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145 他学科
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レフィラ・アンバース子爵令嬢の声が大きくて教室が別れる前から繋がりがあるからなのか領主候補過程で友達がいない。領主候補過程は一日にそれだけをしている訳ではなく教養科目などの必須過程もあるが、私はそれを受けろとは言われていないので図書館や教員棟で勉強をしてもいい。興味のある物を選択してもいい。科目を受けたが歴史や外国語などなど貴族必須のもので自信の無いものを受けるだけにしている。
「フィル子爵?」
「なんでしょう。」
騎士過程だろうか。剣を下げている。ハッキリとした目鼻立ちだ。そして私より確実に胸がある。どう見ても年下なのに。こっちに来て誰かに話しかけられるのは初めてだ。まぁ、用事があるなら話は聞く。
「幼い身でありながら叙爵されたのですよね!?どのようにして爵位を!?」
「幼…」
幼い…幼いって本人は悪気がないんだろうなぁ。よくあるあの嫌悪感は特にないし。実際私小柄だし。認めたくないけど。確かに領主候補過程のご令嬢たちに比べて私は小柄だ。別に年齢公表している訳でもないし…失礼なのかと言われたら若いと言い換えたら喜ぶことだろうし…さて、彼女がどこの誰かは私も知らないし、名乗るべきかどうかも悩んでいると名乗ってもらえた。
「申し遅れました。私はローズ・アルフィアスと申します。父はアルフィアス辺境伯を務めております。」
イザーク様と似たような家ということだろう。ということは色々と面倒臭いご家族持ちということだろうか。勝手に憶測で決めるのはよろしくない。黒髪に赤い瞳なんてすごく珍しい気がするけれど、アルフィアス領には多いのだろうか。私が世間知らずの可能性があり得そうだけれど。
「ローズ様平民の私に何か御用でしょうか?」
「平民であっても自分の力で爵位を得られたのですから謙遜なさらないでください。スカルラッティ家と何やらあったようなのでもしお困りであればご相談に乗らせていただきたいです。」
「…耳が早いようですが、特段何もございませんよ。それにその件はロズウェル侯爵家が全て引き受けて下さっているので私から何かすることはございません。ですのでまずロズウェル侯爵家にお伝えください。」
めんどくさいからユーリ様たちに全て丸投げしているし、貴族としてバカだと言われたらそれも含めて報告事項だ。ローズは息を呑んで立ち尽くしていた。
「失礼いたしました。」
「いえ。それは私が何もできないからの憐れみですか?それとも幼い身での子爵だから侮っているのですか?」
「いえ…私の勝手な先入観です。失礼をいたしました。その…レフィラ・アンバース子爵令嬢がそのように吹聴なさっていたので…」
またあの小娘…嫌がらせにも程がある。私は小柄だけどあの子たちより年上で商店を持って自分で仕事を得て収入を得ている成人だ。あの小娘本当に交友関係フルに使って嫌がらせに来ている。とりあえず空いている時間に他の受講できる授業を受けまくる。授業料が陛下や巻き込んだ人もちなのだから有意義に使うに限る。詰め込みされた分勉強大嫌いなんのは変わりないけれど、ここは学生向けのわかりやすい講義になっているので苦手意識を少しずつ無くすために自分なりに出来る努力をする。それに詰め込みに対してすごくわかりやすいからなんとかなっている。小柄なおかげで溶け込めてはいないが違和感はそこまでないはずだ。
ローズと授業がかぶるのか近くの席に座っている。そしてローズのお友達の紹介もされる。お貴族様の会話についていけないが流行やらそういう話を堅苦しいお茶会で聞くよりはわかりやすいかもしれないが、聞こえてくるのが学校内でも作られている派閥の話。無派閥がごく少数派でそれに加えて子爵令嬢なのに領主候補課程に進んでいるレフィラ嬢は婚約者の噂も踏まえても不釣あいであまり評判はよろしくないらしい。私同様スカルラッティ伯爵家と懇意にしていることやイザーク様と婚姻予定と言うが婚約者へ送る宝飾品もなく、婚約者をつれているわけでも夜会にも出ていないのだから疑惑ばかりらしい。それに私がロズウェル侯爵家やリンドブルム大公と親しくしているあたりから信憑性があるらしい。
まぁ面倒臭い情報戦。この令嬢たちも情報を集めながら私を蔑ろにするのかアンバース子爵令嬢に着くのか鼻が利く人たちは水面下でそうやって動いているらしい。そして私は人畜無害でロズウェル侯爵家とズブズブのお友達関係ということだけは分かっているから静観しておくかこっちに寄っておくか。みたいなことになっているらしい。放って置いてくれ。
「はぁ、まぁどうでもいいのですが、私を巻き込んだことにしないでくださいね。火消しはロズウェル侯爵家かリンドブルム大公がすることになっているので。」
「そこまで懇意にされているのですね。」
「そこまでというかキッカケがあの辺りになるので責任を果たすというだけです。ですから私と懇意にしても特に何もないですよ。」
ローズと昼食を取るが困った笑顔を向けられた。それなりに自分で情報収集をしてすぐに謝ってきたかと思ったらお昼ご飯を一緒にとくっついている。なんで懐かれた。
「そんなことはないですよ。ミカエラ様は彼女に虐げられているのを耐えているというのがもっぱらの噂ですし…」
どこでそんな話が出た…虐げられているというか、彼女のいう婚約者がイザーク様なら彼女に打つ手が全くないほどに彼はあの少女と婚姻なんてやる気がないのだから。結婚もあり得ない婚約がどうやって成立するかは知らないが新郎抜きで結婚できるならやってみてほしい。という、心の余裕があるから何も気にしていない。のだろうか…
「リンドブルム大公でもどうにかできないことならどうにもできませんし。私は自分の仕事をするだけです。」
食事とお茶が美味しい。
「フィル子爵?」
「なんでしょう。」
騎士過程だろうか。剣を下げている。ハッキリとした目鼻立ちだ。そして私より確実に胸がある。どう見ても年下なのに。こっちに来て誰かに話しかけられるのは初めてだ。まぁ、用事があるなら話は聞く。
「幼い身でありながら叙爵されたのですよね!?どのようにして爵位を!?」
「幼…」
幼い…幼いって本人は悪気がないんだろうなぁ。よくあるあの嫌悪感は特にないし。実際私小柄だし。認めたくないけど。確かに領主候補過程のご令嬢たちに比べて私は小柄だ。別に年齢公表している訳でもないし…失礼なのかと言われたら若いと言い換えたら喜ぶことだろうし…さて、彼女がどこの誰かは私も知らないし、名乗るべきかどうかも悩んでいると名乗ってもらえた。
「申し遅れました。私はローズ・アルフィアスと申します。父はアルフィアス辺境伯を務めております。」
イザーク様と似たような家ということだろう。ということは色々と面倒臭いご家族持ちということだろうか。勝手に憶測で決めるのはよろしくない。黒髪に赤い瞳なんてすごく珍しい気がするけれど、アルフィアス領には多いのだろうか。私が世間知らずの可能性があり得そうだけれど。
「ローズ様平民の私に何か御用でしょうか?」
「平民であっても自分の力で爵位を得られたのですから謙遜なさらないでください。スカルラッティ家と何やらあったようなのでもしお困りであればご相談に乗らせていただきたいです。」
「…耳が早いようですが、特段何もございませんよ。それにその件はロズウェル侯爵家が全て引き受けて下さっているので私から何かすることはございません。ですのでまずロズウェル侯爵家にお伝えください。」
めんどくさいからユーリ様たちに全て丸投げしているし、貴族としてバカだと言われたらそれも含めて報告事項だ。ローズは息を呑んで立ち尽くしていた。
「失礼いたしました。」
「いえ。それは私が何もできないからの憐れみですか?それとも幼い身での子爵だから侮っているのですか?」
「いえ…私の勝手な先入観です。失礼をいたしました。その…レフィラ・アンバース子爵令嬢がそのように吹聴なさっていたので…」
またあの小娘…嫌がらせにも程がある。私は小柄だけどあの子たちより年上で商店を持って自分で仕事を得て収入を得ている成人だ。あの小娘本当に交友関係フルに使って嫌がらせに来ている。とりあえず空いている時間に他の受講できる授業を受けまくる。授業料が陛下や巻き込んだ人もちなのだから有意義に使うに限る。詰め込みされた分勉強大嫌いなんのは変わりないけれど、ここは学生向けのわかりやすい講義になっているので苦手意識を少しずつ無くすために自分なりに出来る努力をする。それに詰め込みに対してすごくわかりやすいからなんとかなっている。小柄なおかげで溶け込めてはいないが違和感はそこまでないはずだ。
ローズと授業がかぶるのか近くの席に座っている。そしてローズのお友達の紹介もされる。お貴族様の会話についていけないが流行やらそういう話を堅苦しいお茶会で聞くよりはわかりやすいかもしれないが、聞こえてくるのが学校内でも作られている派閥の話。無派閥がごく少数派でそれに加えて子爵令嬢なのに領主候補課程に進んでいるレフィラ嬢は婚約者の噂も踏まえても不釣あいであまり評判はよろしくないらしい。私同様スカルラッティ伯爵家と懇意にしていることやイザーク様と婚姻予定と言うが婚約者へ送る宝飾品もなく、婚約者をつれているわけでも夜会にも出ていないのだから疑惑ばかりらしい。それに私がロズウェル侯爵家やリンドブルム大公と親しくしているあたりから信憑性があるらしい。
まぁ面倒臭い情報戦。この令嬢たちも情報を集めながら私を蔑ろにするのかアンバース子爵令嬢に着くのか鼻が利く人たちは水面下でそうやって動いているらしい。そして私は人畜無害でロズウェル侯爵家とズブズブのお友達関係ということだけは分かっているから静観しておくかこっちに寄っておくか。みたいなことになっているらしい。放って置いてくれ。
「はぁ、まぁどうでもいいのですが、私を巻き込んだことにしないでくださいね。火消しはロズウェル侯爵家かリンドブルム大公がすることになっているので。」
「そこまで懇意にされているのですね。」
「そこまでというかキッカケがあの辺りになるので責任を果たすというだけです。ですから私と懇意にしても特に何もないですよ。」
ローズと昼食を取るが困った笑顔を向けられた。それなりに自分で情報収集をしてすぐに謝ってきたかと思ったらお昼ご飯を一緒にとくっついている。なんで懐かれた。
「そんなことはないですよ。ミカエラ様は彼女に虐げられているのを耐えているというのがもっぱらの噂ですし…」
どこでそんな話が出た…虐げられているというか、彼女のいう婚約者がイザーク様なら彼女に打つ手が全くないほどに彼はあの少女と婚姻なんてやる気がないのだから。結婚もあり得ない婚約がどうやって成立するかは知らないが新郎抜きで結婚できるならやってみてほしい。という、心の余裕があるから何も気にしていない。のだろうか…
「リンドブルム大公でもどうにかできないことならどうにもできませんし。私は自分の仕事をするだけです。」
食事とお茶が美味しい。
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