上 下
256 / 1,052
第三章

宴会の用意

しおりを挟む

「ここにあるものを全部使っていいのか?随分太っ腹だな。」

「我らは食欲が旺盛でな。このぐらい用意しておかぬと足りぬのだ。ましてや今宵の宴会は大人数……城のメイドも兵士も、民も一部招いての開催だからな。」

 ベルグ達と宴会を開いたときよりもさらに大きな規模の宴会か…。そりゃあ確かに大量の食材が必要になるな。

「私はこれ一個食べれば十分ね。」

 リリンは中ぐらいのリンゴのような果物を手にとってそう言った。嗜む程度と言っていたからそれぐらいで丁度良いのだろう。

「さて、あんまり時間も無いからな。先ずはメインの料理に使えるものを探していくか。」

 獣人族に出して喜ばれる料理……やはりそれは肉料理だ。ベルグ達には少し手の込んだ肉料理を作ったが……今回は少し趣向を変えよう。
 生の肉を焼いただけで、味がどれほど変わるのか体験してもらいたい。一応肉を焼くという文化はあるらしいが、いかに焼くという調理法が奥深いものなのか知ってほしい。

 食材を眺めていると、1つの肉の塊が目に留まった。

「この肉いいな。赤身にいい感じに脂がのってて、焼いたら美味しそうだ。」

 まじまじと肉を眺めているとシンが近づいてきて肉の匂いを嗅ぎ始めた。

「スンスン……ふむ、の肉か。」

「匂いで判別がつくのか?」

「うむ、ここにあるだいたいの肉であれば嗅ぎ分けれるだろう。」

 なにそれすごい……。

 肉を食べてどの牛だって判別することができるのはまだわかるが、匂いを嗅いだだけで判別してしまうとはな。獣人族の嗅覚恐れ入った。

「それで、黒乱牛…だったか?どんな牛なんだ?」

「黒乱牛は最近我が国でようやく安定した飼育ができるようになった牛だ。この牛は味は良いのだが気性が荒くてな…飼育が難しかったのだ。」

「それをよく飼育できるようになったな。」

「うむ、メスとオスの割合をある一定の割合にすることで大人しくなることを発見したのだ。」

 よくそんな事を見つけたな。だが、それほど意欲的に取り組んだということはよっぽど味がいいということの裏付けになる。

「あとは、このモモ肉の塊も使おうかな。」

 またシンに匂いをかぎ分けてもらうと、これも黒乱牛の肉らしい。

「次……次は芋がいいな。」

 肉の次の主食ということもあって、冷蔵庫の中には大量の芋が保管されている。サツマイモのような芋から普通のジャガイモのような芋まで様々だ。

 今回はジャガイモみたいな芋を使おう。

「後は葉野菜をいくつかと、玉ねぎと……。」

 そのほかにいくつか野菜をピックアップして、バッグへと放り込んだ。とりあえず材料はこんなもんで十分かな。

 さて、あとは存分に腕を振るうとするか。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの? 人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。

アラヒフおばさんのゆるゆる異世界生活

ゼウママ
ファンタジー
50歳目前、突然異世界生活が始まる事に。原因は良く聞く神様のミス。私の身にこんな事が起こるなんて…。 「ごめんなさい!もう戻る事も出来ないから、この世界で楽しく過ごして下さい。」と、言われたのでゆっくり生活をする事にした。 現役看護婦の私のゆっくりとしたどたばた異世界生活が始まった。 ゆっくり更新です。はじめての投稿です。 誤字、脱字等有りましたらご指摘下さい。

ステータス999でカンスト最強転移したけどHP10と最低ダメージ保障1の世界でスローライフが送れません!

矢立まほろ
ファンタジー
 大学を卒業してサラリーマンとして働いていた田口エイタ。  彼は来る日も来る日も仕事仕事仕事と、社蓄人生真っ只中の自分に辟易していた。  そんな時、不慮の事故に巻き込まれてしまう。  目を覚ますとそこはまったく知らない異世界だった。  転生と同時に手に入れた最強のステータス。雑魚敵を圧倒的力で葬りさるその強力さに感動し、近頃流行の『異世界でスローライフ生活』を送れるものと思っていたエイタ。  しかし、そこには大きな罠が隠されていた。  ステータスは最強だが、HP上限はまさかのたった10。  それなのに、どんな攻撃を受けてもダメージの最低保証は1。  どれだけ最強でも、たった十回殴られただけで死ぬ謎のハードモードな世界であることが発覚する。おまけに、自分の命を狙ってくる少女まで現れて――。  それでも最強ステータスを活かして念願のスローライフ生活を送りたいエイタ。  果たして彼は、右も左もわからない異世界で、夢をかなえることができるのか。  可能な限りシリアスを排除した超コメディ異世界転移生活、はじまります。

異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。

長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍2巻発売中ですのでよろしくお願いします。  女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。  お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。  のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。   ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。  拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。  中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。 旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。

憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ! のんびり冒険者 (仮)

ひなた
ファンタジー
…どうやら私、神様のミスで死んだようです。 流行りの異世界転生?と内心(神様にモロバレしてたけど)わくわくしてたら案の定! 剣と魔法のファンタジー世界に転生することに。 せっかくだからと魔力多めにもらったら、多すぎた!? オマケに最後の最後にまたもや神様がミス! 世界で自分しかいない特殊個体の猫獣人に なっちゃって!? 規格外すぎて親に捨てられ早2年経ちました。 ……路上生活、そろそろやめたいと思います。 異世界転生わくわくしてたけど ちょっとだけ神様恨みそう。 脱路上生活!がしたかっただけなのに なんで無双してるんだ私???

処理中です...