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第四章

後継者問題

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 レイが飛び去った後、バイル達は死んだ国王のそばに近寄る。

「こりゃあ後始末が大変そうだな。」

「そうですね、次期国王の選出に…王城の改修に…あぁ、眠れない日々が続きそうです。」

 忙しくなりそうな予感に頭を抱えるカムジン。そんな彼にダグラスが助け舟を出すように言った。

「次期国王のことならば考えなくてもいいだろう?そこに正統な後継者がいるじゃないか。」

 そう言ってダグラスは後ろにいたエートリヒを指さした。

「まぁ、問題は彼に国王となる意思があるかどうかだがな。私は彼に国王の座についてもらうのが一番理想だと思う。無駄な抗争も起きないし、権力を求める卑しい輩よりも彼はよっぽど信用できるからな。」

「それに関してはオレも賛成だな。正統な後継者であることをきっちり国民や、他の大臣どもにも伝えてやりゃあ納得させられるだろう。」

「エートリヒ卿、私たちはあなたが国王を志すならば、できうる限り助力はするつもりですが…どうしますか?」

 この三人はエートリヒが国王になるのに賛成のようだ。ここまで推されているが、彼はどうするのだろうか。彼に目を向けると、少し考えこみながら口を開いた。

「私が王になって大丈夫でしょうか。」

「なに言ってやがる。お前以外に適任なんざいねぇんだよ、もっと自信を持て。なぁ次期国王様よ?」

 不安になっているエートリヒに、バイルが彼の肩をたたきながら元気づけるように言う。

「まぁ、まだ時間はあるゆっくり考えるといいさ。エートリヒ陛下?」

 ふっ、と笑いダグラスはエートリヒの肩に手を置いて言った。そう簡単に決められることじゃないだろうから、ダグラスの言う通り少し考えればいいと思う。

 次期国王のことについて話していると、書庫の外から何やら叫び声が聞こえてきた。

「で、伝令ッ!!王都の中心に大量の魔物が出現ッ!!だ、だれかいませんかっ!!」

「私が聞いてきます!!」

 誰よりも先にキースが書庫を飛び出し、叫んでいた人から状況を聞きに行った。

 レイが対処してくれてるはずだから、大丈夫だとは思うが……あまりに数が多いとなると、少し心配だな。

「リリン、一緒に来てくれないか?」

「はぁ~、人使いが荒いわねぇ。まっ、そろそろ体を動かしたかったからいいけど。」

 リリンと共に、レイがぶち開けていった城を飛び出し、魔物の鎮圧を開始するのだった。
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