ、してただろうけどな。
「それよりも、僕の部屋に聞き耳立てるのはやめろよ。あと、入ってくるときはノックしろ」

 などと会話をして、しばらく休憩したら、再び移動を開始する。
 次の目的地は、よこはまコスモワールド。
 途中、赤レンガ倉庫などの観光地もあるが、今回はスルー。

 徒歩で20分程度。
 よこはまコスモワールドに到着。
 まあまあ人がいるので、各アトラクションは少し並んで待つ必要があった。

 何が乗りたいかは女子3人に任せる。
 という訳で、絶叫系はあまり好きじゃないのだが、ジェットコースター「バニッシュ!」と急流すべり「クリフ・ドロップ」に乗る。
 絶叫系に連続で2つ乗らされた僕はぐったりしているが、女子3人は楽しそうにしている。

 他にもアトラクションをいくつか回って、最後にお化け屋敷「呪いの館」に入ろうということになった。
 僕は、お化け屋敷も苦手で避けたかったので躊躇していると、今回も毛利さんは嘲笑気味に尋ねてきた。
「怖いの?」

「いや、別に…」
 僕は答える。本当は怖いのだが…、しょうがない、今日は何でも命令は聞かないといけないので、仕方なくみんなで入る。

 そして、お化け屋敷から出て来た。
 滅茶苦茶怖かった。心臓が止まるかと思った。

「「あー、怖かった」」
 雪乃と毛利さんは、なんか嬉しそう。
 気が付くと、どさくさ紛れに雪乃は左腕、毛利さんは右腕にしがみついていた。
 妹は背中に顔を埋める様にくっついていた。
 妹は僕と同様に怖かったらしい。
 女子3人が僕にくっついているので、他の人の視線が痛い。

 いい加減、十分に遊んだので、帰ることになった。
 よこはまコスモワールドからは、みなとみらい駅から乗れば、乗り換えなしで帰ることができる。
 今回のデート(?)、徒歩はあったが、乗り換えなしという点で言えば完璧なコースだったな。自画自賛。

 さて、これからは雪乃の家でお泊り会だ。
 雪乃の家の最寄りは西早稲田駅なのでそこまで移動する。

 座席に座れたので、女子3人は少し疲れたのか眠っている。
 僕は、ぼーっと車窓を見ている。
 みなとみらい線は地下だが、東横線はほとんど地上なので景色が見れる。
 東横線は滅多に乗らないので、景色を楽しみながら、駅に着くたびに駅名票を見ていた。
 その後、渋谷からは東京メトロなので再び地下。

 途中、北参道駅に到着。
 駅名票を見る。

 ≪F14 北参道≫

 F14? はて、何か気にかかる…。

 そうか! あの、生徒会に届いた『怪文書』か?
 あの怪文書は伊達先輩にもらって自室に置いてある。

 もし、F14が北参道の事だったら、謎が解けるかもしれないぞ。
 文章を細かく覚えてなかったので改めて確認したかったが、今日はお泊り会なので、確認は明後日だな。

 そうこうしているうちに、西早稲田駅に到着した。
 僕は、寝ている女子たちを叩き起こして電車を降りた。
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