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51そろそろ年末

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本日は騎士団にお邪魔をしています。

「お金を出すので彼女にプレゼントする指輪の作り方を教えてください!!!!」

エイスで宝石をチマチマ削る事を覚えてそれなりに出来るようになった若い騎士に突然言われて頭を下げられた。

「えっと、削り方ですか?デザインとかですか???」
「…出来ればまるっと全体的に。」

まるっと全体的に…お金が手に入るならいいかなぁ。
「基礎とかでいいなら。デザインとかあるなら石揃えて工房に丸投げした方がいい気がするんですが…」
「依頼したい工房が新規発注納期未定とあるので自分で作ろうかと。」

騎士たち複数が頷きながらこっちを見ている。私か。ギルドは納期未定でよければ。発注書を受け取ってから納期を決めているので本当に申し訳ないです。

「えっと…結構な人数だったら何処か大きな場所借りれたら…教えれますけど…」

「希望者絶対多いですよ!!是非教室をお願いします!!!場所確保しますし、必要な材料自分で買ってきます!!!」

「取り敢えず企画としては分かりましたから人数や規模とか企画書作ってください…日程は調整しますからァ…仕事遅くてすみません…」

貝殻の箱も何故かこちらに注文が回ってくるし化粧品のファンデーションやアイシャドウを入れる箱を飾り付けしただけなのに注文が減らない。男向けの宝飾品は相変わらず他の工房やお抱えが多いのだろう。私のは記念品というよりも普段使いに近いし、値段も安いから。

「ミカエラさんの凄い人気ですもんね!」
「宝石削るのは少しずつ上手くなってきたんでそれなら自分で作れたらと思ったんです!」

「…取り敢えず、送りたい人の指の太さや手首の太さだけは確認するかサイズを測った無地のブレスレットなり指輪用意してくださいね…」

他の工房と値段差が大きいから???

魔導師団で実験に付き合ってアクションを刻んで行くのだけれども。

「ミカエラ殿…プレゼントのカットの基礎とか教えてもらうことは可能でしょうか…」

聞いたぞ。似たような話。
「第三騎士団からも彼女にプレゼントするから教えて欲しいって打診があったんですけど、別件ですか?」

「そうなのですか??そろそろ冬の祭りが近いからだと思います。年末にはプレゼントをしたいですから…ミカエラ殿の注文は納期未定であれば受けて下さりますが間に合いませんから…」

「…冬の祭り???」

「???年末、冬の祭りは平民も一緒だと思います。恋人探しの悪あがき。思いを告げるならこの日というお祭りです。」

そんな日があったのか。確かにこの季節忙しかったり冬支度が大変だった気がする。ミカエラは新居の場所の希望や間取り、何をどう置きたいのか大まかな図面をヘラルドにこんな感じの一人暮らし…と、おずおずと差し出したら何も言われなかった。
むしろ何か指摘をしてほしかった。狭過ぎるとか、叙爵をするには不相応とか。指摘があれば参考にしたけれど、これで男爵になって不相応とかは言わないでほしい。

「条件も多いが多少広さが前後しても問題はないな?」

「あ、はい。できれば信頼のできるお手伝いさんを雇いたいんですが…家事全般を任せて私は仕事をして納品ペースをあげたいと思ってまして。」

ヘラルドに要望を伝えると考慮しようとあっさり頷いてくれた。ミカエラはもちろん先に一番お世話になっているユーリに相談をしたけれど

「お金を出すのがヘラルド殿だからヘラルド殿に相談すべきだよ。私はヘラルド殿に割り込む余裕があれば割り込むだけだから。今からだと時期が遅くなるか…」

ユーリ様の言っていた時期のことはこの冬祭りのことを言っていたのだろうか。それでも世間知らずお貴族様に最低な生活をさせただけで家を貰えるなんて幸せだと思ったけれど、同時にもらいすぎでは?と思っている。

「ヘラルド様頂き過ぎでは??」
「世間知らず双子が思っていたより成長していたのでその謝礼も込みとなっているが、これでは足りないのでしばらく財布をするから請求書は私あてに届くようにしておくように。」


 ミカエラは細かいことを聞かなかったが、ヴィルフリート、ギルバートは社会福祉に関して実態を見たことから対貴族の事ばかりではなく貧しいものをどうやって助けていくのか。国が助けれることに限りがあるのでどこまで補助ができるのか、困っている場所は他にもあるから平等になるようにどうすればいいのかを関係部署を通じて勉強を始め、派閥にも影響を与え始めた。領地の税収などにもただの数字ではなく天気や疫病もただの報告書ではなく確認してきた人間に確認を取るようにしたらしいが、ミカエラには関係のないことだからと誰も伝えていなかった。
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