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第四章
王都での立ち回り
しおりを挟む夕食を食べ終えたバイル達は、満足そうに街の宿屋へと戻っていった。肥えた舌を持っている人物でも、サラマンダーの肉は美味しく食べられたようだ。
サラマンダーのポテンシャル……恐るべしだな。
「やはりいつ食べても、サラマンダーの肉は極上の味わいだったな。」
シンも満足したようにつぶやいた。そういえば、先ほどバイル達と何を話していたのだろう。ちょっと聞いてみるか。
「さっきご飯を作ってる間、彼らと何を話していたんだ?」
「なんのことは無い、ヒイラギについてずっと聞かれておった。」
どうやらバイル達は、少しでも俺についての情報を得ようと、シンを質問攻めにしていたようだ。
「恥ずかしい話してないだろうな?」
「聞かれて恥ずかしいことなど一つもあるまい?だからヒイラギの英雄譚をひたすらに聞かせてやった。……少々話を盛ってしまったがな。」
ガハハと笑いながらシンは言い放った。最後ぼそりといったところは聞き取れなかったが……まぁ大丈夫だろう。
「そうか、まぁ恥ずかしい話をしていないならいいや。」
さて、みんなにも明日のことについて話しておかないとな。
「みんな、明日のことでちょっと話があるんだけどいいか?」
集まってくれたみんなに、明日のことについて話すことにした。
「明日王都に入る方向で進むんだが、王都に入ったら俺とリリン以外はバッグの中で待機しててくれ。もし国王と対峙した時に洗脳されたら困る。」
「えっ!?ちょ、私はッ!?」
焦ったようにリリンが自分を指さして言った。
「リリンは俺と同じ戦闘要員だ。あぁ、大丈夫だぞ。最悪、洗脳されたら速攻で解除するから。」
「なんか最近私の扱いが雑じゃない!?……まぁ、すぐ治してくれるのならそれでいいけど。」
軽く愚痴をこぼすリリンだったが、しぶしぶ納得してくれた。
「ほかのみんなは、安全が確保されるまではひたすら待機だ。ドーナとランも不満なのは分かるが、今回の敵は厄介だ。洗脳から大勢を守り切る自信はない。わかってくれ。」
少し不服そうな表情を浮かべるドーナとランを、そう諭した。
「う~、わかったわ。」
「洗脳されてヒイラギに迷惑をかけるわけにもいかないしねぇ。今回は大人しくしておくよ。」
「すまないな、後で埋め合わせはするよ。」
「埋め合わせに何をしてもらうかは、ちゃ~んと話し合っておくわ。」
とんでもない要求をされないように……とだけ祈っておこう。だが、これでみんなの安全は確保できたようなものだ。これで明日……王都に踏み込める。
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