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146 貴族の友人

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ローズのことはイザークに伝えつつ、合わせて自分の周りで起きたことを伝える。仕事もないから新作を考えながら手を動かす。布に宝石の削りカスを定着させたら良いのだけれども今までと少し違う布と配合を変えて触り心地も変わらないように工夫をする。配合比率も材質やクズ石の削りカスによって配合が違う。自分の部屋の長椅子に座って布を手に取りながら総当たりで試してみる。そう思って首を傾げながら時間を潰す。勉強は今のところ悪くないはずだ。男性教師や生徒と距離が近かった日は露骨べったりなのに今日は何もない。

「アルフィアスが親しくしているのは大きいですね。」
「そうなのですか??」
「えぇ。あそこは屍肉喰らいと言われるほどに嗅覚がいいので…全く嫌がらせに分家の人間の婚約者なんていりませんし。女性と親しくするのは良いようですね。」

確認すると距離は近いけれど男性教師と何も無いのに臭いがするとかで密着して来ることがよくあるのに女性貴族だと無自覚なのかベッタリ控えめである。護衛だけど当たり前のように隣に座る。護衛らしいことと言えば教室前まで荷物を持って運ぶせいで余計なことをしたら睨まれる。というのを刷り込むことに成功したらしい。

「貴族の友人も持っておくに越したことありません。」
「貴族の友人関係って基本的に損益込ですよね。」

目処が経ったのでもたれかかってそれなりに親しくなった友人?達を書き出してみる。そういうことをして見るけれど、横からロズウェル侯爵家と親しい、考えが近い人たちをチェックされている。参考にするけれど誰と付き合った方が良いとは口出ししてこない。それはそれでありがたいけれど…何を考えているのだろう。ぬいぐるみ扱いしているけれど…少し読めない。

「楽しいですか?ミカエラ。」
「どうでしょう。とりあえず詰め込み内容の補完として学園を利用していますけれど…」
「嫌なら迎えにいく時間を早めますが???」
「それは…大丈夫です。重いです…」

 のしかかられている。身体を起こして彼を見るとお茶の御代わりですね。と、自動で離れた。珍しいと思っているとニコッと微笑まれた。少しドキッとしてしまった。不意打ちというか、見慣れているはずなのに…違う気がした。気のせい気のせい。そう思いながら小テストもあるだろうからと復習をしておく。



 ローズは騎士課程なのだが理由が辺境伯としてどこかに嫁ぐかもしれないが騎士の家系で騎士団を輩出している家やそれに近い家に嫁ぐことになるだろう。ということらしい。私は騎士コースと合同の魔道具授業に出ている。領主候補課程は騎士として前線に出るか、魔導士として後方支援をするかと選べるのだが後方支援なんてできるほど魔力がないので後方支援でもお貴族様たちがバカにしていた魔道具支援での後方支援を行うことにする。

のだが、ペアが決まらない。魔導具が私1人だし、平民上がり。そして大きな声の評判が1人歩きをしている。

「フィル子爵?成金だろう?平民上がりだし。」
「声掛けても無視されるのが関の山だからでしょうか。消極的ですね。」
「平民の後方支援なんて怖すぎるだろ…」

聞こえてる…本当に貴族って…めんどくさい。

「フィル子爵、必須科目ではないですが如何なさいますか?」

教師までお伺い立ててきた…

「仕事で参考にしたいので見学します。騎士課程で溢れている人がいるならその人でも構いません。」

騎士課程の訓練に興味がある。が、自分が直接サポートしたいとは思わない。して欲しいならしてやる。というつもりもなく、お互いに協力出来ればいいね。くらいでいたいのだが、ラエティ子爵令嬢がドヤ顔でこっちを見ているのだけは腹立つ。

大人の対応をすべきなのか…いや、少しは怖い目にあってもらおうか。

「アンバース子爵令嬢のペアと当たるようにしてください。ソロで行きます。」

下準備もある。騎士たちは知らない喧嘩のやり方なら知っている。そして私は戦い方として弱い人間から容赦なくする。札束と権力以外の喧嘩もあるってことを叩き込んでやる。流石に私も少しは反撃をしたいものだ。




学生同士の試合だ。騎士が負けを認めたら終わり。貴族のご令嬢達は後方支援という名の見学に近い。服装が支援するような衣装ではなく普段のドレスに近い衣装だ。黙認している学園もそうだが、この講義の本旨は前衛と後衛の大切さと後衛、領主候補過程の後方支援の大切さを学ぶこと。護られ方を習う場所。だと言うのに…

ミカエラは動きやすい作業服に着替える。※普段の散策用の短いパンツにブーツではなくお貴族様仕様の作業着。王宮で着ている服 。さて、少しは怖い目に遭ってもらおうか。
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