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第三章
39. ガチョパール
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国境を越え、フランシールへ入国して3日、ようやく目的の地であるガチョパールに着いた。ガチョパールはきちんと整理した森のような街だ。道を石で固めることもなく土のままで、何もせずにいると草が生えて道でなくなってしまうので2、3日に一度、草むしり魔道具が道を練り歩くらしい。
「なんだか落ち着く街だな。」
レイの言葉に頷きながら街を歩く。
ヒューイ、と鳥が鳴いて頭上高くを横切って行った。あちこちにある街路樹が葉を広げ、鳥が木の実を突っついている。
「うん、明るい森の中にいるみたいだ。ねぇ、レイ、そろそろご飯にしようよ。向うに広場がある。」
「そうだね。いい時間だし、お昼にしよう。」
広場にある大きな木の下に座り、今朝コテージを出る前に作ったサンドイッチを頬張る。アカントの燻製肉と野菜を挟んだサンドイッチと卵のサンドイッチだ。
「美味しい。ソースがすごく美味しいっ。」
マヨネーズに感動しているレイの横で、ベルはサンドイッチを分解しながら食べている。
「ベルには大きすぎたな。」
自分のサンドイッチにかじり付きながらベルの分のサンドイッチを食べやすい大きさに切っていると、広場に人が集まり出した。皆、リュックに動きやすい服装をしていて、山にでも行くかのような格好だ。
「何かあるのかな?」
私の視線の先をレイも見る。
「2、30人くらいはいるよね。あ、旗を持っている人もいる。何かのツアーかなぁ。」
レイがそう呟いた時、旗を持った女性が大きな声を出した。
「幽玄の木、捜索ツアーにご参加の方はこちらでーす!!」
!!!
私はレイと顔を見合わせた。
「ちょっと行ってみよう。何か情報を得ることが出来るかもしれない。」
駆け寄って話好きそうなおばさんに話しかける。
「このツアーに参加すると幽玄の木の元へ行けるのですか?」
「残念ながらそう簡単には行けないわよ~。なんたって幽玄の木は幻の木だからねぇ。このツアーは皆でワイワイ探しましょうって5年に一度、開催されるツアーなのよ。見つかったら物凄いラッキー。奇跡ね。」
おばさんはそう言って笑うと隣にいる旦那さんに向かって微笑んだ。
「5年前も30回以上は参加したけれど、誰も見つけられなかったもんなぁ。」
「んふふ、このツアーは幽玄の木を探すという名目で皆とハイキングに出かけるって感じかしら。この時期、幽玄の木ツアーって増えるのよ~。もっとガチなところもあるけどね。」
「・・・見つけられるか不安になってきた。」
レイの言葉に激しく同意する。
「あら、あなたたち本気で探しているの?なら、ゴードン・キーに会いに行くといいわ。彼は15年前に幽玄の木に出会ったという噂よ。」
「その方にはどこに行けば会えますか!!!」
思わず前のめりになって聞いた私にそのおばさんは笑った。
「フラワーストリートにゴートン薬材という薬材屋さんがあるの。そこに行けば会えるわ。きっとすぐ分かるわよ。あ、もう並ばなくちゃ。」
「色々教えてくれてありがとうございます。」
手を振るおばさんに手を振り返して、私たちも広場を後にした。
フラワーストリートは町の中心部と広場の間にあり、ゴードン薬剤屋は直ぐに見つかった。店の外まで人の行列が出来ていたからだ。
「すごい人だね。これ、みんな話を聞きに来た人たちなのかな。」
「たぶん。幽玄の木ってこの街の人気の観光地にでもなっているみたいだ。命の源とも呼ばれる効果なら欲しがる人々も多いだろう。」
レイと話をしていると、ゴートン・キーのお店から白髪交じりのおじいさんが出てきた。背は低くがっしりとした体つき、大工さんと言っても通用しそうな体つきだ。
