46 / 110
『恋しくて! - I miss you. 45 』
しおりを挟む
45.
" Awe 畏れ 2 "
以前はどんなに遅くなっても寝ないで待っていてくれたが
今では24時を過ぎて帰宅すると、子供と一緒に寝てしまって
いる。
深夜、子供もいない大人だけの時間、一緒に語らうべき
相手を失くしてしまった妻は寝るしかないのだろう。
全ては私の責任なのだ。
私が悪いのだ。
気立ての良い申し分のない妻に、悲しい想いをさせ苦しめて
いるのだから。
昔のように慕ってはくれない妻、尊敬も信頼も
失くしてしまった自分。
仕事をしていても、同僚と飲みに行っている時も、また自分も
苦しみの中にいた。
仕事も以前のように集中できず、ヤル気が出ない。
今までの自分がどんなに妻に支えられていたのかを痛感する
ばかりだ。
浮気発覚後、しばらく経って妻からの質問攻めが始まった頃
寂しそうに言われたことがある。
「あなたにとって、わたしって何? 私の存在理由って?
わたし、あなたの側にいないほうがいいンじゃない?
このままあなたの側に・・この家にいてもいいのかなぁ」
私はなさけないことに、妻の顔を見ることも、返事をかえすことも
出来なかった。
私は妻を苦しめ悲しい思いをさせたこと、すまなく思っては
いたけれど所詮浮気した側の私は、された側の妻の心情というものが
どれ程傷ついているのか、見える怪我ならばどれほどの大怪我なのか
判るが、人の心の中は目には見えないもの・・それ故、判って
いなかった。
私が想像するよりも遥かに妻が苦しみの中にいたことを。
" Awe 畏れ 2 "
以前はどんなに遅くなっても寝ないで待っていてくれたが
今では24時を過ぎて帰宅すると、子供と一緒に寝てしまって
いる。
深夜、子供もいない大人だけの時間、一緒に語らうべき
相手を失くしてしまった妻は寝るしかないのだろう。
全ては私の責任なのだ。
私が悪いのだ。
気立ての良い申し分のない妻に、悲しい想いをさせ苦しめて
いるのだから。
昔のように慕ってはくれない妻、尊敬も信頼も
失くしてしまった自分。
仕事をしていても、同僚と飲みに行っている時も、また自分も
苦しみの中にいた。
仕事も以前のように集中できず、ヤル気が出ない。
今までの自分がどんなに妻に支えられていたのかを痛感する
ばかりだ。
浮気発覚後、しばらく経って妻からの質問攻めが始まった頃
寂しそうに言われたことがある。
「あなたにとって、わたしって何? 私の存在理由って?
わたし、あなたの側にいないほうがいいンじゃない?
このままあなたの側に・・この家にいてもいいのかなぁ」
私はなさけないことに、妻の顔を見ることも、返事をかえすことも
出来なかった。
私は妻を苦しめ悲しい思いをさせたこと、すまなく思っては
いたけれど所詮浮気した側の私は、された側の妻の心情というものが
どれ程傷ついているのか、見える怪我ならばどれほどの大怪我なのか
判るが、人の心の中は目には見えないもの・・それ故、判って
いなかった。
私が想像するよりも遥かに妻が苦しみの中にいたことを。
0
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
噂好きのローレッタ
水谷繭
恋愛
公爵令嬢リディアの婚約者は、レフィオル王国の第一王子アデルバート殿下だ。しかし、彼はリディアに冷たく、最近は小動物のように愛らしい男爵令嬢フィオナのほうばかり気にかけている。
ついには殿下とフィオナがつき合っているのではないかという噂まで耳にしたリディアは、婚約解消を申し出ることに。しかし、アデルバートは全く納得していないようで……。
※二部以降雰囲気が変わるので、ご注意ください。少し後味悪いかもしれません(主人公はハピエンです)
※小説家になろうにも掲載しています
◆表紙画像はGirly Dropさんからお借りしました
(旧題:婚約者は愛らしい男爵令嬢さんのほうがお好きなようなので、婚約解消を申し出てみました)
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
いらないと言ったのはあなたの方なのに
水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。
セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。
エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。
ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。
しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。
◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬
◇いいね、エールありがとうございます!
王配狙いで悪役令嬢にされ婚約破棄~社会勉強のため伯爵家へ養女に行った王女殿下が立派な女王陛下となるまで
青の雀
恋愛
王女と結婚したいからと婚約破棄された聖女は王女殿下であった件について の長編です。
設定は名前と国名は似ています。
スピンオフというか?モチーフにしています。
女性が仕事を持つことへの家族の理解、社会の在り方などを裏テーマにしたいと思います。
例えば、子供が熱を出したときに、急に休むと出勤したときに白い目で見られること、その間に同僚には倍の仕事を押し付けられ、イジメがある。あるいは看護休暇が取れない時も母親だけ、非難される。
ゼロ歳児保育を頼み、雇用を継続したとき、母親失格の烙印を押されかねない。
永遠のテーマになると思います。
どこまでそれを書ききれるかわかりませんが、お付き合いください。
前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています
矢野りと
恋愛
旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜
――『偽聖女を処刑しろっ!』
民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。
何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。
人々の歓声に包まれながら私は処刑された。
そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。
――持たなければ、失うこともない。
だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。
『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』
基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。
※この作品の設定は架空のものです。
※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。
※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
真犯人は私です
世万江生紬
ミステリー
伯父の事務所を継いで探偵業を行う影山要は、ある日大学時代の友人、桐生京から電話を受ける。その電話は、大学時代のミステリーサークルのメンバーが久々に集まる飲み会への招待だった。
ただの飲み会ではつまらないと、桐生の所持する別荘の屋敷へ招待されたミステリーサークルのメンバー達は、そこで起こった奇妙な事件に巻き込まれていく。
どこまでも素人クオリティ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる