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第四章

革命の始まり

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「ダグラス、お前はどうするんだ?」

「……ッ。わ、私は陛下のお心が知りたい。なぜ我々を洗脳する必要があったのか、なぜこんな信頼を裏切るようなことをしたのか……聞いてみたい。」

 バイルの問いかけに神妙な面持ちでダグラスは答えた。多分この人は、国王に真の忠誠を誓っていた人なんだろう。だから簡単には裏切るという決断ができずにいるのだと思う。

「ダグラス、あなたが陛下を思う気持ちはわかります。ですが、我々の役目というのは、陛下が誤った道を進んでいたら、それを正すことだと思うのです。」

「‥‥道を正す手段が謀反だというのか?」

「それ以外に方法はないでしょう。仮にこの後、あなたが陛下にその心中をお聞きに行ったとして、その後に待っている結末……。それはわかりきっていますよね?」

「……。」

 カムジンの言葉にダグラスは押し黙った。彼の言う結末というのは、洗脳のこと。そして彼が再び洗脳されれば、バイルやカムジンの二人も国王に呼び出され再び洗脳されかねない。

 心の中でそれを悟ったダグラスは、ポツリと呟いた。

「私は……私は何をすればいい?教えてくれ。」

「協力していただける……ということでよろしいですか?」

「あぁ。」

 そしてダグラスは、一度忠誠を誓った国王を裏切り、俺たちに協力するという苦渋の決断を下した。

「皆さんに勘違いをしてほしくはないのですが、俺達が起こすのは単なる謀反ではなくです。」

 謀反を起こすのは簡単だ。戦争に反対の兵士達を使って、国王を武力制圧すればいいだけだからな。だが、それではダメだ。
 別に国王の死体が見たい訳じゃないし、血で血を争う何てことはしたくない。だからこそ、国民の協力が不可欠。

「国民の戦争に反対の人の署名を集めて、国王に突きつけ、正当な理由で国王の座から降りてもらいます。」

「なるほど、それなら私が活躍できそうだ。各街の長に書状を出しておこう。」

 カムジンは早速自分の役割を見つけたらしい。この人は頭の回転が速いな。

「じゃあオレは兵士達の署名を集める。あの中にも戦争に反対してる奴が溢れてるからな。」

 バイルは兵士達の署名を集めてくれるようだ。

「わ、私は何をすればいい?」

「ダグラスさんは、国の何を任されてますか?」

「私は国の財政を任されている。」

「それなら、戦争のため税金を大幅に引き上げると、嘘の通達を各街に出してください。」

「そ、その程度でいいのか?」

「それだけやってもらえれば十分です。きっとそれで不満が溢れると思うので。」

 これで準備は整った……後は向こうにこちらの動きを悟られないようにするのみだ。
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