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第四章
天才少女メリッサ
しおりを挟むお昼ご飯を食べ終わった後、俺はソファーに腰かけて料理の雑誌を読み漁っていた。
まぁ、今読んでいるのは一年以上前に発売された雑誌だから、現在の流行もそれが通じるかどうかはわからないが……。そもそもまずここ異世界だしな。
「洋食の料理を日本料理風に盛り付けてアレンジ‥か。」
ページを捲っていると、そういった類いの料理がたくさん出てきている。確かに見た目では、こういうのもいいかもしれないな。
できるなら、こういうのを食べられる店にいいから勉強しに行ってみたかったな。
「ふぅ……。」
ひとつ大きくため息を吐きながら雑誌を読んでいると、俺の腕の下を通り、メリッサがひょっこりと顔を出した。
「ぱぱ…なによんでるの?」
「ん?料理の本を読んでるところだったんだ。」
太ももの上にちょこんと座り、メリッサも雑誌に目を通すが……。
「……よめない。」
「やっぱり言語理解を持ってても読めないか。」
「どうして…ぱぱは…よめる?」
不思議に思ったメリッサは、首をかしげながら問いかけてくる。
「その本に書いてある言葉は、この世界の言葉じゃないんだ。俺がもともと住んでいた世界の言葉なんだよ。」
「おぉ~…ぱぱ…すごい。」
「でも読めないけど、美味しそうな料理が載ってるのはわかるだろ?」
「うん…わかる。」
「それだけわかれば、十分本としての価値はあるんだよ。」
実際、俺も読めもしない外国の料理本を読み漁ったりしてたからな。案外写真をみれば何が書いてあるのか、だいたいはわかるものだ。
そしてメリッサが料理の本に目を通してから、数分経つと……。
「ぱぱ…ぺんとかみ…ちょうだい?」
「ペン?ちょっと待っててな。」
何を思ったのかメリッサはペンと紙を要求してきた。料理の絵でも書くつもりなのだろうか?
不思議に思いながら、紙とペンをメリッサに渡すと何かを紙に書き綴り始めた。
「ぱぱ…みて?」
「ん?……ん!?」
メリッサが紙に書いたのは文字……それも日本語だった。それだけではない。平仮名だけだが、ちゃんとした文章を書き綴られていた。
紙にはわたしはめりっさです。と書いてあったのだ。
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