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1章 異世界転生と美少女攻略

第7話 はじめての美少女攻略

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 資金にある程度余裕ができたオレは、攻略スキルを開いて、次の行動に備えていた。
 そう、美少女の攻略である。ワクワクしかしないワードだね。

 ギルドの宿泊スペースで攻略画面を開いて、検索条件を設定する。

条件は、
-------------
・美少女
・処女
・冒険者
------------
である。

 冒険者という条件を追加してみた理由は、これから、この異世界を旅するにあたって、冒険者だと都合がいいかなと考えてのことである。

『検索開始』
 と念じると、町の中に赤い点が1つ表示され、宿屋で止まっていた。今はまだ朝方なので寝ているのだろうか。

 ここ数日は依頼をこなすばかりで、この子とは遭遇しなかったが、今日はまずコンタクトを取りたいと思っている。

 どうやって会いにいこうか?と考えていると、そんなこと考える必要ないな、と気づく。彼女は冒険者なんだし、きっとギルドに来るだろう。

 赤い点を選択して、『攻略対象に設定』と念じる。

 すぐにアドバイスが表示された。

-------------------------------------------------------------------------------------------
・ギルドの待合スペースで待機し、掲示板にきたところで話しかけてください。

・1人で依頼をこなすことを悩んでいるため、一緒に依頼をこなしましょう。

・依頼では中級魔法が使えることを見せてください。
-------------------------------------------------------------------------------------------

 なるほど、便利である。では、待つとしようじゃないか。



 身支度を整えて、ギルドにて待っていると、
 カランッ
 と扉が開く音がする。

 扉の方をみると、茶髪でツインテールの女の子が現れた。ツインテールは小さめの束にまとめられていて幼い印象を受ける。
 服装は、駆け出しの冒険者かな、という地味目の防具を身につけていて、短剣と小さな杖?のようなものが腰にぶら下げられていた。
 顔は、検索条件に設定したとおり、可愛かった。

 ぐへへ、かわええなぁ、と思いながらも、あまりジロジロ見過ぎないように注意していると、その子が掲示板の方へ向かう。

 掲示板を眺めながら、
 「どうしよう、1人でできるかな」
 と呟いていた。

「あの、ちょっといいですか?」

「え?はい、わたしですか?」

「もしかして1人ですか?よかったらオレとパーティ組みませんか?」

「えぇ!?いきなりパーティのお誘いですか!」

 ん?びっくりしている様子だった。なんか間違えたようだ。

「あ、すみません。パーティじゃなくてもいいので、一緒に依頼をこなしませんか?オレも1人なので、少し不安なんですよね」

「あ、あぁそうなんですね。わたしも1人でモンスター退治なんて出来るのかなって不安だったんです。だから助かります!」

「モンスター退治だと、どれを受けようとしてたんですか?」

「えと、このホワイトバイソン討伐っていう依頼です」

「なるほど」

 難易度は初級Aに設定されていた。オレが受けれるギリギリのランクだ。

「あの、えーと、オレはライといいます。冒険者登録したばかりで初級Cなんですが、あなたのランクを聞いてもいいですか?」

「あ!はい!わたしは、シーナといいます!ランクは初級Bです!」

 あ、ランク負けていた。断られるかも?

「じゃあ、さっそく受けてきてもいいですか?」

 杞憂だったようだ。

「はい。じゃあコレにしましょう」

 2人して受付に向かい、ギルドプレートを提示する。そのとき、こっそりと目を閉じて、シーナちゃんの好感度を確認する。

-------------------
シーナ
 好感度
  23/100
-------------------

 なるほど、初期値は八百屋のおばちゃんとそう変わらんな。
 
 確認が終わったら目を開けて、依頼用紙を持ってギルドの外に出た。

「あの、ライさんはどんな武器を使うんですか?見たところ、何も持っていないようですが……」

「あー、剣士志望なんですが、まだ武器が用意できてなくて。もし良かったら武器屋に案内してもらえないですか?」

「そうなんですね……わかりました。じゃあ、まずは武器屋に行きましょう」

 シーナちゃんから少し頼りなさそうな目を向けられた気がするが、気にしないようにして後をついていく。



「いらっしゃい」

 いかついオッサンが店番をしている小さな武器屋に到着した。防具も置いているので、冒険者の初期装備は一通り揃えれそうだ。
 でも、たいしてお金ないし、とりあえず剣だけでいいや。

「あの、剣ですとこのあたりかと」

「うん、ありがと」

 値札を見てみる。
 3万、5万、10万ルピー。
 ……たっけ。
 いや、まぁ戦いに使うもんだし、これくらいはするんかな。

 でも、3万ルピーしかない全財産を使う気にはならず。

「うーん」
 と唸りながら店内を見渡す。

 そうすると店の端っこに、
-----------------------
どれでも1万ルピー
-----------------------
 と書かれた張り紙と、樽の中に雑多に放り込まれている武器を見つけた。

 その樽の中をあさって、剣の形をしたものを何本か触ってみる。

「んー、これにするか」

 オレは腰から足元くらいの長さの剣を選んだ。初期装備だし、特にこだわりはない。
 会計を済ませていると、シーナちゃんから
 ホントにこいつ大丈夫か?
 といった目線を向けられていたが、無視することにした。

 攻略アドバイスには何も記載されてないイベントだし、大丈夫なはずだ。
 ……大丈夫だよね?

 不安になって好感度を確認したところ、
-------------------
シーナ
 好感度
  15/100
-------------------
 下がっとるやないけ!!

 不安になる。しかし、オレには最強のチートスキル、攻略スキルさんがついているのだ。
 だから、大丈夫なはずだ。そう、自分に言い聞かせる。

「…じゃあ、行こうか」

「はい…」

 不安な気持ちを抱えながら、2人で町を出て、依頼書にかかれているモンスターの生息地に向かうオレたちであった。
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