「幽玄の木について聞きにきたお客様はこの箱に2000オンを入れて隣の建物へ!」
わらわらと人がおじいさんの元へ行き、2000オンを箱に入れて隣の建物へ入っていく。
「私たちも行こう!」
レイに手を引かれ二人分の料金を箱に入れると隣の建物へ入った。それと同時に「ここまで!次は15時からじゃ!」と声が響いた。
建物の中は机の無い教室のような雰囲気だ。ただし、椅子は40センチくらいの高さに切った切り株を並べただけの簡単なものである。声がよく聴こえるようにと、前から二列目の真ん中の椅子に座った。すると、先ほどのおじいさんが教壇に立ち、偉そうに咳払いをした。
「ゴホン、私の名前はゴートン・キーだ。ここに来たということは当然知っているだろうが、15年前に私は幽玄の木を見つけ、その枝を賜った。今日はその時の話をしよう。」
ゴードンさんの言葉を皆真剣な面持ちで聞いている。
「あれは15年前、私の孫が重い病を患ったのがきっかけだった。孫が完治するには魔力による手術が必要だったのだが、その手術に耐えるだけの命の体力とでもいうのだろうか、それが足りなかった。その為、ワシは毎日、森へ幽玄の木を探しに行ったのじゃ。」
ゴードンさんが教卓の上に開いてある水を一口飲んだ。するとどこからか静かな音楽が流れ始めた。
BGM的なやつか・・・。
「幽玄の木に会ったのは本当に偶然だった。その日はガチョパールの森の東側を探していたのだが、魔獣の親子に遭遇してしまってな。必死に逃げていた。逃げていたと言っても、ワシよりも遥かに格上の魔獣だ。殺されるのも時間の問題だと思われた。そんな状況の中、疲れ果てたワシは足が言うことを利かなくなって道を踏み外し、崖から落ちたのじゃ。思わず目を閉じ、やがてくる衝撃に備えた。だがその衝撃は思いのほか軽く、目を開けたそこは明るい光で満たされた森じゃった。そして目の前を七色に透ける木が風に揺れるようにして漂っていたのだ。」
ジャーン!
突然鳴った効果音に何人かがビクッと肩を震わせた。どうも先ほどから、ひとり芝居を見せられているような気がしてならない。引いていく人々とは反対にゴードンさんの熱はどんどん上がっていく。
「「これは幽玄の木に違いない!」ワシは夢中になって幽玄の木を追いかけた。木は右へゆらゆら、左にゆらゆら、届きそうなのに手を伸ばしても捕まえられる気がしない。」
ゴードンさんの身振り手振りがだんだん大きくなり、それに比例して声も大きくなった。
「ワシは木を追いかけながら必死に木に懇願した。命の源と言われるその効力を分けて欲しいと。転んでは立ち上がり、追いかけては懇願し、そうしていると私の声を聞き届けたのか幽玄の木が湖の側で立ち止まったのじゃ。」
そこでゴードンさんは何かに祈るように手を合わせた。
「ワシは木の前に跪いて最後のお願いをした。すると木が身をゆすったかと思うとワシの前に葉っぱのついた木の枝が落ちていたのじゃ。幽玄の木がワシの願いを聞いてくださったのじゃ。その後、すっかり森に迷ってしまってな、知っている場所に出るまで丸二日も歩いた。そしてようやく帰ってきたのじゃ。」
ゴードンは暫くの間、天井を見上げた。
「これがワシが幽玄の木を手に入れた日の全容じゃ。」
ゴードンさんが話し終わったのを確認し、パチパチと手を叩いた。私の拍手につられたようにレイも含め少数の拍手が起こり、その僅かな拍手音にゴードンさんが満足そうに微笑んだ。
「ねぇ、レイはさっきの話どう思う?」
「ん~嘘はついてなさそうだよね。でも、どこかふわふわっとしていて参考になったような、ならなかったような・・・。」
レイが少し困ったような笑みを浮かべた。
「だよねぇ。でも、木を切るんじゃなくお願いするとくれるっていうのは助かるな、と思う。」
「それが偶然じゃなくて、木がちゃんと意思を持ってゴードンに渡していたのならば、だけどね。」
