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2章 呪われた炎
第25話 双子メイドにスキルの授与を
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「ごきげんようですわー!」
お昼を過ぎたころ、ピャーねぇが上機嫌でうちを訪ねてきた。飛んで火に入るなんとやらだ。
「いらっしゃい、ピャーねぇ」
「いらっしゃいませ、ピアーチェス様」
「ごきげんよう、ジュナ、ディセ!あら?セッテはどこかしら?」
「セッテは姉さんのためにお菓子を作ってくれてるよ」
「そうなんですの!楽しみですわー!」
「できあがるまで、紅茶などいかがでしょう?」
「お願いしますわ!」
ポフッ。僕が座っているソファに勢いよく腰掛けてくるピャーねぇ。僕に寄り添うようにくっつくので、ぴったりと肩が当たっていた。
「ディセとセッテはホントにいい子ですわ!どこにこんないいメイドが埋もれていたのでしょう。わたくしが先に見つけていれば、うちで雇っていましたのに!」
「はは、それは困るな。2人は僕の大切なメイドだから」
「とったりしませんわよ!あ、紅茶ありがとうですわ」
「いえいえ」
コポコポと音を鳴らしながら、ディセがピャーねぇのカップに紅茶を入れてくれる。
「でも、ディセがわたくしのところに来たいって言ったら大歓迎ですわよ!」
「ふふ、嬉しいお言葉ですが、ディセはジュナ様のものですので」
「忠誠心もあって素晴らしいですわ!」
「ピャ!ピャー様!お菓子が!でで!出来上がりました!」
僕たちを談笑を続けていると、セッテが目をぐるぐるさせながらお菓子を運んでくる。しかし、明らかにいつもと様子が違う。これは……こんな調子だと、さすがのピャーねぇにも警戒されるんじゃ?
「チョコですのね!美味しそうですわー!」
……大丈夫のようだ。
セッテがあわあわと持ってきた銀のお盆の上には、一口サイズの可愛らしいチョコが並んでおり、それぞれ飾り付けが違っていた。どこぞの高級チョコレートのようだ。
それを見たピャーねぇは、目を輝かせながら手を合わせて、早く食べたそうにウズウズしている。
「どれがオススメかしら?」
「えっと!えっと!」
「セッテが選んでくれたのを食べますわ!食べさせてくださいまし!」
「わわ!わかりました!」
「あーん、ですわー」
「あーん」
セッテがチョコを一つずつ手に取って、ピャーねぇの口に運ぶ。
「もぐもぐ……とっても甘くて!とっても美味しいですわー!」
ピャーねぇは、ほっぺに片手を当ててご機嫌だ。
「ディセの紅茶にもよくあいますわー!」
こうして、ピャーねぇは、セッテのチョコを食べ続け……
「ひっく!あら?どうしたのかひら?ひゃっ!くりが……」
チョコを5つほど食べたあたりから、ピャーねぇの様子がおかしくなる。
「あら?ありゃ?じゅながたくさんいましゅわー?ぴゃらだいす、でしゅわね?」
呂律も、言ってることも、よくわからなくなってきた。よし、セッテ特製のリキュール入りチョコレートが効いてきたようだ。ピャーねぇが酔っているうちに目的のことを済ませてしまおう。
「ピャーねぇ、ピャーねぇ」
「なんでしゅのー?」
「チョコおいしかった?」
「あい、おいしかったぁーですのー」
「紅茶も美味しかったよね?」
「あうー、しょーですわねー」
「じゃあさ、ディセとセッテにご褒美をくれないかな?」
「ごほーびー?もちろんいいでしゅわー」
「じゃあ、ディセから」
「ぴ、ピアーチェス様、ディセにピアーチェス様のギフトキーの力を、スキルをお授けください!」
「んにゃ?それはー??だ、だめですわー……ギフト授与式じゃないにょに……」
む、まだ理性があるようだ、もう一押し。
「ピャーねぇピャーねぇ、ピャーねぇはディセとセッテが大好きだよね?」
「もちろんですわー」
「ディセが泣いちゃうよ?」
「え、えーん、えーん?」
めちゃくちゃ下手な泣きまねをするディセ。
