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-8-『タヌキ寝入りのお姫さま』♯

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(あっ、またこの夢かあ……)

 肌寒さを感じて、ネムエルは薄く目を開いた。
 目の前がぼんやり暗い。この静けさからして、真夜中の夜だ。

 身体が冷えているのは、かけ布団は取り払われているせいだろう。ここまでは、今回は少し違った。

 男がベッドに両手をつき、自分の上に覆い被さっていたからだ。

(今日は変だな……んっ!)

 胸もとから、引っ張られるような感覚がやってきた。

 水が跳ねるような、ぴちゃぴちゃとした音も鳴っている。くすぐったくもあった。乳首が吸われていると気付くのに、やや時間がかかった。

 見れば、ざらついた舌がぬるりと乳頭部を舐め回している。
 むずかゆさが、尻骨の辺りに生まれた。
 ゾクゾクと、甘いしびれが背筋を駆けのぼってくる。

 戸惑いながら、ネムエルは可憐な唇を引き結んだ。

(なっ、なんだろ……。
 な、なんで私、お胸が吸われてるのかなぁ?)

 夢中になっている男の頭頂部を見つめた。

 暗い影が動いている、という印象しか湧かない。

 闇に包まれた男の姿は輪郭線だけに過ぎず、現実味もなかった。時折、窓辺から入ってくる月明かりが男のたくましい肉体を照らしたが、ひどく頼りないものだった。

(わ、私……おっ、おっぱい出ないから……
 そ、そんなに吸っても……)

 これまでの安眠マッサージでは、胸に触れられたこと少なかった。

 そういった女性的な場所――デリケートな部分には、男はある種のためらいを持っているようだった。

 なのに、今日に限っては違う。

 執拗に舌先を転がし、ぷくりと立った乳首をアメ玉のように転がしてくる。

「はぅ」

 短く悲鳴があがる。

 吸われながら、揉まれていた。遠慮などなく、指は力強く乳肉を挟みこんだ。乳房の形をぐにゃぐにゃと変えられ、ネムエルはあわあわと口をあけしめした。

 頬がカァと熱くなった。
 こんなふるまいは誰にもされたことはない。

(うぅううううっ……
 くすぐったいし、困ったなぁ。
 これって、だめなことだよね。
 だめだよね……?
 私、怒った方がいいのかな。でも……)

 今回は趣向を凝らしたマッサージかもしれない。

 そんな可能性も考慮してみる。

 未だに奉仕してくれる理由は謎のままだが、ネムエルは深く考えるということは不得手だったので、流されるままに様子見に入った。まだ我慢できる範疇はんちゅうでもあったからだ。

(まあ、ちょこーっと……気持ちいいし……
 って、あっ、あっ――あぁー!)

 ネムエルのあごがカクンと跳ねた。

 男の手が乙女の秘所――熱を帯び始めた股間に触れたからだ。

 それも、ただ触られたわけではない。

 二本の指は、縦筋の奥へ分け入った。

 恥肉をグイッと広げ、秘穴付近に垂れている愛液をすくい取り、ぐちゃぐちゃとかき混ぜつつ、親指が隠れていた小豆をぐりぐりとまさぐってくる。

(ふぁあぁー!)

 恥ずかしくなったネムエルはふとももに力を入れ、両足を閉じようとした。

 しかし、愛撫が隙なくに続いたこともあり、甘い刺激に惑わされて下半身が震えるだけで終わる。

(はぅううううっ!
 こっ、困るよぉ……どっ、どうしよっ、
 こ、声をかけようかな?
 でも、今から「こんにちは」するのもなんか、おかしい気がするし……)

 天然ボケのネムエルは、変なところで迷いを持ってしまった。

 その間、彼女の身体に生まれた性的な興奮は燃料を与えられ続け、手が付けられないほど勢いを増していった。

(あぁ…そっかっ……んっ……
 これ、ご本にあったやつだっけ……)

 寝る前に読んだ本の一ページを思いだした。
 確か、女性を楽しませるための手法として書かれていた。

(ふわんってして、気持ちいいから……
 楽しい、かな……?)

 まさぐられる下腹部は生殖本能の忠実に従い、既に水溜まりとなっていた。

 甘い快楽が脳みそをとろかし、どうしようもないほどの陶酔感を与えてくる。

 太い指がおのれの弱い部分をこすると、はしたない声を漏らしてしまう。

「ん……あっ」

 責め立てる男の息遣いも荒くなった。

 腹部の肌に吐息がぶつかってくる。あからさまに反応を楽しんでいる。ネムエルは意地悪だと思った。オモチャにされているような気分になる。

 やがて、恥骨の辺りがじんわりと熱を持ってきた。

 それは絶頂の予兆だったが、ネムエルには達した経験がなく、どう対処していいかわからなかった。

(んぅっ……もっ、もうだめっ……
 わっ、私、おっ、おかしくなる……ぅっ!
 じゅ、呪文……唱えちゃお……)

 夢にしても、過激すぎた。

 目覚めの気配もない。
 やむなく抵抗しようとしたネムエルは『疾風撃ゲール』という呪文を唱えようとした。手の平に力を集中させる。

 渦巻く魔風はひとたび解き放たれれば、厚い石壁をねじ切るほどの暴圧を持っていた。

「あっ……げるっ、うあっ……んっ……ひぃぅっ……!」

(しっ、舌がもつれるよぉ!
 あぁぁぁああっ、も、もうだめかもっ!)

 ぺろんとへそを舐められ、ネムエルは気を散らした。

 まるで、悪戯をたしなめるような一撃だった。

 手の平の魔力が霧散した。ベッド際に小さな旋風が散っていった。

 同時に――ヘソの辺りに溜まっていた熱が、ふわっと広がっていく感覚が襲ってくる。ぶるぶると股間が震えた。膝がガクガクと笑う。

 ネムエルにとって、人生初めての絶頂だった。

 その排出感は尿意と似通っていたので、ネムエルは自らが排尿したと錯覚さっかくした。

(やっ、やっちゃったぁ……。
 あっ、あははっ……久しぶりに……
 お、怒られちゃうなぁ……
 なんか、身体に力が入らない……って、あれっ?)

 股間からの刺激は、いつしかやんでいた。

 男は覆い被さるのをやめ、ネムエルの足もとに移動している。

(おっ、終わったのかな……?
 よかった。ほどほどが一番だよね……)

 くぃっと膝頭が左右に移動させられる。

 両脚を開かされた恰好となったが、ネムエルは性感の|余韻(よいん)でふわふわとしていた。
 男は足の間でもぞもぞと動いていたが、何をするかなど予想もしていなかった。


 ――ぷちっ


(あっ)

 ふともも同士がぶつかった。パンッと渇いた音がした。

 男の象徴が、ぬかるんだ膣道を滑り込んでいく。圧倒的な挿入感により、おぼろげにあったネムエルの眠気は吹き飛んだ。膣奥からくる鋭い痛みと、僅かな肉の悦楽が精神に大きな打撃を与えたのだ。

(いっ、いいい、いったぁあっーーー!!)

 目を白黒させ、口をぱくぱくさせる。

 ネムエルは何が起こったか確かめようと、弱々しく首を持ち上げた。
 そして、縦長の黄金瞳がおのれの痛点――接合部を確認して見開かれた。

(おっ、男の人の股間を押しつけられてる……
 これってもう、エッチだよね?
 さっき……本で読んだものだよね……赤ちゃんを作るやつだよね?)

 自問しても、答えなどはでてこない。

 しょせん、付け焼け刃の性知識である。

 確かなことは、暗がりでわかりずらいが――男根が膣に深々と侵入したという事実だけだ。

 尻の付け根が冷たかった。尻穴への道に破瓜の血が垂れ流れているせいだ。処女膜は破れ、子宮口までペニスが到達している。

 胎内でドクッドクッと脈動する肉の棒が、あまりにも強い現実を突きつけてくる。

(これ、夢じゃないや……あっ)

 ――ようやく、正しく現状を把握したところで唇を奪われた。

 舌と舌が重なった。

 唾液にまみれた口粘膜がにゅるにゅると絡まっていく。食べ物を口にしているわけでもなかったが、不思議と美味だとネムエルは思った。

 自然と目尻が垂れ下がり、固くなっていた身体が弛緩していく。

「君のことが好きなんだ」

(んっ)

 耳たぶに向けて、ささやかれる。

 ぞくりとさせる声音だった。僅かに震えていて、苦しげな情感がこもっていた。ネムエルは自分の心臓の鼓動を聞いた。どきどきとして騒がしい。残っていた抵抗しようとする気が失せていく。