「確かに。あ、レイ、薬材屋さんだっていうからせっかくならお店の方も覗いてみたい。」
「うん、そうだね。これからの旅に必要な物もあるかもしれないし。」
私たちはゴートン薬材屋の扉を開けた。
「なんだか落ち着く街だな。」
レイの言葉に頷きながら街を歩く。
ヒューイ、と鳥が鳴いて頭上高くを横切って行った。あちこちにある街路樹が葉を広げ、鳥が木の実を突っついている。
「うん、明るい森の中にいるみたいだ。ねぇ、レイ、そろそろご飯にしようよ。向うに広場がある。」
「そうだね。いい時間だし、お昼にしよう。」
広場にある大きな木の下に座り、今朝コテージを出る前に作ったサンドイッチを頬張る。アカントの燻製肉と野菜を挟んだサンドイッチと卵のサンドイッチだ。
「美味しい。ソースがすごく美味しいっ。」
マヨネーズに感動しているレイの横で、ベルはサンドイッチを分解しながら食べている。
「ベルには大きすぎたな。」
自分のサンドイッチにかじり付きながらベルの分のサンドイッチを食べやすい大きさに切っていると、広場に人が集まり出した。皆、リュックに動きやすい服装をしていて、山にでも行くかのような格好だ。
「何かあるのかな?」
私の視線の先をレイも見る。
「2、30人くらいはいるよね。あ、旗を持っている人もいる。何かのツアーかなぁ。」
レイがそう呟いた時、旗を持った女性が大きな声を出した。
「幽玄の木、捜索ツアーにご参加の方はこちらでーす!!」
!!!
私はレイと顔を見合わせた。
「ちょっと行ってみよう。何か情報を得ることが出来るかもしれない。」
駆け寄って話好きそうなおばさんに話しかける。
「このツアーに参加すると幽玄の木の元へ行けるのですか?」
「残念ながらそう簡単には行けないわよ~。なんたって幽玄の木は幻の木だからねぇ。このツアーは皆でワイワイ探しましょうって5年に一度、開催されるツアーなのよ。見つかったら物凄いラッキー。奇跡ね。」
おばさんはそう言って笑うと隣にいる旦那さんに向かって微笑んだ。
「5年前も30回以上は参加したけれど、誰も見つけられなかったもんなぁ。」
「んふふ、このツアーは幽玄の木を探すという名目で皆とハイキングに出かけるって感じかしら。この時期、幽玄の木ツアーって増えるのよ~。もっとガチなところもあるけどね。」
「・・・見つけられるか不安になってきた。」
レイの言葉に激しく同意する。
「あら、あなたたち本気で探しているの?なら、ゴードン・キーに会いに行くといいわ。彼は15年前に幽玄の木に出会ったという噂よ。」
「その方にはどこに行けば会えますか!!!」
思わず前のめりになって聞いた私にそのおばさんは笑った。
「フラワーストリートにゴートン薬材という薬材屋さんがあるの。そこに行けば会えるわ。きっとすぐ分かるわよ。あ、もう並ばなくちゃ。」
「色々教えてくれてありがとうございます。」
手を振るおばさんに手を振り返して、私たちも広場を後にした。
フラワーストリートは町の中心部と広場の間にあり、ゴードン薬剤屋は直ぐに見つかった。店の外まで人の行列が出来ていたからだ。
「すごい人だね。これ、みんな話を聞きに来た人たちなのかな。」
「たぶん。幽玄の木ってこの街の人気の観光地にでもなっているみたいだ。命の源とも呼ばれる効果なら欲しがる人々も多いだろう。」
レイと話をしていると、ゴートン・キーのお店から白髪交じりのおじいさんが出てきた。背は低くがっしりとした体つき、大工さんと言っても通用しそうな体つきだ。
「幽玄の木について聞きにきたお客様はこの箱に2000オンを入れて隣の建物へ!」
わらわらと人がおじいさんの元へ行き、2000オンを箱に入れて隣の建物へ入っていく。
「私たちも行こう!」
レイに手を引かれ二人分の料金を箱に入れると隣の建物へ入った。それと同時に「ここまで!次は15時からじゃ!」と声が響いた。
