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世界はとっても混沌中
制御プラグ
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「よーしよーし。」
動物番組の動物使いの誰かを思い浮かべながら、私は飛びかかってくるリンリンを交わしては、机の上をぴょんぴょんと飛び跳ねて逃げ回っていた。
ただ逃げ回っているわけではない。
私は勝機を探してもいたのだ。
人造怪人だったら体のどこかに制御プラグがあるはずで、そこをオフにすればエネルギー供給が阻害されて力を失うはずなのだ。
私が雷光にされた事を思い出せば。
転生に気が付いた時、私が人造怪獣として産声を上げたその日なのだろうが、意識を取り戻したばかりの私は身におきた己の醜さを受け入れることなど出来なかった。
だって、ぶよぶよよ!
カフカの毛虫になっちゃった主人公そのまんまよ!
そんな不条理なんか受け入れられるわけ無いでしょう!
絶望と怒りが頂点に達した事で、私の身体は第二形態に勝手に変化した。
ぶよぶよだった体が硬質化し、私は洗濯機の中に放り込まれたような、自分の意識が無くなるぐらいに急にぐちゃぐちゃになったのだ。
どうして私ばかりこんな目に!
差し伸べた手は自分の硬質化した皮膚を破っていた。
私はぶよぶよのダンゴ虫から、ぶよぶよの胴体を持ち羽までも持つやっぱり虫な何かに羽化していたのだ。
「結局これかああああああ!」
私の魂の叫びで、私の背中に畳まれていた四枚の羽が一気に広がり、それは私の意思など及ばない所で、大きく大きく広げて羽ばたいた。
私の羽ばたきによって、一瞬で全てが炎によって破壊されていく。
ああ、なんというその快感。
私の怒りも憎しみも、いや、私が前世の二十八歳だった 水瀬茉希だった事すら、脳みそから燃やし尽くしたように消え去った。
私は全てを燃やし尽くす事に腐心してしまったのである。
ところが、私に抱きついて来た男がいた。
「俺と一緒になろう。」
プロポーズのような、あるいは心中を持ち掛けられたようなセリフに、私は私の部分をほんの少し取り戻し、羽ばたきを止めてしまった。
雷光は私の足をさらっと撫でた。
ぶよぶよの胴体から飛び出した足は意外に人間めいたもので、この体の私にとって一番人間らしくて一番私らしい場所ともいえる。
だから私はその手の感触に心が震えた。
だって前世だって格好いい男にモモを撫でられた事なんか無かったんだもん!
優しく撫でる雷光の手がどんどんと上に上っていくけれど、私が彼を押しとどめられなかったのは、ひとえに、雷光がとっても真面目な顔で私を見つめてもいたからだ。
あいつは普通にしていれば本気で良い男なのよ!
ああ、思考が逸れた。
モモを撫でられたところからだが、雷光の手はそのうちに私の腰のあたりに辿り着いたのである。
かちん。
音は私の尾てい骨のすぐ上で起きた。
そこに私の制御プラグがあって、プラグに、ええと、私は思い出した事が思い出して良かったと喜ぶべきかと思いながら自分の制御プラグを指先で触ってみた。
「ああ!あいつはここにUSBメモリみたいなのを差し込んでいたじゃない!」
そう、差し込まれて瞬間に私は感電した様になって終了し、次に気が付いた時には研究室のベッドの上で全裸美少女という姿で目を覚ましただけである。
「ああ!失敗!雷光を呼ばなきゃ!私じゃリンリンの怪人化を治せない!」
ガシャガシャガシャーン。
リンリンは私目掛けて机を投げつけて来た。
動物番組の動物使いの誰かを思い浮かべながら、私は飛びかかってくるリンリンを交わしては、机の上をぴょんぴょんと飛び跳ねて逃げ回っていた。
ただ逃げ回っているわけではない。
私は勝機を探してもいたのだ。
人造怪人だったら体のどこかに制御プラグがあるはずで、そこをオフにすればエネルギー供給が阻害されて力を失うはずなのだ。
私が雷光にされた事を思い出せば。
転生に気が付いた時、私が人造怪獣として産声を上げたその日なのだろうが、意識を取り戻したばかりの私は身におきた己の醜さを受け入れることなど出来なかった。
だって、ぶよぶよよ!
カフカの毛虫になっちゃった主人公そのまんまよ!
そんな不条理なんか受け入れられるわけ無いでしょう!
絶望と怒りが頂点に達した事で、私の身体は第二形態に勝手に変化した。
ぶよぶよだった体が硬質化し、私は洗濯機の中に放り込まれたような、自分の意識が無くなるぐらいに急にぐちゃぐちゃになったのだ。
どうして私ばかりこんな目に!
差し伸べた手は自分の硬質化した皮膚を破っていた。
私はぶよぶよのダンゴ虫から、ぶよぶよの胴体を持ち羽までも持つやっぱり虫な何かに羽化していたのだ。
「結局これかああああああ!」
私の魂の叫びで、私の背中に畳まれていた四枚の羽が一気に広がり、それは私の意思など及ばない所で、大きく大きく広げて羽ばたいた。
私の羽ばたきによって、一瞬で全てが炎によって破壊されていく。
ああ、なんというその快感。
私の怒りも憎しみも、いや、私が前世の二十八歳だった 水瀬茉希だった事すら、脳みそから燃やし尽くしたように消え去った。
私は全てを燃やし尽くす事に腐心してしまったのである。
ところが、私に抱きついて来た男がいた。
「俺と一緒になろう。」
プロポーズのような、あるいは心中を持ち掛けられたようなセリフに、私は私の部分をほんの少し取り戻し、羽ばたきを止めてしまった。
雷光は私の足をさらっと撫でた。
ぶよぶよの胴体から飛び出した足は意外に人間めいたもので、この体の私にとって一番人間らしくて一番私らしい場所ともいえる。
だから私はその手の感触に心が震えた。
だって前世だって格好いい男にモモを撫でられた事なんか無かったんだもん!
優しく撫でる雷光の手がどんどんと上に上っていくけれど、私が彼を押しとどめられなかったのは、ひとえに、雷光がとっても真面目な顔で私を見つめてもいたからだ。
あいつは普通にしていれば本気で良い男なのよ!
ああ、思考が逸れた。
モモを撫でられたところからだが、雷光の手はそのうちに私の腰のあたりに辿り着いたのである。
かちん。
音は私の尾てい骨のすぐ上で起きた。
そこに私の制御プラグがあって、プラグに、ええと、私は思い出した事が思い出して良かったと喜ぶべきかと思いながら自分の制御プラグを指先で触ってみた。
「ああ!あいつはここにUSBメモリみたいなのを差し込んでいたじゃない!」
そう、差し込まれて瞬間に私は感電した様になって終了し、次に気が付いた時には研究室のベッドの上で全裸美少女という姿で目を覚ましただけである。
「ああ!失敗!雷光を呼ばなきゃ!私じゃリンリンの怪人化を治せない!」
ガシャガシャガシャーン。
リンリンは私目掛けて机を投げつけて来た。
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