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第五章

女性陣の鍋の印象

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 せっせと肉と魚……そして野菜を切り分けていると、目の前からぴょこっとシアとメリッサの二人が顔を出した。

「お魚いっぱい!!」

「おにくも…やさいも…たくさん。」

「お兄さん、今日の夜ごはん何~?」

「今日の夕ご飯は、にするぞ~。」

「「しゃぶしゃぶ!!」」

 しゃぶしゃぶと聞いて、二人は大喜びしている。恐らくキングクラブとエルダーシュリンプを食べた時の事を思い出しているのだろう。

「今日は残念だけど、キングクラブとエルダーシュリンプはないから、違う魚で我慢してくれ。」

「シア、お魚あるなら大丈夫!!」

「わたしも…だいじょうぶ!」

「うんうん、ありがとな二人とも。」

 ポンポンと二人の頭を撫でてあげる。

「もう少しで出来上がるから、向こうで待っててくれ。」

「うん!!待ってる!!」

「おなか…すかせてる!」

 そしてパタパタと二人はリビングの方へと戻っていった。それを見送り、調理のペースを上げる。

「肉と魚、野菜は全部別々のお皿に盛り付けて……後は一番出汁に塩で味をつける。」

 しゃぶしゃぶに使う食材を全て盛り付け、土鍋に張った一番出汁に塩で軽く味をつけておく。

「うっし、これで完了。」

 準備ができたところで、みんながいるリビングに出汁を張った土鍋と、しゃぶしゃぶに使う食材を運んでいく。

 すると、鍋を見たランがぱぁっと表情を明るくした。

「あら!!今日は鍋なのね?」

「そ、最近肌寒くなってきたからな。今日は鍋で温まろうと思ったんだ。」

「良いわね!!ワタシお鍋好きよ?コラーゲンのある具材があれば、最高ね!!」

「あ~……残念だが、今回はコラーゲンの入ってる食材はないかな。」

「あら……それは残念。」

 ランが残念そうな表情を浮かべているその奥で、リリンやフレイまでも残念そうな表情を浮かべてしまっていた。

 どうやら、あのアンゴロウ鍋のイメージが強すぎたらしい……。鍋といえばコラーゲンが入っていると、印象がついてしまったようだ。

「ごめん、配慮が足りなかった。次鍋をやるときは、コラーゲンのある食材用意しとくよ。」

 今回は俺のミスだな。女性陣への配慮がかなり足りていなかった。これは新たに俺の中の教訓に加えておこう。

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