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第二章・墓標に刻む者
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がれきを背に、霧子は二丁拳銃から対レギオン用のソフトポイント弾を次々に撃ち出していた。勇三と反対側にいた彼女も、レギオンたちの襲撃を受けたのだ。
一度の銃声で二発の弾丸が放たれるたび、怪物が身体のどこかを砕きながら後ろへと吹き飛んでいく。その攻撃の苛烈さに、怪物たちは彼女に近づくことさえままならなかった。
優勢ではあったものの、霧子は歯噛みしていた。こうしているあいだも、勇三の命が脅かされているのかもしれない。
「ニンフズ!」インカムからトリガーの声が爆発する。「勇三が離れていった。罠だ! すぐに合流しろ!」
同時に銃身の四つのスライドが引かれたまま開かれる。弾切れだ。
舌打ちをすると同時に踵を返し、霧子ががれきを一足飛びに駆けあがっていく。最初に足をかけたコンクリートのかたまりが落ちて地面で砕けたときには、彼女の身体はがれきの頂上からさらに宙高くを舞い上がり、とんぼを切りながら向こう側の地面に着地していた。
アスファルトにブーツの乾いた着地音が響く……その直後、前方から怪物たちが飛びかかってきた。
霧子は垂直に飛ぶと、スケートのアクセルジャンプよろしく勢いよく回転した。
独楽のように持ち上がったスカートの裾が触れると同時に鈍い衝撃音が響き、怪物たちが蝿のように叩き落とされる。
昏倒した獲物のそばに霧子が着地する。片膝をつくことで地面に接したスカートの端をつまみあげると、中から二つの新しい弾倉があらわれた。
正面から襲いかかってくる二体の新手に向けて、霧子は銃を振りあげた。拳銃から放たれたふたつの空弾倉がそれぞれ直撃し、怪物たちは地面へと墜落した。
「おまえたち、邪魔をするな」
地面で待つ新しい弾倉を差し込むと、霧子の手元で二丁の拳銃がふたたび力と殺気を宿した。
一度の銃声で二発の弾丸が放たれるたび、怪物が身体のどこかを砕きながら後ろへと吹き飛んでいく。その攻撃の苛烈さに、怪物たちは彼女に近づくことさえままならなかった。
優勢ではあったものの、霧子は歯噛みしていた。こうしているあいだも、勇三の命が脅かされているのかもしれない。
「ニンフズ!」インカムからトリガーの声が爆発する。「勇三が離れていった。罠だ! すぐに合流しろ!」
同時に銃身の四つのスライドが引かれたまま開かれる。弾切れだ。
舌打ちをすると同時に踵を返し、霧子ががれきを一足飛びに駆けあがっていく。最初に足をかけたコンクリートのかたまりが落ちて地面で砕けたときには、彼女の身体はがれきの頂上からさらに宙高くを舞い上がり、とんぼを切りながら向こう側の地面に着地していた。
アスファルトにブーツの乾いた着地音が響く……その直後、前方から怪物たちが飛びかかってきた。
霧子は垂直に飛ぶと、スケートのアクセルジャンプよろしく勢いよく回転した。
独楽のように持ち上がったスカートの裾が触れると同時に鈍い衝撃音が響き、怪物たちが蝿のように叩き落とされる。
昏倒した獲物のそばに霧子が着地する。片膝をつくことで地面に接したスカートの端をつまみあげると、中から二つの新しい弾倉があらわれた。
正面から襲いかかってくる二体の新手に向けて、霧子は銃を振りあげた。拳銃から放たれたふたつの空弾倉がそれぞれ直撃し、怪物たちは地面へと墜落した。
「おまえたち、邪魔をするな」
地面で待つ新しい弾倉を差し込むと、霧子の手元で二丁の拳銃がふたたび力と殺気を宿した。
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