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 両親に英介さんとのことを話に行った後、少しずつ荷物を段ボールなどに
まとめて自宅脱出の準備を始めた。


 英介さんのいない週末に赤帽さんに荷物を取りに来てもらい、
それから眞奈を連れて電車に揺られ実家に戻った。




 私は『実家に帰ります』とだけメモを残し、暮らし慣れた
お気に入りの家をあとにした。




 しばらくは実家でお世話になり、眞奈と住む家が見つかり次第
そちらに移るつもり。



――この後、英介が苺佳や眞奈と会うことは叶わなかった。



 『なんてことだ、俺としたことが』



 そうつぶやく英介が、昨日のうちに苺佳が娘を連れて
実家へ帰っていたことを知ったのは月曜の朝のことだった。

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