転生料理人の異世界探求記(旧 転生料理人の異世界グルメ旅)

しゃむしぇる

文字の大きさ
上 下
635 / 1,052
第四章

芽生える可能性

しおりを挟む

 不幸な死を遂げた魂からの搾取か……死んでも尚、利用され続けるとか最悪だな。

「そういうことだったのか。つまり、もしかすると今までの魔物ってのは、あのフードの女の負の感情から産まれていた可能性が高いってわけか。」

「そういうことです。」

 出会って話してみた感じ、アイツから負の感情なんて全く感じなかったが、心の奥底にある僅かなそれでも搾取されてしまうのだろうか?

「ですが、一つおかしいところがあるんです。死の女神……彼女は私と違って肉体ごと転生をさせる力なんて持ってないはずなんです。」

「だが、あのフードの女は俺と同じ日本人みたいだったぞ?それにしっかりと肉体もあるみたいだったし……。」

 まぁ顔とかはフードに隠れて、全く全貌が確認できなかったが。それでも間違いなくヤツは、日本人でしっかりとした肉体も持っているのは間違いない。

「う~ん、いったいどうやって……。」

 イリスは深く考え込み始めた。

「例えば、誰か他の女神が死の女神に協力したら、できたりしないのか?」

「もう一人女神の力を合わせれば、できないことはないかもしれません。ですが、彼女に協力する女神なんていないはず……。」

「それか何か別の方法があるのか。」

 イリスと二人で考えるが、一向にその答えは出てくる気配がない。イリスとしても、イレギュラーな事態なんだろう。

「この件については、もう一度あの女に出会ったときに、しっかりと問い詰める必要がありそうだな。」

「私の方でも少し調べてみます。何か分かれば報告しますね。」

「あぁ、頼む。」

 イリスもこの件について調べてくれるようだ。これで何か分かればいいんだが……。

「ヒイラギさん、もし仮に死の女神が転生の力を使えるようになっていたとしたら……ヒイラギさんのお師匠さんが、この世界に転生していてもおかしくない事態になりますよ?」

「あぁ、わかってる。」

 もし、あのフードの女の正体が師匠なら、なぜ死の女神なんかに協力してるのか、俺が納得がいくまでしっかりと話してもらわないとな。

 だが、それ以前にまずはヤツに勝つために強くならないといけないな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

異世界転生!俺はここで生きていく

おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。 同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。 今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。 だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。 意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった! 魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。 俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。 それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ! 小説家になろうでも投稿しています。 メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。 宜しくお願いします。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~

むらくも航
ファンタジー
Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。 配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。 誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。 そんなホシは、ぼそっと一言。 「うちのペット達の方が手応えあるかな」 それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。 ☆10/25からは、毎日18時に更新予定!

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

処理中です...