【R18】異世界で婿をとれと言われましたが、あたしにはオッサン閣下がちょうどいい！

本編

ep15_ギリアロさんとデート！？ 行くに決まってるじゃん！

　ギリアロさんの腕のなかでわんわん泣いた。
　すっごいみっともなかったと思うけど、ギリアロさん、全部受け止めてくれた。

　あたしは泣きつかれて眠ってしまって、でも、次の日――起きたらびっくりするくらいスッキリしててさ。
　世界がちょっと、ひらけて見えた。
　ぜんぶ、ぜんぶ、ギリアロさんのおかげ。

　この世界で、飛び交う飛行機を見るたびに、まだたまに不安がこみあげてくることもあったけど――でも、大丈夫。なんか、また泣いちゃったらさ？　そのときもまた、ギリアロさんが抱きしめてくれる気がするんだ。
　……なんて。恋する乙女の願望なんですけどっ！


　はーーー。
　妄想と願望でいっぱいいっぱいになってるよね。ギリアロさん超やさしーからあたしも調子乗っちゃったっていうか。
　でも最近、ギリアロさんあたしに気をつかってくれてるのか、前よりもっとやさしーところあったりしてさ。
　たまに……すっごくたまにだけど、頭なでてくれたりとか。します。……どしたの？

　とにかくっ。はからずしもあたしが過去をぶちまけちゃったせいで、ギリアロさんと仲良くなれた気がする。これはたぶん客観的に見てもそう。
　現に――、

「お前さんもずっと、愛し子として出かけてばかりだったろう？　殿下が気をつかってくださってな、俺と、お前さん、一緒に休みをくださるらしい」
「！」
「――すこし急だが、明明後日しあさってから出かけようと思うんだ。……どうだろう？」

　それってつまり、

「デート！？」

　ヤバ。テンションアガりすぎて、くい気味になっちゃった！

「…………まあ、そんなようなモンだ」
「行きますっ！」

　デートのお誘い？
　デートのお誘いっ！
　あのギリアロさんからだよ？　えっこれ夢かな。

　大人っぽく落ち着きをもって、みたいな目標かかげてたけど、ムリ。こんなのはしゃぐに決まってるじゃん。
　どこいくの、なにするの、ギリアロさんと一緒に歩けるの！？

「あー……それでだな。…………いちおう、ダメ元で聞いておくが。お前さん、俺の戦闘機ヒコーキ…………乗るか？」
「！」
「あっ、戦闘機っつっても、もう普段使い用に改造してだな。ちっとばかり狭いが、２人乗りはイケるし……安全飛行するからっ。俺、たぶん操縦技術はまだ国……いや、世界イチだろうし……その……嫌じゃ、なければ」
「乗りますっ」

　即答したら、ギリアロさん両目まん丸にしてた。
　そりゃそうだよね。
　っていうか、あたしも、自分で自分の答えにびっくりしたよ。

　でも、そのあとじっくり考えても答えはかわらなかった。
　こないだあれだけ大泣きして、あたしも多分、なにかが変わった。いい機会だって思う。

「ギリアロさんのヒコーキで、ギリアロさんの操縦なら。あたし、大丈夫」
「……」
「だから、しよ。――ヒコーキデート」