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混沌の学園祭編
後夜祭
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占いメイドカフェのお客さんも全員が教室を出て行ったので閉店し、僕らは後片付けと掃除をする。小一時間程度で掃除は終わった。
僕は、教室の後ろの壁に貼られていた歴史研の展示を剥がした。
これ、見てた人は居たのかな?
せっかく作ったのに無駄だったのでは?
と、疑問に思いながら、展示物を歴史研の部室である理科準備室まで持っていった。
理科準備室の隣の理科室では、科学研究部が後片付けをしていた。
科学研、活動しているんだな。普段、理科室は静かだから、活動しているのかしていないのか良く分からないのだが。
僕は歴史研の部室に入ると展示物を畳んで机の上に置く。
ついでに、誰も居ない部室で、執事の衣装から制服に着替えた。
椅子に座ってしばらく休んでいると、毛利さんがやって来た。彼女も制服に着替えていた。
毛利さんは僕が部室に居るのを確認すると声を掛けて来た。
「後夜祭、行く?」
「どうしようかな」
後夜祭として、体育館でミスコンとイケメンコンテストの結果発表が行われ、その後はDJを誰かがやって、クラブ状態となるらしい。
ミスコンもイケメンコンテストも興味がない。
自分がイケメンとして票が入る可能性もないだろう。そもそも立候補していない。いや、他薦もOKだったか?
時間的には、今はもうDJタイムのはずだ。
DJもクラブも、当然、僕は興味がない。
毛利さんによると、着替えを終えた“占いメイドカフェ”のメンバーは、多くが体育館に向かったようだ。
僕は少々考えてから言った。
「折角だから、ちょっとだけ見に行こうか」
というわけで、僕と毛利さんは連れ立って体育館に向かう。
体育館では、大音量で音楽を流し、みんな踊ったり騒いだりしている。パリピだらけだ。
僕はこういうノリは苦手なので、すぐに体育館を後にした。
あたりを少し散策してみる。
校舎の側に出店していた屋台も、ほとんどが後片付けられていた。
僕と毛利さんは中庭まで歩いて、いつものベンチに座る。
毛利さんが話しかけて来た。
「学園祭、終わっちゃったね」
「うん、そうだね」
白雪姫に占いメイドカフェ、ここまで学園祭に関わるとは思っても見なかった。
おかけで精神的にも、肉体的にも疲れたよ。
しかし、明日、明後日は平日だが代休となっているから、ゆっくり休める。
「2日間、ゆっくり休むよ」
「明後日、お城巡りだけど?」
「あれ、そうだっけ?」
そういえば9月中に2つお城を回ると言っていたな。確か日帰りで、山中城と駿府城。
それ、明後日だっけ? すっかり忘れていた。
まあ、いいや、日帰りなら、それほど疲れないだろう。
もうやることもなく、そろそろ帰ろうかなと思ったところで近くから声を掛けられた。
「武田君、毛利さん」
声の方を振り向くと伊達先輩が立っていた。
「あ、お疲れ様です」
「やっと、生徒会の雑用が終わったわ」
伊達先輩は軽くため息をついて言う。
「大変ですね」
「変ないたずらがあって、手間取ってしまって」
「いたずら?」
「なんか、怪文書みたいなものが届いたのよ」
「怪文書?」
「まあ、誰かの悪いいたずらね。それに、読むと来年の学園祭に関わることみたいだし、解読に時間がかかりそうだから無視することにしたわ」
生徒会はそういういたずらの対応もしなければいけないのは大変そうだな。
「体育館には行かないんですか?」
「さっき、ちょっとだけ後夜祭の様子を見て来たわ。でも、ああいうノリは、あまり好きではないのよ」
僕と同じだな。
「僕は、そろそろ帰ろうと思います」
「私は後夜祭が終わるまで、帰れないの。じゃあ、生徒会室に戻るわね」
それはご苦労なことだ。
僕は伊達先輩が校舎に入って行くのを見送った。
「僕らは帰ろうか」
僕は毛利さんにそう言って、立ち上がった。
毛利さんも立ち上がり、僕らは帰路についた。
僕は、教室の後ろの壁に貼られていた歴史研の展示を剥がした。
これ、見てた人は居たのかな?
