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大人の恋心 2
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2.❧
◇曖昧な関係
お弁当作りは思った以上に楽しかった。
亀卦川康之から好きなものを聞き出し彼の弁当を作るように
なってからは、自分の好みよりも彼の好物を優先した。
伴侶や子のいない桂子にとって誰かの為の食事作りは新鮮で
遣り甲斐のあるものとなった。
そして少し入れ込み過ぎ気味の桂子は、夕飯も時々康之を自宅に招いて
振舞うようになる。
そんな桂子のほだされた感満載のやさしさに付け込むように、
亀卦川康之はまるでそうするのが当たり前のように桂子を抱いた。
夕食を振舞うと称しての自宅への招待。
それがいつの間にかまるで逢瀬のようになってしまい、その都度
繰り広げられる淫らな夜の生活。
◇ ◇ ◇ ◇
少しの罪悪感と戸惑いみたいなものがあるものの、そのような奇妙な関係が
しばらく続いた頃、桂子は亀卦川が同じモデル仲間の石川という美しい
女性と付き合い出したことを知る。
桂子の出した決断、それは……。
自宅には金輪際、亀卦川を招かない。
自分は彼の恋人でもなんでもない存在であるということを
自分に再確認させること。
仕事場に持って行く彼の為の弁当は作り続ける、ということだった。
――――――――――――
そしてそんなやこんなで1年過ぎても桂子は生真面目に
亀卦川の弁当を作り続けた。
自分からやめるという選択肢がなかったのだ。
振られたから腹いせに弁当作りをやめたなどと、死んでも
彼に思われたくなかった。
ちっぽけなプライド……。
亀卦川が断ってくるまでは作り続けようと、そんなふうに決めていた。
◇曖昧な関係
お弁当作りは思った以上に楽しかった。
亀卦川康之から好きなものを聞き出し彼の弁当を作るように
なってからは、自分の好みよりも彼の好物を優先した。
伴侶や子のいない桂子にとって誰かの為の食事作りは新鮮で
遣り甲斐のあるものとなった。
そして少し入れ込み過ぎ気味の桂子は、夕飯も時々康之を自宅に招いて
振舞うようになる。
そんな桂子のほだされた感満載のやさしさに付け込むように、
亀卦川康之はまるでそうするのが当たり前のように桂子を抱いた。
夕食を振舞うと称しての自宅への招待。
それがいつの間にかまるで逢瀬のようになってしまい、その都度
繰り広げられる淫らな夜の生活。
◇ ◇ ◇ ◇
少しの罪悪感と戸惑いみたいなものがあるものの、そのような奇妙な関係が
しばらく続いた頃、桂子は亀卦川が同じモデル仲間の石川という美しい
女性と付き合い出したことを知る。
桂子の出した決断、それは……。
自宅には金輪際、亀卦川を招かない。
自分は彼の恋人でもなんでもない存在であるということを
自分に再確認させること。
仕事場に持って行く彼の為の弁当は作り続ける、ということだった。
――――――――――――
そしてそんなやこんなで1年過ぎても桂子は生真面目に
亀卦川の弁当を作り続けた。
自分からやめるという選択肢がなかったのだ。
振られたから腹いせに弁当作りをやめたなどと、死んでも
彼に思われたくなかった。
ちっぽけなプライド……。
亀卦川が断ってくるまでは作り続けようと、そんなふうに決めていた。
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