「……それは!だめですわー、ひっく!」
「じゃあ、練習のつもりで、ちょいちょいとギフトキーを、ね?これはあれだよ、おままごとだよ。だから、大丈夫、大丈夫」
「そうですのー?ならー、うぃっ!ディセ、あなたにスキルを授けます……わー……」
よしっ!僕は密かにガッツポーズをとる。
ピャーねぇは眠たそうな目をしながら、身体を左右に揺らして詠唱を行い、ディセに対してギフトキーを使ってくれる。
ディセの前にキラキラと光が集まって、銀色の鍵が現れた。それをカチリとディセの胸に差し込んでくれる。よし、この調子だ。
「ほら、次はセッテだよ」
「ピャー様、お願いします」
「おまかせになってー、ふふ……セッテのお菓子は最高ですわー」
「あう……」
あきらかに申し訳なさそうにするセッテ。自分のお菓子を食べて酔っぱらっているピャーねぇを見て、罪悪感を覚えているようだ。
なんかごめん……僕の提案のせいで……と思う。セッテには、あとで謝っておこう。
ただ、このリキュールチョコ作戦のおかげで、ディセとセッテ、2人にスキルを授けてもらうことができた。
セッテにも銀の鍵が顕現したので、2人はBランク相当のスキルを手に入れたことになる。
「くぅ~、すやすや……」
ギフトキーを使い終えたピャーねぇは眠ってしまっていた。
それを僕たち3人はなんとも言えない顔で見つめ、影からあらわれたカリンは冷ややかな目で見つめていた。
「ご主人様」
「なに……かな?」
「ご主人様は、私に、催眠スキルを奪ってきては?と提案されて怒りましたよね?」
「……はい」
「泥酔させて、騙すようにギフトキーを使わせるのと何が違うのでしょうか?」
「うぐっ!?」
ガクッ。僕は膝から崩れ落ちる。罪悪感に押し潰されたのだ。
「ジュナ様!?」
「ジュナ様!?」
ディセとセッテが僕の肩を両側から支えてくれる。
「カリン、催眠とは少し違うよ……姉さんの意志をむりやり変えてるわけじゃないし……違う……違うと、思いたい」
「そうですか?ふむ、そう言われてみればそうかもしれませんね?それにしても、ご主人様をわからせるのは本当に最高ですね。ゾクゾクします」
カリンが自分の身体を抱いて、僕のことをニンマリと見ていた。
なんて従者なんだ……
でも、たしかにカリンの言う通り、詐欺まがいの方法でピャーねぇにギフトキーを使わせるのは罪悪感がすごい。この方法は最終手段ということにして、これからは別の方法を考えなくてはな、と思う僕であった。
お昼を過ぎたころ、ピャーねぇが上機嫌でうちを訪ねてきた。飛んで火に入るなんとやらだ。
「いらっしゃい、ピャーねぇ」
「いらっしゃいませ、ピアーチェス様」
「ごきげんよう、ジュナ、ディセ!あら?セッテはどこかしら?」
「セッテは姉さんのためにお菓子を作ってくれてるよ」
「そうなんですの!楽しみですわー!」
「できあがるまで、紅茶などいかがでしょう?」
「お願いしますわ!」
ポフッ。僕が座っているソファに勢いよく腰掛けてくるピャーねぇ。僕に寄り添うようにくっつくので、ぴったりと肩が当たっていた。
「ディセとセッテはホントにいい子ですわ!どこにこんないいメイドが埋もれていたのでしょう。わたくしが先に見つけていれば、うちで雇っていましたのに!」
「はは、それは困るな。2人は僕の大切なメイドだから」
「とったりしませんわよ!あ、紅茶ありがとうですわ」
「いえいえ」
コポコポと音を鳴らしながら、ディセがピャーねぇのカップに紅茶を入れてくれる。
「でも、ディセがわたくしのところに来たいって言ったら大歓迎ですわよ!」
「ふふ、嬉しいお言葉ですが、ディセはジュナ様のものですので」
「忠誠心もあって素晴らしいですわ!」
「ピャ!ピャー様!お菓子が!でで!出来上がりました!」
僕たちを談笑を続けていると、セッテが目をぐるぐるさせながらお菓子を運んでくる。しかし、明らかにいつもと様子が違う。これは……こんな調子だと、さすがのピャーねぇにも警戒されるんじゃ?
「チョコですのね!美味しそうですわー!」
……大丈夫のようだ。
セッテがあわあわと持ってきた銀のお盆の上には、一口サイズの可愛らしいチョコが並んでおり、それぞれ飾り付けが違っていた。どこぞの高級チョコレートのようだ。
それを見たピャーねぇは、目を輝かせながら手を合わせて、早く食べたそうにウズウズしている。
「どれがオススメかしら?」
「えっと!えっと!」
「セッテが選んでくれたのを食べますわ!食べさせてくださいまし!」
「わわ!わかりました!」
「あーん、ですわー」
「あーん」
セッテがチョコを一つずつ手に取って、ピャーねぇの口に運ぶ。
「もぐもぐ……とっても甘くて!とっても美味しいですわー!」
ピャーねぇは、ほっぺに片手を当ててご機嫌だ。
「ディセの紅茶にもよくあいますわー!」
こうして、ピャーねぇは、セッテのチョコを食べ続け……
「ひっく!あら?どうしたのかひら?ひゃっ!くりが……」
チョコを5つほど食べたあたりから、ピャーねぇの様子がおかしくなる。
「あら?ありゃ?じゅながたくさんいましゅわー?ぴゃらだいす、でしゅわね?」
呂律も、言ってることも、よくわからなくなってきた。よし、セッテ特製のリキュール入りチョコレートが効いてきたようだ。ピャーねぇが酔っているうちに目的のことを済ませてしまおう。
「ピャーねぇ、ピャーねぇ」
「なんでしゅのー?」
「チョコおいしかった?」
「あい、おいしかったぁーですのー」
「紅茶も美味しかったよね?」
「あうー、しょーですわねー」
「じゃあさ、ディセとセッテにご褒美をくれないかな?」
「ごほーびー?もちろんいいでしゅわー」
「じゃあ、ディセから」
「ぴ、ピアーチェス様、ディセにピアーチェス様のギフトキーの力を、スキルをお授けください!」
「んにゃ?それはー??だ、だめですわー……ギフト授与式じゃないにょに……」
む、まだ理性があるようだ、もう一押し。
「ピャーねぇピャーねぇ、ピャーねぇはディセとセッテが大好きだよね?」
「もちろんですわー」
「ディセが泣いちゃうよ?」
「え、えーん、えーん?」
めちゃくちゃ下手な泣きまねをするディセ。
「……それは!だめですわー、ひっく!」
「じゃあ、練習のつもりで、ちょいちょいとギフトキーを、ね?これはあれだよ、おままごとだよ。だから、大丈夫、大丈夫」
「そうですのー?ならー、うぃっ!ディセ、あなたにスキルを授けます……わー……」
よしっ!僕は密かにガッツポーズをとる。
ピャーねぇは眠たそうな目をしながら、身体を左右に揺らして詠唱を行い、ディセに対してギフトキーを使ってくれる。
ディセの前にキラキラと光が集まって、銀色の鍵が現れた。それをカチリとディセの胸に差し込んでくれる。よし、この調子だ。
「ほら、次はセッテだよ」
「ピャー様、お願いします」
「おまかせになってー、ふふ……セッテのお菓子は最高ですわー」
「あう……」
あきらかに申し訳なさそうにするセッテ。自分のお菓子を食べて酔っぱらっているピャーねぇを見て、罪悪感を覚えているようだ。
なんかごめん……僕の提案のせいで……と思う。セッテには、あとで謝っておこう。
ただ、このリキュールチョコ作戦のおかげで、ディセとセッテ、2人にスキルを授けてもらうことができた。
セッテにも銀の鍵が顕現したので、2人はBランク相当のスキルを手に入れたことになる。
「くぅ~、すやすや……」
ギフトキーを使い終えたピャーねぇは眠ってしまっていた。
それを僕たち3人はなんとも言えない顔で見つめ、影からあらわれたカリンは冷ややかな目で見つめていた。
「ご主人様」
「なに……かな?」
「ご主人様は、私に、催眠スキルを奪ってきては?と提案されて怒りましたよね?」
「……はい」
「泥酔させて、騙すようにギフトキーを使わせるのと何が違うのでしょうか?」
「うぐっ!?」
ガクッ。僕は膝から崩れ落ちる。罪悪感に押し潰されたのだ。
「ジュナ様!?」
「ジュナ様!?」
ディセとセッテが僕の肩を両側から支えてくれる。
「カリン、催眠とは少し違うよ……姉さんの意志をむりやり変えてるわけじゃないし……違う……違うと、思いたい」
「そうですか?ふむ、そう言われてみればそうかもしれませんね?それにしても、ご主人様をわからせるのは本当に最高ですね。ゾクゾクします」
カリンが自分の身体を抱いて、僕のことをニンマリと見ていた。
なんて従者なんだ……
でも、たしかにカリンの言う通り、詐欺まがいの方法でピャーねぇにギフトキーを使わせるのは罪悪感がすごい。この方法は最終手段ということにして、これからは別の方法を考えなくてはな、と思う僕であった。
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