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第四章

就寝後に……

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 リリン達に報告を終えた後、シャワーを浴びて、残るは寝るのみとなった。

「明日はきっとミルタさんに会えるはずだから、またあのお店に行かないとな。」

 明日はたくさん話を聞きたいし、少し早めにここを出よう。そのために今日は早めに寝ておこう。

 敷いた布団の上にごろんと横になる。するとシア達もいつもの場所に横になった。
 メリッサはシアのとなり……つまるところ俺の胸の上に収まった。

「ぱぱ…あったかい。」

 スリスリとメリッサは、胸に顔を擦り付けてくる。いつも思うんだが……胸の上って寝づらくないのだろうか?

「寝心地悪くないか?」

「だい…じょうぶ…きもちいい。」

「そうか、ならいいんだが。」

 みんなに囲まれて体が温かくなってくると、急速に睡魔が迫ってくる。目を閉じると、俺の意識は微睡みの中に沈んでいった。






「ぱぱ…ぱぱ…。」

「ん……んん、どうしたんだメリッサ?」

 突然メリッサに体を揺さぶられ起こされる。まだ朝にはなっていない。

「わたしの…はちが…わるいにんげん…つかまえた。」

「悪い人間?」

 重くのし掛かってくるまぶたを、こじあけながら体を起こす。

「わたし…はちに…みまわり…おねがいしてた。」

「いつの間にそんなことを……。」

「このもりに…はいったとき。」

 どうやらこの森に入ったときには、もう辺りの見回りをしてくれるハチを放っていたらしい。

「その捕まえた人間って今はどこにいる?」

「いま…はこんで…きてる。」

 俺の予想が正しければ…そいつらは国王に命令されて来たんだろうな。ひとまず軽く尋問してみるか。

 そんなことを思っていると、ハウスキットのドアがコツコツ……とノックされた。

「ぱぱ…きたよ。」

「あぁ、わかった。」

 ドアを開けた先には、メリッサの配下のハチが、ヴヴヴ…と羽音をたてながらホバリングしていた。

「にんげん…どこ?」

 メリッサがハチにそう問いかけると、ハチは前足である方向を指差した。

「あっちにいるのか。」

「うん…あんない…して?」

 そしてハチは先ほど指差した方向へと飛び始めた。そのハチに着いていくと……。
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