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逡巡する初冬編
伯爵夫人
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お城巡りから帰って、週が明けて月曜日。
さほど疲れが残っていない。さすが新幹線を使っただけある。
なので、比較的楽に登校できた。
登校して教室で、眞田神社で買ってきたお守りを雪乃にあげようと思ったが、今は陽キャ友達同士で話をしていたので、後ほどにする。
あの中に割り込んで入るほどの度胸は僕にはない。
自分の席に着くと、悠斗が話しかけてきた。
「純也、副会長になったんだって?」
情報、早いな。
「それ、どこで知ったの?」
「新聞部のツイッターだよ」
「そうか…。まあ、そういうことだよ」
「なんか、どんどん巻き込まれてないかい?」
「いろいろあってね」
「そう言えば、生徒会の評判が男子の間ですこぶる悪いみたいなんだけど、そっちは大丈夫なの?」
「そんなに悪い?」
「サッカー部ではね…。他の部の男子もそんな感じみたいだけど」
そうか、サッカー部は男子のみだから不満をもっている者は多いということなのか。
「僕が副会長になったのは、生徒会の評判が悪くなってきているので、立て直しの意味もあるんだよ」
「そうか。でも、これ以上、厄介ごとに巻き込まれないようにしなよ」
「ああ、気を付けるよ」
もう手遅れ。
生徒会の評判が悪いと言っても、女子のみの支持率は8割越えなんだけどな。
評判が良くないのは男子のみ。
伊達先輩は、対策をどうするつもりなんだろうか?
僕が副会長に就任すること以外、何も聞いてない。
そして、お昼休み。
今日も雪乃と世間話をしながら、食堂でご飯を食べる。
「ねえ、純也と付き合いだしてから、私、何て呼ばれてるか知ってる?」
雪乃が尋ねる。
「いや、知らない。何て?」
「“伯爵夫人”」
「あ、そう」
僕が“エロマンガ伯爵”と陰で言われているからそうなったのだろう。
まあ、どうでもいいことだ。
話題を変えて、僕は眞田神社で買ってきた御守りを雪乃にあげた。
「ありがとう」
雪乃は嬉しそうに言った。
「学業成就…。これで勉強は、もうしなくてもいいね」
「しなきゃだめだよ」
僕は苦笑した。
まあ、お土産が御守りでも、取り敢えず喜んでもらえたようだ。
「そうそう、勉強なんだけど。水曜日、私、演劇部が無いから、もし時間があったら純也にちょっとだけ教えてほしいところがあって…。いいかな?」
「もちろん、いいよ。科目は?」
「数学」
「わかった。そういえば、演劇部はどう? 忙しい?」
「忙しいよ」
などと僕らが話をしていると、突然、声を掛けてきた人物がいた。
「やあ、ご両人!」
新聞部の片倉部長だ。
「あ、どうも」
「こんにちは」
僕と雪乃は挨拶をする。
片倉部長は、僕らの横に立ったまま話をする。
「カップル成立おめでとう」
「あ、ありがとうございます」
「お陰様で、ツイッターでバズってるよ」
「そうですか」
「あと副会長に就任したのも流したので、それが校内全部に広まるのも数日だろうと思う」
「早く広まればいいですね」
興味ないので、適当に返事をする。
「それで、早速、そのことを男子何人かに直接聞いてみたんだけど、評価は悪くないよ」
「よかったです」
そうでなければ僕が副会長に就任したが意味がない。
「そういえば、それ以外に対策があるとか?」
「そのうち、もうひと押しやろうと思っている」
「そうですか」
あまり興味がないので、詳細は聞かないことにする。
「楽しみにしててよ。じゃあ、また」
話を終え、片倉部長が去り、僕らは食事を続ける。
さほど疲れが残っていない。さすが新幹線を使っただけある。
なので、比較的楽に登校できた。
登校して教室で、眞田神社で買ってきたお守りを雪乃にあげようと思ったが、今は陽キャ友達同士で話をしていたので、後ほどにする。
あの中に割り込んで入るほどの度胸は僕にはない。
自分の席に着くと、悠斗が話しかけてきた。
「純也、副会長になったんだって?」
情報、早いな。
「それ、どこで知ったの?」
「新聞部のツイッターだよ」
「そうか…。まあ、そういうことだよ」
「なんか、どんどん巻き込まれてないかい?」
「いろいろあってね」
「そう言えば、生徒会の評判が男子の間ですこぶる悪いみたいなんだけど、そっちは大丈夫なの?」
「そんなに悪い?」
「サッカー部ではね…。他の部の男子もそんな感じみたいだけど」
そうか、サッカー部は男子のみだから不満をもっている者は多いということなのか。
「僕が副会長になったのは、生徒会の評判が悪くなってきているので、立て直しの意味もあるんだよ」
「そうか。でも、これ以上、厄介ごとに巻き込まれないようにしなよ」
「ああ、気を付けるよ」
もう手遅れ。
生徒会の評判が悪いと言っても、女子のみの支持率は8割越えなんだけどな。
評判が良くないのは男子のみ。
伊達先輩は、対策をどうするつもりなんだろうか?
僕が副会長に就任すること以外、何も聞いてない。
そして、お昼休み。
今日も雪乃と世間話をしながら、食堂でご飯を食べる。
「ねえ、純也と付き合いだしてから、私、何て呼ばれてるか知ってる?」
雪乃が尋ねる。
「いや、知らない。何て?」
「“伯爵夫人”」
「あ、そう」
僕が“エロマンガ伯爵”と陰で言われているからそうなったのだろう。
まあ、どうでもいいことだ。
話題を変えて、僕は眞田神社で買ってきた御守りを雪乃にあげた。
「ありがとう」
雪乃は嬉しそうに言った。
「学業成就…。これで勉強は、もうしなくてもいいね」
「しなきゃだめだよ」
僕は苦笑した。
まあ、お土産が御守りでも、取り敢えず喜んでもらえたようだ。
「そうそう、勉強なんだけど。水曜日、私、演劇部が無いから、もし時間があったら純也にちょっとだけ教えてほしいところがあって…。いいかな?」
「もちろん、いいよ。科目は?」
「数学」
「わかった。そういえば、演劇部はどう? 忙しい?」
「忙しいよ」
などと僕らが話をしていると、突然、声を掛けてきた人物がいた。
「やあ、ご両人!」
新聞部の片倉部長だ。
「あ、どうも」
「こんにちは」
僕と雪乃は挨拶をする。
片倉部長は、僕らの横に立ったまま話をする。
「カップル成立おめでとう」
「あ、ありがとうございます」
「お陰様で、ツイッターでバズってるよ」
「そうですか」
「あと副会長に就任したのも流したので、それが校内全部に広まるのも数日だろうと思う」
「早く広まればいいですね」
興味ないので、適当に返事をする。
「それで、早速、そのことを男子何人かに直接聞いてみたんだけど、評価は悪くないよ」
「よかったです」
そうでなければ僕が副会長に就任したが意味がない。
「そういえば、それ以外に対策があるとか?」
「そのうち、もうひと押しやろうと思っている」
「そうですか」
あまり興味がないので、詳細は聞かないことにする。
「楽しみにしててよ。じゃあ、また」
話を終え、片倉部長が去り、僕らは食事を続ける。
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