裏切りの扉 非公開にしていましたが再upしました。11/4

" 偶然か、必然か? 6-38 "

38.



　話が横道に逸れてしまったが、そういうことで高校時代2学期の
途中で私は3人グループになった。

　3人上手くいってたはずなのだが、ある日、小澤一代が
私に電話をかけてきた。

　もう１人の中山加奈子が私とばかり話をしててそれが不満だと
言ってきた。


　要は自分が3人の中で中心人物になれてないことに
不満があるということだった。

　あぁ、3人という奇数ならではの問題だなと思った。
　ややこしい女だ。


　私は彼女をなだめつつも少しいい気になっていたのかもしれない。



　そしてそう言われてみれば、自分は中山加奈子に
好かれているんだなぁと、小澤一代の言い分で知り、得意にも
なったのかもしれなかった。

　それがいけなかった。


　私は中山加奈子からしてみれば悪口ともとれる発言を何気なしに、
小澤一代を宥めるために発してしまっていた。



　鈍感な私は、今まで萌枝、萌枝と話しかけてきてた中山加奈子から
ある日を境に冷たい態度を取られるようになってからも
しばらくどうしてなんだろう? とその原因が判らずにいた。

　


　　　　　　　　　　◇　◇　◇　◇



　ちっとも友だち小澤一代に裏切られるとは思ってなかったから
だろうと思う。

　ほんとに私は馬鹿だ。



　私が中山から冷たくされるようになったのは、小澤一代が
"中山加奈子からしてみれば悪口ともとれる発言"
を私から聞いたと……中山にしたからだと気付いた時、自分の不覚と
小澤からの裏切りに心が痛んだ。


　私は電話であなたを慰めたじゃないか!

　3人で仲良くしていこうねって言ったよね?　

　私の失言とはいえ、こんな仕打ちをする?　



　中山が自分よりも私の方に親し気にしていたからと言って、私が
はぶられるようなことするんだ。

　悲しくてたまらなかった。



　だけど喧嘩すれば私はひとりぼっちになってしまう。


　悔しくてつらかったが結局中山に冷たくあしらわれながらも……
小澤に喧嘩を吹っかけることもできず、欝々とした高校生活を送った。


　それでも私は何も……何も黒い気持ちを願わなかった。
　自分の心を抑えて踏ん張った。
　そんな自分を褒めてやりたい。



　しかし……。