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送迎はイザーク様が当然のように来る。バスケットを持っており、何かいい匂いがする。じっとバスケットを見る。彼は蓋を開けて中身を見せてくれた。先日の料理だ。
「もらってきましたよ。」
「わぁ…ありがとうございます!!」
抱きつくようにとりあえずお腹空いているので食べたいからと手を伸ばすが、ダメだと。上にバスケットをあげられた。
「帰ってからですよ。」
「わかりました。」
馬車の中にいい匂いが充満する。膝に乗せられてバスケットが遠い。ミカエラは手を取られてムニムニとマッサージを受ける。見上げるとニコっと微笑んで口付けをしてくる。
「やめてください。」
「…何か問題でも?」
「そういう気分ではないので。」
そろそろなんだよなぁ。嫌な予感がする。膝の上からも降りたい。時期的にまずい。触らないで欲しい。悶々と考えていたらストンと下ろされて隣に座らされた。
「???」
「嫌そうな顔をされたので。泥まみれだとしても膝に乗せていたいのですが。」
何かに気付いてスンスンと首筋近くの匂いを嗅がれた。辞めて欲しい。
「一時的な拒否ですか?」
「暫定的嫌悪感です。」
「…分かりました。」
分かりました!?!?何がわかりました!?!?聞かないでおこう。ずっとお腹すいてる。今回はこれか。
お腹空いた。
家に戻りトイレに駆け込む。
お腹痛いし。
自分の部屋に戻りクッションに顔を埋めて耐える。お腹痛い。
「ミカエラ様ーお食事等如何なさいますか?」
「すっごいお腹空いてるけど動きたくないくらいお腹痛い。」
アリアが部屋に入ってきたから伝えると何が食べたいか確認してくれる。病気ではないから食べれるが、動きたくない。
「痛み止め持ってきます。」
「ん…お願い。」
とりあえず流し込み、薬を飲んでぐったりする。
お腹痛い。辛い。とりあえず放っておいて欲しい。そう思いながらゴロゴロしていたら扉が開いた気がしたが何も無いようだ。
ぼふっ。何かが乗ってきた。追加毛布???と、思って気怠いのに身体を起こすと白銀のもふもふが足元で身体を横にしていた。蹴ってるような状態だけど。
「…大丈夫ですけど。」
ただ毎月恒例の酷い腹痛と貧血だ。イザークは珍しく人の姿にならないで、どしっと人の腰に腹ばいになってしまった。ホカホカする。ぎゅっ。と、抱きしめる。無抵抗。
「抱き枕にしたいんで横の方がいいです。寝て誤魔化したいんです。」
大型犬程の大きさの狼を自分のベッドの中に連れ込んで背中から抱き締めて眠りにつく。
しばらく仕事どころではない。ミカエラはもふもふとしながら眠りについた。
腹痛で目を覚ます。もふもふの毛皮だ。お腹に顔を埋めていた。ぼんやりとしていると人の姿になった。狼の姿だと会話ができないからだろうけれど…見上げると額に唇を寄せられた。
「まだ大変ですか?」
「大変ですよ…お腹痛いです。」
「殴って構いませんが、血の臭いが強くなっていますね。」
シーツを捲ると血の海になっていた。やってしまった。洗濯しないと…色々考えていると抱き上げられた。シーツごと。
「抵抗する元気もない。」
「アリアを呼びますから。」
湯船に放り込まれたのだがお湯が用意されている。それが怖い。イザークはシーツを持って洗濯に向かうついでにアリアを呼ぶ。
「イザーク様???」
「シーツが血まみれでしたので湯船に放り込んでいます。任せました。」
「わかりました。他にも薬を持ってきましたので食後に飲んでもらいます。」
ぼんやりとお風呂に浸かっているとアリアがやってきた。何も言わないで服を脱がせ、お湯の交換もして洗ってくれた。その間、私は腹痛と貧血で死んだようにぐったりとしながらよしよしと頭をなでられていた。
「珍しいですね。」
「今回はやばい。」
「服は処分しておきますね。痛み止めを持ってきますから。」
下着を回収されて新しいものに着替えたミカエラは新しくベッドメイクをしてもらって横になる。しんどい。しんどい。と、ごろごろしているとイザークが食事を持ってきた。抱き上げられて姿勢を起こされた。もそもそと食べて薬を飲んでぐったりと横になる。イザークが食器を片付けて側に座り頭を撫でてくるのでその手を見上げる。
「これが本来の仕事なんですか???」
「護衛対象が寝込んで出歩かないですからね。身の回りの世話くらいしかすることがないので。」
「謝ったほうがいいですか?」
「謝るようなことでもないでしょう。家の周りに密偵が数人情報収集のためにいますね…家の中でおとなしくしておいてください。」
何をあっさり言っているのだろう。と言っても私が動けるわけでもないので頷いてベッドの中で布団にくるまって過ごす。取れ高とかで首を持ってくる事はないだろうし、運ぶとしたら王城や侯爵家だろう。
「何でこんなにトラブルばかりなんだ。」
それに爵位に関しても放置していていい問題ではない。貴族の御令嬢からしたら私の年齢では結婚してないにしても婚約者はいるものらしいし。貴族社会に染まるつもりはないけれど…
「押し付けて流されるのが最適解…????」
変なことばかり考えてしまうので寝ることにした。
イザークが捕らえた密偵は縛り上げて王城に不法侵入など適当な罪状で拘束して詳しいお話を聞くことになったそうだ。
「もらってきましたよ。」
「わぁ…ありがとうございます!!」
抱きつくようにとりあえずお腹空いているので食べたいからと手を伸ばすが、ダメだと。上にバスケットをあげられた。
「帰ってからですよ。」
「わかりました。」
馬車の中にいい匂いが充満する。膝に乗せられてバスケットが遠い。ミカエラは手を取られてムニムニとマッサージを受ける。見上げるとニコっと微笑んで口付けをしてくる。
「やめてください。」
「…何か問題でも?」
「そういう気分ではないので。」
そろそろなんだよなぁ。嫌な予感がする。膝の上からも降りたい。時期的にまずい。触らないで欲しい。悶々と考えていたらストンと下ろされて隣に座らされた。
「???」
「嫌そうな顔をされたので。泥まみれだとしても膝に乗せていたいのですが。」
何かに気付いてスンスンと首筋近くの匂いを嗅がれた。辞めて欲しい。
「一時的な拒否ですか?」
「暫定的嫌悪感です。」
「…分かりました。」
分かりました!?!?何がわかりました!?!?聞かないでおこう。ずっとお腹すいてる。今回はこれか。
お腹空いた。
家に戻りトイレに駆け込む。
お腹痛いし。
自分の部屋に戻りクッションに顔を埋めて耐える。お腹痛い。
「ミカエラ様ーお食事等如何なさいますか?」
「すっごいお腹空いてるけど動きたくないくらいお腹痛い。」
アリアが部屋に入ってきたから伝えると何が食べたいか確認してくれる。病気ではないから食べれるが、動きたくない。
「痛み止め持ってきます。」
「ん…お願い。」
とりあえず流し込み、薬を飲んでぐったりする。
お腹痛い。辛い。とりあえず放っておいて欲しい。そう思いながらゴロゴロしていたら扉が開いた気がしたが何も無いようだ。
ぼふっ。何かが乗ってきた。追加毛布???と、思って気怠いのに身体を起こすと白銀のもふもふが足元で身体を横にしていた。蹴ってるような状態だけど。
「…大丈夫ですけど。」
ただ毎月恒例の酷い腹痛と貧血だ。イザークは珍しく人の姿にならないで、どしっと人の腰に腹ばいになってしまった。ホカホカする。ぎゅっ。と、抱きしめる。無抵抗。
「抱き枕にしたいんで横の方がいいです。寝て誤魔化したいんです。」
大型犬程の大きさの狼を自分のベッドの中に連れ込んで背中から抱き締めて眠りにつく。
しばらく仕事どころではない。ミカエラはもふもふとしながら眠りについた。
腹痛で目を覚ます。もふもふの毛皮だ。お腹に顔を埋めていた。ぼんやりとしていると人の姿になった。狼の姿だと会話ができないからだろうけれど…見上げると額に唇を寄せられた。
「まだ大変ですか?」
「大変ですよ…お腹痛いです。」
「殴って構いませんが、血の臭いが強くなっていますね。」
シーツを捲ると血の海になっていた。やってしまった。洗濯しないと…色々考えていると抱き上げられた。シーツごと。
「抵抗する元気もない。」
「アリアを呼びますから。」
湯船に放り込まれたのだがお湯が用意されている。それが怖い。イザークはシーツを持って洗濯に向かうついでにアリアを呼ぶ。
「イザーク様???」
「シーツが血まみれでしたので湯船に放り込んでいます。任せました。」
「わかりました。他にも薬を持ってきましたので食後に飲んでもらいます。」
ぼんやりとお風呂に浸かっているとアリアがやってきた。何も言わないで服を脱がせ、お湯の交換もして洗ってくれた。その間、私は腹痛と貧血で死んだようにぐったりとしながらよしよしと頭をなでられていた。
「珍しいですね。」
「今回はやばい。」
「服は処分しておきますね。痛み止めを持ってきますから。」
下着を回収されて新しいものに着替えたミカエラは新しくベッドメイクをしてもらって横になる。しんどい。しんどい。と、ごろごろしているとイザークが食事を持ってきた。抱き上げられて姿勢を起こされた。もそもそと食べて薬を飲んでぐったりと横になる。イザークが食器を片付けて側に座り頭を撫でてくるのでその手を見上げる。
「これが本来の仕事なんですか???」
「護衛対象が寝込んで出歩かないですからね。身の回りの世話くらいしかすることがないので。」
「謝ったほうがいいですか?」
「謝るようなことでもないでしょう。家の周りに密偵が数人情報収集のためにいますね…家の中でおとなしくしておいてください。」
何をあっさり言っているのだろう。と言っても私が動けるわけでもないので頷いてベッドの中で布団にくるまって過ごす。取れ高とかで首を持ってくる事はないだろうし、運ぶとしたら王城や侯爵家だろう。
「何でこんなにトラブルばかりなんだ。」
それに爵位に関しても放置していていい問題ではない。貴族の御令嬢からしたら私の年齢では結婚してないにしても婚約者はいるものらしいし。貴族社会に染まるつもりはないけれど…
「押し付けて流されるのが最適解…????」
変なことばかり考えてしまうので寝ることにした。
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