 こわばりが解けたのを見計らったのか、背中に筋肉質の手が回された。

 密着すると、火傷をしそうなほど肌が熱い。
 相手もまた、自分と同じように感情を昂ぶらせているのだとわかった。

(……なんだろ。安心する触り心地……)

 奇妙だが――以前から知っている肌触りだと思った。こんな風に誰かに抱き寄せられたことなど、ないはずなのに。

「はふぅっ」

 ネムエルはびくりとして、上半身を浮かせた。

 股の奥でおとなしくしていた男性器が暴れ始めたからだ。前後の動きは緩慢であったが、稀に力強いものが突きに混じってくる。
 やわな少女の股関節はその度に振動し、尻の形を柔軟に変えた。

(……あわっ……変な、感じ、する……
 わぁー……き、気持ちいい。
 何これぇ……頭が、さっきより、くらくらするぅ……)

 熱に浮かされたネムエルは、黄金の瞳を涙で潤ませながら性交の味に酔った。

 硬い棒が秘所を行き来し、うねうねとした膣壁を摩擦し続けている。湯ぶねをかき混ぜるような、ちゃぷんちゃぷんとした音がたまらなく恥ずかしいが、性欲を煽るエッセンスにはなっている。

(……あぁー……ほんと、気持ちいい。
 ずっと、こうしていたいな……
 私、甘えん坊だったのかなぁ……はぁー……)

 根がのんびり屋のネムエルは行為中にも関わらず、そんなことを思った。

 誰かに愛おしげに抱きしめられるのは、いつ以来のことだろうか。

 いつしか可愛がられるより、恐れられる日々が多くなっていった。

 周囲からの期待がつらく、自分を変えられることもできず、流されるままに生きてきた。

(……多分、だめなことしてるけど……気持ちいいなぁ)

 身体を上下に揺すられながらも、ネムエルは背徳の快楽に身を任せた。

 しかし、行為は激しくはあったが、長続きすることもなかった。

 終わりは予告をもって訪れた。

「だっ、出すから……!」

(んっ、出す?
 出すってなんだろ……
 あっ、ご、ごめんなさい……わ、私が、先に、出しそうぅ……
 ま、また、おしっこ漏れるぅ……)

 叩かれ、擦られ続けているネムエルの股間には、灼熱しゃくねつの塊が生まれていた。

 子宮の溜めこんでいたその高まりは、外へ流れていくことを望んでいる。

「くっ」

「ふぁああ……ぁぁっ……っ!」

 膣内にもぐっていた硬い肉棒が、最奥の壁へと突き進んだ。

 それはぶるぶると微動し、煮えた液体を子宮に送りこもうとしていた。膣道が白濁した液体で満たされ、それを男の小水だと捉えたネムエルも触発された。
 せきとめていた尿意を開放する。
 雌穴の隙間から、ぴゅるぴゅると透明な液体が発散した。

「あふっ……あぁあっ……」

 ネムエルの視界は、真っ白に染まった。

 幸福のホルモンが脳に分泌され、痛みのない電撃が背筋をぴりぴりと刺激する。

 少女は、知らなかった快楽を強く記憶に刻みつけることになった。

(凄い、気持ちいい……
 あぁ……ふわふわ……する……
 何んだろう……これ……またしたいなぁ……)

 ネムエルが気を抜いたことで、立てていた膝が崩れた。両足が伸ばされ、ぐったりとした体勢に移行する。

 張りつめていた筋肉がすべて、弛緩してしまった。

(でも、ちょっと疲れたかなぁ……)

 ベッドに手をつき、呼吸を整える男の横顔を盗み見ると、交接の疲れでしきりに目をぱちぱちとさせていた。

 自分と同様に疲労しているのは明らかだ。
 少し心配になり、ネムエルはジッとその様子を見つめていた。

 そして、偶然にも合うことがなかった視線が交錯こうさくした。

「あっ」

「あなたは、誰?」

 声をあげて質問すると、男の顔は血の気を失った。

 何かを大事なモノを失った者がするような、後悔の表情が浮かぶ。

 ネムエルは小首を傾げた。

 眠っていたふりを続けるべきだったか。

 けれども、股間にこびりついた粘液は拭きたい。

 お互いに粗相そそうしたのだ。起きて後始末する必要があると、彼女はのんびり思っていた。
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