建物の中は机の無い教室のような雰囲気だ。ただし、椅子は40センチくらいの高さに切った切り株を並べただけの簡単なものである。声がよく聴こえるようにと、前から二列目の真ん中の椅子に座った。すると、先ほどのおじいさんが教壇に立ち、偉そうに咳払いをした。
「ゴホン、私の名前はゴートン・キーだ。ここに来たということは当然知っているだろうが、15年前に私は幽玄の木を見つけ、その枝を賜った。今日はその時の話をしよう。」
ゴードンさんの言葉を皆真剣な面持ちで聞いている。
「あれは15年前、私の孫が重い病を患ったのがきっかけだった。孫が完治するには魔力による手術が必要だったのだが、その手術に耐えるだけの命の体力とでもいうのだろうか、それが足りなかった。その為、ワシは毎日、森へ幽玄の木を探しに行ったのじゃ。」
ゴードンさんが教卓の上に開いてある水を一口飲んだ。するとどこからか静かな音楽が流れ始めた。
BGM的なやつか・・・。
「幽玄の木に会ったのは本当に偶然だった。その日はガチョパールの森の東側を探していたのだが、魔獣の親子に遭遇してしまってな。必死に逃げていた。逃げていたと言っても、ワシよりも遥かに格上の魔獣だ。殺されるのも時間の問題だと思われた。そんな状況の中、疲れ果てたワシは足が言うことを利かなくなって道を踏み外し、崖から落ちたのじゃ。思わず目を閉じ、やがてくる衝撃に備えた。だがその衝撃は思いのほか軽く、目を開けたそこは明るい光で満たされた森じゃった。そして目の前を七色に透ける木が風に揺れるようにして漂っていたのだ。」
ジャーン!
突然鳴った効果音に何人かがビクッと肩を震わせた。どうも先ほどから、ひとり芝居を見せられているような気がしてならない。引いていく人々とは反対にゴードンさんの熱はどんどん上がっていく。
「「これは幽玄の木に違いない!」ワシは夢中になって幽玄の木を追いかけた。木は右へゆらゆら、左にゆらゆら、届きそうなのに手を伸ばしても捕まえられる気がしない。」
ゴードンさんの身振り手振りがだんだん大きくなり、それに比例して声も大きくなった。
「ワシは木を追いかけながら必死に木に懇願した。命の源と言われるその効力を分けて欲しいと。転んでは立ち上がり、追いかけては懇願し、そうしていると私の声を聞き届けたのか幽玄の木が湖の側で立ち止まったのじゃ。」
そこでゴードンさんは何かに祈るように手を合わせた。
「ワシは木の前に跪いて最後のお願いをした。すると木が身をゆすったかと思うとワシの前に葉っぱのついた木の枝が落ちていたのじゃ。幽玄の木がワシの願いを聞いてくださったのじゃ。その後、すっかり森に迷ってしまってな、知っている場所に出るまで丸二日も歩いた。そしてようやく帰ってきたのじゃ。」
ゴードンは暫くの間、天井を見上げた。
「これがワシが幽玄の木を手に入れた日の全容じゃ。」
ゴードンさんが話し終わったのを確認し、パチパチと手を叩いた。私の拍手につられたようにレイも含め少数の拍手が起こり、その僅かな拍手音にゴードンさんが満足そうに微笑んだ。
「ねぇ、レイはさっきの話どう思う?」
「ん~嘘はついてなさそうだよね。でも、どこかふわふわっとしていて参考になったような、ならなかったような・・・。」
レイが少し困ったような笑みを浮かべた。
「だよねぇ。でも、木を切るんじゃなくお願いするとくれるっていうのは助かるな、と思う。」
「それが偶然じゃなくて、木がちゃんと意思を持ってゴードンに渡していたのならば、だけどね。」
「確かに。あ、レイ、薬材屋さんだっていうからせっかくならお店の方も覗いてみたい。」
「うん、そうだね。これからの旅に必要な物もあるかもしれないし。」
私たちはゴートン薬材屋の扉を開けた。
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