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九滅の願い編

13.3話 楽観渇望者の勝利者

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再び集会所から出て町を見下ろす

チェス
「どうしたというのです?
降伏しますか?」

ラウド
「いや、それは無いな
今の状態を見て俺は楽観的になれた

なら、手駒を率いてみればいいさ」


勝ち気なラウドに
怒り気味に盤上メイズを起動する
何か地面で亀裂が走って来るのを感じていた

チェス
「何ですかあれは…
あの亀裂と共に私に降りかかって来る…!」


そこにチェスに攻撃が繰り出される
亀裂メイズだ

ラウド
「遅かったじゃないかマリア」
マリア
「おう 久しいなラウド
元気でやってるのか」
ラウド
「元気でやってたらこんな苦戦してないっての」
マリア
「はは それは良好だ
そのタイミングついでに連れて来てやったぞ」

チェス
「一体この場で増援して何が出来ると言うのです?
…あなた達は確か…」


そこに増援として追加していたのは
かつてラウドに改心させられたチェスのゲームに負けた敗者もとい
盟約を受けた被害者であった





「そうだ
俺達はお前にかつて負けた軍勢だ
ゲームに負けた俺達は今まで死神を崇拝していた

しかし、ラウドが楽園メイズの扉を解明して
俺らと対峙した時、俺達は女神を崇拝する事になった
そうしている内に何かを感じた

おかしい事に気付いた頃には
既に電子世界であり、そして亀裂メイズを使ったマリアから
伝えられたんだよ」


チェスの事を
ラウドが戦っている事を

マリア
「メイズ協会から伝言を頼まれた時には
既に私はエミナ町に向かっていた頃だった」
ラウド
「昔からマリアは勘が鋭いからね
亀裂メイズっていう亀裂を入れる危険なメイズの操縦者だけはある」
マリア
「確かに…昔からそうだな
そしてお前はその昔を何も知らん…まあそれは後々とすればいい事だが…」


その形勢逆転はチェスにとっては
これが新たな手駒だったのかと安堵していた様子だった




チェス
「しかし
役者がそろった所でどうにもなりません
私の手駒はまだいますよ

亡霊共が」


亡霊が繰り出される
それは死んでいた魂だ
そしてそこに荒くれ者と同じ雰囲気を感じる魂がその中心に存在していた

ラウド
「魂になってまで手駒とする…か
確か魂になっているという事は怨霊の「イル」って事か?」

マリア
「恐らくそうだろう
イルと同じ威力だ
あれには飲み込まれるな

と言ってもお前にはそれを拒否する力があるから同意しないのだろうが」


ラウドはイルという恐怖への存在に自ら向かっていった
それはイルを知っている者からしたら自殺行為そのものだった
対策不可のような怨霊の塊だからだ その塊に同化する形で怨念化していく
しかしラウドはそれでも向かっていく そのおかしな状況にチェスは疑問していた

チェス
「な!?
何故私の攻撃に向かってくるのです
知っているのでしょう
あの砂漠の土地にいったのだから…
それは負けた人が死神を崇拝していた土地だというのに」

ラウド
「そう 知っているさ
だがな、俺は別に死ぬために
お前のゲームに負ける為に向かう訳じゃないさ」


ラウドはその中にいるであろう元々人間だったそいつらへ説得する為に
自らの生命を犠牲にしてしまうレベルの行動を
イルへと自分の命を進んで投げかけていった
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