19 / 20
第1章
第19話 緊急事態から逃げるようです
しおりを挟む
「何回言ったら学ぶのかなぁ? お兄ちゃん?」
「いや、これは違うんだ……」
「そのまるで浮気したような発言はやめてくれる?」
「なんで知ってんの?」
俺は九十九恋。今現在進行形で説教を受けている。ちなみにこれは2日連続の説教である。未だに俺は説教を受けないようにすると言う成長をしていないが、これはこれで案外悪くはないかもしれないーーー
「お兄? 目が逝ってる。生きてる?」
「元を正せばお前が原因なんだけどな」
本当にそうである。このクソガキ(那月)が俺のプリンとロールケーキを食べなければ何も変なことは起きなかったものを。まじでテメェふざけんなよ?
「……責任取れよ」
「…………それは結構進んだカップルが言うことだと思うけど……第一、今までもこれからも彼女が出来ないお兄には関係ないでしょ」
「さらっと呪いの言葉発するのやめて?」
たしかに俺に彼女は今までいないと言うのは事実であるが、これから彼女ができるかもしれない未来の芽を摘み取ろうとするのはやめてもらえるかな?
「……私、怒ってるのにもはや空気にされてるよね? 2人ともほんとに反省しないと来月のお小遣い減額するよ? …………2000円から1000円に」
ちなみにうちの財務大臣は基本愛海である。俺も時々介入することはあるが、この妹(こ)が有能なゆえに、俺が教えることは今となってはもうないも同然である。
「「お願いしますそれだけは勘弁してください」」
「……どうしてそれだけは息ぴったりなのか聞きたいよ…………」
そりゃあ嫌でしょ、だって2000円から1000円、2分の1にお小遣いが減らされたらたまったもんじゃない。金欠で困るのが目に見える……。きっと那月の脳裏にも同じような状況が目に浮かんでるんだろうな……。
「ーーーあ~あ、大したものなかったな~」
奈菜が俺の部屋から帰ってきて、リビングに戻ってきた。
「…………人の生活部屋見といてそれかよ」
「あ! まだ私見てないのに! どうして先に行っちゃったの?!」
「…………終わったことは仕方ない、私たちが大事なのはこれからなんだよ? 愛海ちゃん?」
「……それ、先走った奈菜ちゃんが言うことじゃないと思うよ? ていうか誰が教えたの」
その質問を聞いた奈菜はよくぞ聞いてくれたとばかりに自身のポケットから彼女のスマートフォンを取り出し、ドヤ顔でーーー
「GGった!」
「そっかー、GGったのかー、そーなのかー、ふーん、その『GGる』って言葉便利だね? 今度私も使ってみようかな……?」チラッ
……え? ちょっと? こっち向かないでくれ、怖い怖い……何だその顔は。何か企んでるだろ?! ちょっ、奈菜?? 那月?? どこ行くの?? この状況で?!
「あ! 私家の用事があるの忘れてた! ちょっと私帰るね! 後よろしく!!」バタバタ
ああ、奈菜が帰ってった……。火の種だけ撒いて帰っていったよ……。
「私もちょっと宿題が……」
「おい!! 奈菜はまだしも、那月はないだろ!? 今更急に宿題があるなんて無理があるんじゃないか…………??」
俺は那月がリビングから全力で逃げようとするのを必死に止めようとする。
「いいや! 私は覚醒したの…………! もうアホとは言わせないようにするのよ…………! とりあえず離してくれないかな……苦しい……」
「いや、お前逃げるだろ……! お前にとって都合のいいような解釈なんて絶対しないからな…………イダッ!!」
俺が那月の手を持っていた手が噛まれた。あまりの痛さに話してしまい……。
「わ……私は部屋に帰る!! 宿題する!!」
そして、俺はこのリビングで孤独の存在となった。正確には愛海がいる訳だが……。
「……ゆっくり話そう?」
俺は明日生きているだろうか。それは今の俺には分からないことだ。
「いや、これは違うんだ……」
「そのまるで浮気したような発言はやめてくれる?」
「なんで知ってんの?」
俺は九十九恋。今現在進行形で説教を受けている。ちなみにこれは2日連続の説教である。未だに俺は説教を受けないようにすると言う成長をしていないが、これはこれで案外悪くはないかもしれないーーー
「お兄? 目が逝ってる。生きてる?」
「元を正せばお前が原因なんだけどな」
本当にそうである。このクソガキ(那月)が俺のプリンとロールケーキを食べなければ何も変なことは起きなかったものを。まじでテメェふざけんなよ?
「……責任取れよ」
「…………それは結構進んだカップルが言うことだと思うけど……第一、今までもこれからも彼女が出来ないお兄には関係ないでしょ」
「さらっと呪いの言葉発するのやめて?」
たしかに俺に彼女は今までいないと言うのは事実であるが、これから彼女ができるかもしれない未来の芽を摘み取ろうとするのはやめてもらえるかな?
「……私、怒ってるのにもはや空気にされてるよね? 2人ともほんとに反省しないと来月のお小遣い減額するよ? …………2000円から1000円に」
ちなみにうちの財務大臣は基本愛海である。俺も時々介入することはあるが、この妹(こ)が有能なゆえに、俺が教えることは今となってはもうないも同然である。
「「お願いしますそれだけは勘弁してください」」
「……どうしてそれだけは息ぴったりなのか聞きたいよ…………」
そりゃあ嫌でしょ、だって2000円から1000円、2分の1にお小遣いが減らされたらたまったもんじゃない。金欠で困るのが目に見える……。きっと那月の脳裏にも同じような状況が目に浮かんでるんだろうな……。
「ーーーあ~あ、大したものなかったな~」
奈菜が俺の部屋から帰ってきて、リビングに戻ってきた。
「…………人の生活部屋見といてそれかよ」
「あ! まだ私見てないのに! どうして先に行っちゃったの?!」
「…………終わったことは仕方ない、私たちが大事なのはこれからなんだよ? 愛海ちゃん?」
「……それ、先走った奈菜ちゃんが言うことじゃないと思うよ? ていうか誰が教えたの」
その質問を聞いた奈菜はよくぞ聞いてくれたとばかりに自身のポケットから彼女のスマートフォンを取り出し、ドヤ顔でーーー
「GGった!」
「そっかー、GGったのかー、そーなのかー、ふーん、その『GGる』って言葉便利だね? 今度私も使ってみようかな……?」チラッ
……え? ちょっと? こっち向かないでくれ、怖い怖い……何だその顔は。何か企んでるだろ?! ちょっ、奈菜?? 那月?? どこ行くの?? この状況で?!
「あ! 私家の用事があるの忘れてた! ちょっと私帰るね! 後よろしく!!」バタバタ
ああ、奈菜が帰ってった……。火の種だけ撒いて帰っていったよ……。
「私もちょっと宿題が……」
「おい!! 奈菜はまだしも、那月はないだろ!? 今更急に宿題があるなんて無理があるんじゃないか…………??」
俺は那月がリビングから全力で逃げようとするのを必死に止めようとする。
「いいや! 私は覚醒したの…………! もうアホとは言わせないようにするのよ…………! とりあえず離してくれないかな……苦しい……」
「いや、お前逃げるだろ……! お前にとって都合のいいような解釈なんて絶対しないからな…………イダッ!!」
俺が那月の手を持っていた手が噛まれた。あまりの痛さに話してしまい……。
「わ……私は部屋に帰る!! 宿題する!!」
そして、俺はこのリビングで孤独の存在となった。正確には愛海がいる訳だが……。
「……ゆっくり話そう?」
俺は明日生きているだろうか。それは今の俺には分からないことだ。
8
お気に入りに追加
69
あなたにおすすめの小説
僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
貞操観念が逆転した世界に転生した俺が全部活の共有マネージャーになるようです
卯ノ花
恋愛
少子化により男女比が変わって貞操概念が逆転した世界で俺「佐川幸太郎」は通っている高校、東昴女子高等学校で部活共有のマネージャーをする話
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
貞操観念逆転世界におけるニートの日常
猫丸
恋愛
男女比1:100。
女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。
夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。
ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。
しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく……
『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』
『ないでしょw』
『ないと思うけど……え、マジ?』
これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。
貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。
陽キャグループを追放されたので、ひとりで気ままに大学生活を送ることにしたんだが……なぜか、ぼっちになってから毎日美女たちが話しかけてくる。
電脳ピエロ
恋愛
藤堂 薫は大学で共に行動している陽キャグループの男子2人、大熊 快児と蜂羽 強太から理不尽に追い出されてしまう。
ひとりで気ままに大学生活を送ることを決める薫だったが、薫が以前関わっていた陽キャグループの女子2人、七瀬 瑠奈と宮波 美緒は男子2人が理不尽に薫を追放した事実を知り、彼らと縁を切って薫と積極的に関わろうとしてくる。
しかも、なぜか今まで関わりのなかった同じ大学の美女たちが寄ってくるようになり……。
薫を上手く追放したはずなのにグループの女子全員から縁を切られる性格最悪な男子2人。彼らは瑠奈や美緒を呼び戻そうとするがことごとく無視され、それからも散々な目にあって行くことになる。
やがて自分たちが女子たちと関われていたのは薫のおかげだと気が付き、グループに戻ってくれと言うがもう遅い。薫は居心地のいいグループで楽しく大学生活を送っているのだから。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)
@aozora
ファンタジー
ひろし君は狂喜した。「俺ってこの世界の主役じゃね?」
このお話は、男女比が狂った世界で女性に優しくハーレムを目指して邁進する男の物語…ではなく、そんな彼を端から見ながら「頑張れ~」と気のない声援を送る男の物語である。
「第一章 男女比世界へようこそ」完結しました。
男女比世界での脇役少年の日常が描かれています。
「第二章 中二病には罹りませんー中学校編ー」完結しました。
青年になって行く佐々木君、いろんな人との交流が彼を成長させていきます。
ここから何故かあやかし現代ファンタジーに・・・。どうしてこうなった。
「カクヨム」さんが先行投稿になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる