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六章
性徒会執行部、執行 1
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とりあえず、心を落ち着かせるためにハーブティーを飲むことにした。
たしか紅茶の横に茶葉があったはず……。
茶葉の名前が書かれたアルミ缶を探し、目当ての物を探す。缶をどけたり、回して文字を前にしたりして。
目当てのものは一番奥に置かれていた。カモミールティーだ。
出て行った才華先輩程、紅茶やハーブティーの美味しい飲み方は知らないから、適当にポットに茶葉をいれて、蒸らすといったことをして、カップに注いだ。
それでもほんのり甘みのある香りが漂ってきて、心なしか気持ちを落ち着かせることが出来たように思えた。気のせいかもしれないけど。
ようは気持ちの持ちようだ。
一口口に含んでみる。
微かに甘いような気もするし、あまり味がしないような気もする。
香りを楽しむためとよく言うし、このくらいのものなんだろうな。
時間が立ったからか、カモミールティーが効いているのか分からないけど、落ち着いたような気がする。
落ち着けたからか、数分前に出て行った才華先輩が少し気になった。
井上先輩と渚先輩はさほど気にしていないようだけど、これが普通なのか?
そんなことないとは思うけど。
「先輩は才華先輩のこと気にならないんですか?」
「瑠衣か。ふむ……」
井上先輩は腕を組んで何かを考えるように眉根を寄せている。
やっぱり少しは気にしていてくれたみたいだ。
「瑠衣なら大丈夫だろう、どうせ柚絡みの何かだ。大方柚が誰かに告白されたか何かだろう」
あり得そうな話だ。美波先輩のことが好きな才華先輩にとって、誰かに告白されることは面白くない話とは思う。けど、それだけであそこまで慌てるんだろうか? 美波先輩は確か井上先輩が言うにはレズだし。何より才華先輩に振り向かないような人が、他の人に告白された程度で振り向くとは思えない……。とは言い切れないか。
才華先輩の内面があれだし、世の中には不細工がいいって人もいるくらいだ。
美波先輩のことが異常なまでに好きな才華先輩なら、例え告白されたとしても振り向かないってことは分かっているはず。慌てはするかもしれないけど、あそこまで?
俺にはどうも井上先輩の言ったことが素直に受け入れられなかった。
「渚先輩はどう思います?」
「井上に同じ」
先輩を呼び捨てとは。
「前にも告白されたとかで出て行ったしそれだろ? 気にするだけ無駄」
そういうと、ヘッドホンを被ってもう話しかけるなと言った雰囲気を出し、パソコンに向き合い直した。
どうやら渚先輩も井上先輩と同じ考えみたいだ。
やっぱりそうなのかな?
けど、妙な胸騒ぎがする。
まだまだ先輩たちとの付き合いが少ないから俺には判断が付かないだけ?
それに、もし重大なことだったら出て行く前に言ってくれるはず。
ここは先輩たちの意見に賛同するしかないか。
そうやって俺は無理やり思いこもうとして、同じ言葉だけがぐるぐると頭の中をめぐりまわる。
出て行く前に言ってくれるはず。
……はず?
はずってなんだ?
なんではずって思った?
出て行くときの顔が深刻そうな表情だったから?
告白程度で?
仮に、美波先輩が誰かに苛められたら?
才華先輩を好きな人が、美波先輩を良く思わないから苛めたとしたら?
そしたら怒った表情で出て行くか。
もし、もし一言すら惜しむくらいの何かが起こったとしたら?
「渚先輩、才華先輩を探してもらえないですか?」
ヘッドホンの所為で聞こえてないのか? 一切反応してくれない。
もう一度、今度は少し声を大きくして言うと。
「何か言った?」
心底面倒くさそうにヘッドホンを外して、椅子を回転させてこちらを向いてくれる。
「才華先輩を探してもらえないですか?」
「監視カメラで? 面倒なんだけど。俺が動くのは二次元の良さを分からず争ってるやつが現れたときだけ。分かった? それでも俺を動かしたいならそれなりの誠意を見せないと。例えば、ゲームを買うとかさ?」
「分かりました、もし何もなければ」
「何もなければ? じゃあ何かあったら買わないって?」
渚先輩の表情は前髪で隠されて読み取れないけど、試されているような感じがする。
「流石にリスクが高すぎますよ、それ」
「ふうん? 先輩相手に交渉するんだ?」
「そ……それは……」
やっぱり、素直に買うって言っとけばよかったか。
でも、そうしたらプレミア的な者を買えって言ってきそうな気がして怖いし。
選択間違えたかな?
「まぁ、それでいいよ。どうせ何もないから」
渚先輩は何もないに掛けたみたいだ。
ここまで素直に受け入れてくれるってことは、本当に何もないのかも。
もしかすると、やばい取引をしてしまったのかもしれない。
渚先輩は改めてパソコンに向き合い、モニター六画面全てを使って監視カメラの映像を映し出してくれた。
一つの映像が五秒程流れると、別のカメラの映像へと切り替わる。
それが何度も何度も切り替わり、全ての映像を見終わったのか。
「どこにも映ってないね、学校にはいないんじゃない?」
「どこにも?」
「流石にトイレとかにはカメラもないけど」
美波先輩には何もなかったから、安心してトイレに行ったとか?
「死角とかってあるんですか?」
「無いはずだけど?」
どこにもいないんだったら、何事もなかったんだろう。
やっぱり、胸騒ぎなんて杞憂だったんだ。
「じゃあ、ゲームでも買ってもらおうかな。ちょうど欲しいのがあったんだよね」
「もう一度だけ、全てのカメラ映してもらえます? それで何もなければ諦めます」
「別に良いけど? さて、あのゲームにしようかな……」
渚先輩は何もないって分かりきっているみたいで、もう俺に買わせるゲームを考え始めている。これで何もなかったら仕方ないか。
それに、今にでも扉が開いて才華先輩が戻って来るかも知れないし。
さっきとは違って、俺も渚先輩と一緒にモニターを見る。
どこかにいるであろう才華先輩を見過ごさないように。
次々と監視カメラの映像が映るけど、どこにも才華先輩の姿が見当たらない。
そうして、下駄箱、裏門、一階西校舎にある職員室前の廊下、二階東校舎の二年一組前の廊下、三年五組の教室、一階東校舎の保健室前の廊下を映して止まる。
「これで満足?」
「……はい」
どうやら、ゲームを買うことが決定してしまったみたいだ。
でも、なんで監視カメラに映らなかったんだろう?
やっぱりトイレに行ってとか、偶々それぞれの映像が切り替わったタイミングでカメラ前を通過したとか? スパイ映画のように?
「じゃあ、一万程度のやつでも買ってもらおうかな」
「……そう、ですね。俺の杞憂だったみたいですし……」
何事もなかった、それはお金には変えられないことだ。だから、良かったんだ。
心ではそう思っても、金額の大きさに、ただ今映っている映像を眺めることしか俺にはできずにいる。
「じゃあ、映像もう切るよ? ゲームしたいし、通販サイトもいかなきゃだし」
「わかり……」
あれ? あそこにあるのって……靴?
「ちょっと、待って下さい」
「何? 今更やっぱり無しとか許さないよ?」
「そうじゃなくて、そこの映像なんですけど」
俺は正面入り口の下駄箱付近を映している映像の中に、一足だけ映っている靴を指差す。
「靴だね、誰かが投げたりしたんじゃない? 下駄箱に入れずに上に置いてるやつとか結構いるし。俺だってムカつくやつの靴があれば投げるからね」
さらっと酷いこと言ってるけど、それより。
「その映像って、もう少し正門より映すとかできますか?」
「出来るけど?」
「それじゃあ、お願いします」
「如月、わがまま聞くのはこれで最後だからな?」
渚先輩がキーボードをカタカタと弄ると、カメラの映像が流れ、正門を映す。
「ほら、何もないだろ?」
渚先輩はモニターを見ずに、操作だけして分かった? といったようにこちらを向く。
「……」
俺はその映像に、言葉を出すことができなかった。
「やっぱり何もなかったでしょ? 俺と同じように憂さ晴らしにでも――」
渚先輩は喋りながら椅子を回転させて、カメラに映った映像を見て声が止まる。
俺と渚先輩は、そこで血を流している才華先輩を映した映像の前に、言葉が出なかった。
たしか紅茶の横に茶葉があったはず……。
茶葉の名前が書かれたアルミ缶を探し、目当ての物を探す。缶をどけたり、回して文字を前にしたりして。
目当てのものは一番奥に置かれていた。カモミールティーだ。
出て行った才華先輩程、紅茶やハーブティーの美味しい飲み方は知らないから、適当にポットに茶葉をいれて、蒸らすといったことをして、カップに注いだ。
それでもほんのり甘みのある香りが漂ってきて、心なしか気持ちを落ち着かせることが出来たように思えた。気のせいかもしれないけど。
ようは気持ちの持ちようだ。
一口口に含んでみる。
微かに甘いような気もするし、あまり味がしないような気もする。
香りを楽しむためとよく言うし、このくらいのものなんだろうな。
時間が立ったからか、カモミールティーが効いているのか分からないけど、落ち着いたような気がする。
落ち着けたからか、数分前に出て行った才華先輩が少し気になった。
井上先輩と渚先輩はさほど気にしていないようだけど、これが普通なのか?
そんなことないとは思うけど。
「先輩は才華先輩のこと気にならないんですか?」
「瑠衣か。ふむ……」
井上先輩は腕を組んで何かを考えるように眉根を寄せている。
やっぱり少しは気にしていてくれたみたいだ。
「瑠衣なら大丈夫だろう、どうせ柚絡みの何かだ。大方柚が誰かに告白されたか何かだろう」
あり得そうな話だ。美波先輩のことが好きな才華先輩にとって、誰かに告白されることは面白くない話とは思う。けど、それだけであそこまで慌てるんだろうか? 美波先輩は確か井上先輩が言うにはレズだし。何より才華先輩に振り向かないような人が、他の人に告白された程度で振り向くとは思えない……。とは言い切れないか。
才華先輩の内面があれだし、世の中には不細工がいいって人もいるくらいだ。
美波先輩のことが異常なまでに好きな才華先輩なら、例え告白されたとしても振り向かないってことは分かっているはず。慌てはするかもしれないけど、あそこまで?
俺にはどうも井上先輩の言ったことが素直に受け入れられなかった。
「渚先輩はどう思います?」
「井上に同じ」
先輩を呼び捨てとは。
「前にも告白されたとかで出て行ったしそれだろ? 気にするだけ無駄」
そういうと、ヘッドホンを被ってもう話しかけるなと言った雰囲気を出し、パソコンに向き合い直した。
どうやら渚先輩も井上先輩と同じ考えみたいだ。
やっぱりそうなのかな?
けど、妙な胸騒ぎがする。
まだまだ先輩たちとの付き合いが少ないから俺には判断が付かないだけ?
それに、もし重大なことだったら出て行く前に言ってくれるはず。
ここは先輩たちの意見に賛同するしかないか。
そうやって俺は無理やり思いこもうとして、同じ言葉だけがぐるぐると頭の中をめぐりまわる。
出て行く前に言ってくれるはず。
……はず?
はずってなんだ?
なんではずって思った?
出て行くときの顔が深刻そうな表情だったから?
告白程度で?
仮に、美波先輩が誰かに苛められたら?
才華先輩を好きな人が、美波先輩を良く思わないから苛めたとしたら?
そしたら怒った表情で出て行くか。
もし、もし一言すら惜しむくらいの何かが起こったとしたら?
「渚先輩、才華先輩を探してもらえないですか?」
ヘッドホンの所為で聞こえてないのか? 一切反応してくれない。
もう一度、今度は少し声を大きくして言うと。
「何か言った?」
心底面倒くさそうにヘッドホンを外して、椅子を回転させてこちらを向いてくれる。
「才華先輩を探してもらえないですか?」
「監視カメラで? 面倒なんだけど。俺が動くのは二次元の良さを分からず争ってるやつが現れたときだけ。分かった? それでも俺を動かしたいならそれなりの誠意を見せないと。例えば、ゲームを買うとかさ?」
「分かりました、もし何もなければ」
「何もなければ? じゃあ何かあったら買わないって?」
渚先輩の表情は前髪で隠されて読み取れないけど、試されているような感じがする。
「流石にリスクが高すぎますよ、それ」
「ふうん? 先輩相手に交渉するんだ?」
「そ……それは……」
やっぱり、素直に買うって言っとけばよかったか。
でも、そうしたらプレミア的な者を買えって言ってきそうな気がして怖いし。
選択間違えたかな?
「まぁ、それでいいよ。どうせ何もないから」
渚先輩は何もないに掛けたみたいだ。
ここまで素直に受け入れてくれるってことは、本当に何もないのかも。
もしかすると、やばい取引をしてしまったのかもしれない。
渚先輩は改めてパソコンに向き合い、モニター六画面全てを使って監視カメラの映像を映し出してくれた。
一つの映像が五秒程流れると、別のカメラの映像へと切り替わる。
それが何度も何度も切り替わり、全ての映像を見終わったのか。
「どこにも映ってないね、学校にはいないんじゃない?」
「どこにも?」
「流石にトイレとかにはカメラもないけど」
美波先輩には何もなかったから、安心してトイレに行ったとか?
「死角とかってあるんですか?」
「無いはずだけど?」
どこにもいないんだったら、何事もなかったんだろう。
やっぱり、胸騒ぎなんて杞憂だったんだ。
「じゃあ、ゲームでも買ってもらおうかな。ちょうど欲しいのがあったんだよね」
「もう一度だけ、全てのカメラ映してもらえます? それで何もなければ諦めます」
「別に良いけど? さて、あのゲームにしようかな……」
渚先輩は何もないって分かりきっているみたいで、もう俺に買わせるゲームを考え始めている。これで何もなかったら仕方ないか。
それに、今にでも扉が開いて才華先輩が戻って来るかも知れないし。
さっきとは違って、俺も渚先輩と一緒にモニターを見る。
どこかにいるであろう才華先輩を見過ごさないように。
次々と監視カメラの映像が映るけど、どこにも才華先輩の姿が見当たらない。
そうして、下駄箱、裏門、一階西校舎にある職員室前の廊下、二階東校舎の二年一組前の廊下、三年五組の教室、一階東校舎の保健室前の廊下を映して止まる。
「これで満足?」
「……はい」
どうやら、ゲームを買うことが決定してしまったみたいだ。
でも、なんで監視カメラに映らなかったんだろう?
やっぱりトイレに行ってとか、偶々それぞれの映像が切り替わったタイミングでカメラ前を通過したとか? スパイ映画のように?
「じゃあ、一万程度のやつでも買ってもらおうかな」
「……そう、ですね。俺の杞憂だったみたいですし……」
何事もなかった、それはお金には変えられないことだ。だから、良かったんだ。
心ではそう思っても、金額の大きさに、ただ今映っている映像を眺めることしか俺にはできずにいる。
「じゃあ、映像もう切るよ? ゲームしたいし、通販サイトもいかなきゃだし」
「わかり……」
あれ? あそこにあるのって……靴?
「ちょっと、待って下さい」
「何? 今更やっぱり無しとか許さないよ?」
「そうじゃなくて、そこの映像なんですけど」
俺は正面入り口の下駄箱付近を映している映像の中に、一足だけ映っている靴を指差す。
「靴だね、誰かが投げたりしたんじゃない? 下駄箱に入れずに上に置いてるやつとか結構いるし。俺だってムカつくやつの靴があれば投げるからね」
さらっと酷いこと言ってるけど、それより。
「その映像って、もう少し正門より映すとかできますか?」
「出来るけど?」
「それじゃあ、お願いします」
「如月、わがまま聞くのはこれで最後だからな?」
渚先輩がキーボードをカタカタと弄ると、カメラの映像が流れ、正門を映す。
「ほら、何もないだろ?」
渚先輩はモニターを見ずに、操作だけして分かった? といったようにこちらを向く。
「……」
俺はその映像に、言葉を出すことができなかった。
「やっぱり何もなかったでしょ? 俺と同じように憂さ晴らしにでも――」
渚先輩は喋りながら椅子を回転させて、カメラに映った映像を見て声が止まる。
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