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So long! さようなら! 15

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15.
    

 6月の末頃に順子の家で、遥は里子の話を聞くことになり
 いよいよその日がやって来た。

 義姉宅での話し合いの日が。


 義姉は元夫に、私達2人(遥+里子)には自分達が在宅していることを
内緒にしてあると伝えている。



 元夫は私と里子さんが彼らが隣の部屋にいるということを
知らないという設定で聞くはず。


 私は元夫が聞いていようとも、なるべく自分の気持ちに
正直に思っていることを里子さんにぶつけるつもりだ。


           ・・・


 そして今、緑茶のペットボトルを前に私と山田里子は
差し向かえ合っている。



 「もう何度連絡しても返事をくれないんだから、遥さんったら。
 お義姉さんが話す機会と場所を提供してくれてほんと助かったわ」


 『突然のことだったし、あなたの申し立てが衝撃的で吃驚
するような内容だったから考える時間が必要だったのよ』


 「そりゃそーだっ!上手いこと言うわね。ハハッ。
 ほんっと、参ったわ。


 交通事故ったって、怪我が治って働けるようになるんだったら
いいけどさぁ、後遺症が残りそうだし、元のように社会生活出来るように
なるかならないのか、判らないって言うじゃない。

 トンでもよ。

 保険でもバーンっと出るんだったら何とかって思うけどさぁ
大した額にならないみたいだしね。

 あぁ、ちょっと電話して聞いてみたのよ。
 他には何の保険も入ってないし、私は無職だしね。


 あなたはあの人と私とのことを知った後も許してやり直そうと
してたてっていうじゃない。

 今度の事であの人と又一緒に暮らせるんだし、悪い話じゃないと思うのよ。


 それに何てったってあなたには仕事があって収入があるんだから
引き取る責任あると思うのよ」

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