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5 憂鬱な花嫁と王子の優しさ

5 憂鬱な花嫁と王子の優しさ ⑥

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「んんぅ……」

 動くたびに、ミサキの背筋に快楽が伝わりびくびくと震える。その快感に夢中になるミサキは、何度も何度も抽送を繰り返す。二人のつながった部分からはお互いの淫液で溢れ、アレクセイのスラックスを汚していく。

「ふあ、あ……んぅ……」

 自分の膝の上で揺れるミサキを、アレクセイはじっと見つめていた。ミサキが動くたびに、彼女の胸も揺れる。それが、アレクセイには誘っているように映った。

「いやぁあ……!」

 アレクセイは、揺れるミサキの乳房を掴んだ。手のひらで揉みしだき、指先でクリクリと乳首を摘まむ。ミサキの動きは止まり、背を反らし嬌声をあげた。

「ほら、動くんだ。そのままだと、俺がイケないだろう」

「でも、あ……胸、ダメぇ」

「ダメ? 気持ちいいのだろう」

「ちがうの……からだ、全部気持ちよくなるから、やだぁ……」

 ミサキは顔を赤く染める、その快楽に流される表情はアレクセイを煽り、彼の劣情を高めていく。アレクセイは細く長く息を吐いて、自身を落ち着かせていた。

「そうか、そんなに気持ちいいのか」

 しかし、そんなアレクセイの声も快感に打ち震えている。それを隠すように、アレクセイは目の前で揺れるミサキの乳房に唇を近づけ、赤くぷっくりと勃ちあがった乳首に吸い付いた。

「あぁああ……っ!」

 ちゅっちゅっと吸い付き、歯で甘噛みをする。ミサキはもどかしく腰を揺らすと、下肢からはぐちゅ……とミサキが揺れるたびに蜜同士がこすりあう音が聞こえる。

 お互いに吐息を漏らしながら、互いの体をむさぼりあっていた。アレクセイは舌で乳首を弾き、唇の間に食む。ミサキは弱弱しく腰を振っていた。

「あ、あぁ……ん、んんぅ……」

「……辛そうだな、もどかしいか?」

 ミサキは頷いた。

 最奥までアレクセイの男性自身が届くが、いつも強く貫かれそれに慣れたミサキには、自身が腰を動かすだけでは同じような刺激は得られない。むさぼるように抽送を繰り返しても、達することができるほどの快楽には程遠かった。

「アレクセイ……っ」

 ミサキはアレクセイの頭を掻き抱く。顔が、柔らかな乳房に押し付けられる……ミサキが言葉で彼をねだるよりも、こらえきれなくなった彼女の仕草の方がアレクセイを煽った。アレクセイは胸から口を離し、ミサキの腰を掴んでぬれぼそったソコから自身を引き抜いた。少し強めにミサキを押し倒し、脚を大きく開きその間に入り込んだ。そして、その勢いのまま一気にミサキを貫く。

「うあぁぁああ……っ!」

 ミサキの体が跳ね、肉壁は強く収縮しアレクセイを締め付ける。アレクセイはミサキの脚を掴み、引き寄せ、何度も強引に最奥に自身を打ち付ける。

「あ、あぁ……っ、あ、いやぁああ……!」

「イキっぱなしだな、ミサキ」

 肉壁は震え、何度も何度も続けてミサキが絶頂を迎えているのをアレクセイに直に伝える。そのアレクセイも、もう余裕はなかった。

「いいか……?」

 アレクセイが聞くと、ミサキは嬌声を漏らしながら何度も頷く、そして甘ったるい声でこう強請るのだ。

「だ、してぇ……出して、アレクセイ……」

「そんなに、俺の子種が欲しいか?」

「ん、ほしい、出してぇ……」

 アレクセイに求められたという、確固たる証拠が欲しい。ミサキがねだるようにアレクセイに向かって手を伸ばすと、アレクセイはミサキに覆いかぶさり背中に腕を回して……強く抱きしめた。

「……出すぞ……っ」

「ん、あ……あぁああ……」

「ぐっ……あぁっ……!」

 アレクセイが最奥を突いた瞬間、待ち望んでいた精はアレクセイの剛直から迸りミサキの粘膜を汚していく。まだ硬さの残るソレで亀頭を子宮口に擦り付け、アレクセイはさらに奥に届くように精を擦り込んでいく。

「はぁ……あ、んん……」

「大丈夫か、ミサキ」

 ミサキが頷くと、アレクセイは体を起こしミサキから離れようとしていく。ミサキはギュッと、そんなアレクセイの手を握った。

「ミサキ?」

「もう少しだけ……」

「分かった」

 アレクセイは、精を放ち弱弱しくなり始めた自身をもう一度ミサキの秘部に押し込んだ。蜜口はミサキの淫液ではなく、アレクセイの子種をとろりと漏らしている。

「好きなだけ、お前のそばにいてやろう、ミサキ」

 その言葉に安心したミサキは、ゆっくりと瞼を閉じた。そして、時間が経つ頃にはそれが寝息に変わる。アレクセイも、大きく息を吐きながらずるりと中から肉茎を引き抜き、ミサキを強く抱きしめた。

 ミサキの体は小さい、すっぽりと胸の中に抱きしめることが出来る。抱きしめると柔らかさと温かさが伝わり、心まで熱くなっていく。初めて味わう感触だった。この思いに名を付けるとしたら、もう一つしかない。

 だからこそ、兄であるミハイルにミサキが抱かれたという話を聞くたびに胸にどす黒い嫉妬の炎が灯る。体だけではなく心も焼くつくそうとする。その炎を消すことができるのは、ミサキだけだった。

 アレクセイはミサキの衣服を整え、その小さな体を、宝物を包むように抱き上げた。異父弟であるドラゴンがあたりを飛び回るが、その背中に乗らずに……ゆっくりと歩き出す。

 二人の頭の上に、流れ星が一筋流れていった。
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