『恋しくて! - I miss you. 』

『恋しくて! - I miss you. 41 』

41.
" KURODA IYAaSHI CLINIC 4 "

　
　　「先生、実は・・。
　先ほど一番知りたいことは何も夫に聞けていないと申しましたが
　もう聞かなくても、ほぼほぼ答えが分かってしまって、やはり身体的
なものが大きな理由のひとつに違いないっていうか・・」


　「それはご主人ご本人から聞かれたのですか? 」
　
--
　亜香里さんは力なく首を振るばかりで、なかなかそれに関することは
話してはくれなかったけれど・・・。そのうち、ポツリポツリと
身の上に起きた辛い出来事を語りはじめた。--

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「先ほども申しましたように今でも私は夫のことが好きです。
　ですが、私では埋まらない不満、不足があるのが分かった今
　とてもこの先夫との結婚生活は考えられません。
　この先の長い道のりを共に歩んではいけません。

　子供の為とか、私をただ可哀想に思いこちらの家庭に戻ろう
としているのなら、そんなことは止めてほしいのです。

　夫にも本気でその人が好きなら、こちらの家庭は捨てて
相手のとこへ行ってください、と伝えました。

　夫はどうして愛しているのは私だけ、女とはただの遊びで
浮気だと今更のように言い張るのでしょうか?
　どうして私と離婚しその女性と結婚しないのか、訳が
判りません。

　1度や2度の逢瀬ではなかったのに・・・
私にバレなければこの先もその女性と会い続けて
いただろうに・・」


　-愛しているのは妻・・
　好きな身体と行為は不倫相手・・

　足して二で割って一人の人間にできれば、亜香里さんのご主人の
理想の妻になれるということか!

　非情だが、男にはありがちな話なのかもしれない。
　人の業の深さかな。-