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第四章
血液の代用品となる飲み物
しおりを挟む「なによこの白いの……。」
「へ、へんなものじゃないよね?」
二人はなにやら怪しいものを見るような目で、コップに注がれた飲み物を見ていた。
「変なものなわけないだろ、これは牛乳だ。」
「「ぎゅうにゅう?」」
二人は今まで牛乳を見たことがなかったのか、牛乳という言葉にいまいちピンときていないようで首をかしげていた。
「二人は見たことないか?これは、牛の乳を搾ったものなんだ。」
「へぇ~……それで?これを飲めばどうなるの?」
「牛乳を飲んで、しっかり睡眠をとれば胸が大きくなる…………らしい。」
昔読んだ本にそう書いてあったはずだ。あいにく女じゃないから、胸のことなんて気にしたことないし、そんなに詳しくは知らない。
牛乳に本当にそんな効果があるのかは俺も分からないが、少なくとも飲まないよりかはマシにはなるのではないだろうか。
「毎日飲んでしっかり寝る……だけかぁ~、そんな簡単に大きくなるのかなぁ。」
「第一私達に合う飲み物かってところが問題じゃないかしら?」
「それもそうだな。一度飲んでみて確かめてみたらどうだ?」
牛乳は血液からできているという話を聞いたことがある。もしかすると、これがあれば二人の血液事情をこれで解決できるんじゃないか?
そんなことを期待しながら、俺は二人が牛乳を飲むのを固唾を飲んで見守った。
いざ二人が牛乳を少し口に含んで飲み込んでみると、大きく目を見開いた。
「お、美味しい……。それにこれはもしかして。」
「間違いないよお姉様っ!!」
「「血だ!!」」
二人は顔を見合わせてそう言った。そして一気にコップに入っていた牛乳をゴクゴクと飲み干すと、
スッと空になったコップを差し出してきた。
「もう一杯注ぎなさいよ。」
「ボクもおかわり欲し~い!!」
思惑通りどうやら二人の血液事情はこれで解決しそうだ。もっと早くこの方法に気が付いていれば、血液のことで二人が悩むことはなかったんだが……。
そして二人はもう一度注がれた牛乳をあっという間に飲み干してしまった。
「ふぅ…まさかこんな飲み物が血の代用品になるなんてね。」
「それに胸もおっきくしてくれるんでしょ?ボクこれから毎日これ飲も~っと♪」
「はっ!?そ、そうよ!!飲んだらよく寝なきゃいけないのよね?じゃあ私はもう寝るわ!!」
「あっ!!ボクも寝る~!!みんなおやすみ~!!」
牛乳をのみ終えた二人は、そそくさと布団を敷いてすぐに寝入ってしまった。さっきまで喧嘩をしていたというのに、隣同士で寝ている辺り…やっぱり仲がいいんだな。
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