せっかく作ったのに無駄だったのでは?
と、疑問に思いながら、展示物を歴史研の部室である理科準備室まで持っていった。
理科準備室の隣の理科室では、科学研究部が後片付けをしていた。
科学研、活動しているんだな。普段、理科室は静かだから、活動しているのかしていないのか良く分からないのだが。
僕は歴史研の部室に入ると展示物を畳んで机の上に置く。
ついでに、誰も居ない部室で、執事の衣装から制服に着替えた。
椅子に座ってしばらく休んでいると、毛利さんがやって来た。彼女も制服に着替えていた。
毛利さんは僕が部室に居るのを確認すると声を掛けて来た。
「後夜祭、行く?」
「どうしようかな」
後夜祭として、体育館でミスコンとイケメンコンテストの結果発表が行われ、その後はDJを誰かがやって、クラブ状態となるらしい。
ミスコンもイケメンコンテストも興味がない。
自分がイケメンとして票が入る可能性もないだろう。そもそも立候補していない。いや、他薦もOKだったか?
時間的には、今はもうDJタイムのはずだ。
DJもクラブも、当然、僕は興味がない。
毛利さんによると、着替えを終えた“占いメイドカフェ”のメンバーは、多くが体育館に向かったようだ。
僕は少々考えてから言った。
「折角だから、ちょっとだけ見に行こうか」
というわけで、僕と毛利さんは連れ立って体育館に向かう。
体育館では、大音量で音楽を流し、みんな踊ったり騒いだりしている。パリピだらけだ。
僕はこういうノリは苦手なので、すぐに体育館を後にした。
あたりを少し散策してみる。
校舎の側に出店していた屋台も、ほとんどが後片付けられていた。
僕と毛利さんは中庭まで歩いて、いつものベンチに座る。
毛利さんが話しかけて来た。
「学園祭、終わっちゃったね」
「うん、そうだね」
白雪姫に占いメイドカフェ、ここまで学園祭に関わるとは思っても見なかった。
おかけで精神的にも、肉体的にも疲れたよ。
しかし、明日、明後日は平日だが代休となっているから、ゆっくり休める。
「2日間、ゆっくり休むよ」
「明後日、お城巡りだけど?」
「あれ、そうだっけ?」
そういえば9月中に2つお城を回ると言っていたな。確か日帰りで、山中城と駿府城。
それ、明後日だっけ? すっかり忘れていた。
まあ、いいや、日帰りなら、それほど疲れないだろう。
もうやることもなく、そろそろ帰ろうかなと思ったところで近くから声を掛けられた。
「武田君、毛利さん」
声の方を振り向くと伊達先輩が立っていた。
「あ、お疲れ様です」
「やっと、生徒会の雑用が終わったわ」
伊達先輩は軽くため息をついて言う。
「大変ですね」
「変ないたずらがあって、手間取ってしまって」
「いたずら?」
「なんか、怪文書みたいなものが届いたのよ」
「怪文書?」
「まあ、誰かの悪いいたずらね。それに、読むと来年の学園祭に関わることみたいだし、解読に時間がかかりそうだから無視することにしたわ」
生徒会はそういういたずらの対応もしなければいけないのは大変そうだな。
「体育館には行かないんですか?」
「さっき、ちょっとだけ後夜祭の様子を見て来たわ。でも、ああいうノリは、あまり好きではないのよ」
僕と同じだな。
「僕は、そろそろ帰ろうと思います」
「私は後夜祭が終わるまで、帰れないの。じゃあ、生徒会室に戻るわね」
それはご苦労なことだ。
僕は伊達先輩が校舎に入って行くのを見送った。
「僕らは帰ろうか」
僕は毛利さんにそう言って、立ち上がった。
毛利さんも立ち上がり、僕らは帰路についた。
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