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第四章
芽生える可能性
しおりを挟む不幸な死を遂げた魂からの搾取か……死んでも尚、利用され続けるとか最悪だな。
「そういうことだったのか。つまり、もしかすると今までの魔物ってのは、あのフードの女の負の感情から産まれていた可能性が高いってわけか。」
「そういうことです。」
出会って話してみた感じ、アイツから負の感情なんて全く感じなかったが、心の奥底にある僅かなそれでも搾取されてしまうのだろうか?
「ですが、一つおかしいところがあるんです。死の女神……彼女は私と違って肉体ごと転生をさせる力なんて持ってないはずなんです。」
「だが、あのフードの女は俺と同じ日本人みたいだったぞ?それにしっかりと肉体もあるみたいだったし……。」
まぁ顔とかはフードに隠れて、全く全貌が確認できなかったが。それでも間違いなくヤツは、日本人でしっかりとした肉体も持っているのは間違いない。
「う~ん、いったいどうやって……。」
イリスは深く考え込み始めた。
「例えば、誰か他の女神が死の女神に協力したら、できたりしないのか?」
「もう一人女神の力を合わせれば、できないことはないかもしれません。ですが、彼女に協力する女神なんていないはず……。」
「それか何か別の方法があるのか。」
イリスと二人で考えるが、一向にその答えは出てくる気配がない。イリスとしても、イレギュラーな事態なんだろう。
「この件については、もう一度あの女に出会ったときに、しっかりと問い詰める必要がありそうだな。」
「私の方でも少し調べてみます。何か分かれば報告しますね。」
「あぁ、頼む。」
イリスもこの件について調べてくれるようだ。これで何か分かればいいんだが……。
「ヒイラギさん、もし仮に死の女神が転生の力を使えるようになっていたとしたら……ヒイラギさんのお師匠さんが、この世界に転生していてもおかしくない事態になりますよ?」
「あぁ、わかってる。」
もし、あのフードの女の正体が師匠なら、なぜ死の女神なんかに協力してるのか、俺が納得がいくまでしっかりと話してもらわないとな。
だが、それ以前にまずはヤツに勝つために強くならないといけないな。
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