103 / 226
第二章
59. キヨの小瓶
しおりを挟む
レイが帰宅したその日の深夜。
私は久しぶりに自分の部屋にいた。ベルは久しぶりに入る自分の部屋なので、あちこちの臭いを嗅いで異常がないか確認しているようだ。私はあの日以来、開けていなかった巾着を開く。ウニョウ玉も眠り玉も入っていない。中には小弓と青い液体が入った小瓶だけ。私は小瓶を机の上に置くと小弓を取り出した。小弓の冷たさがあの日を呼び起こそうとする。ハッと手を離した。
明日にでも先生の元に行ってグラントさんに小弓を見てもらおう。それと眠り玉とウニョウ玉も作らなくては。
そう思いながら机の上に置いた小瓶に視線を戻す。キヨがくれた願いが叶うという液体。キヨから貰った最初で最後のプレゼント。
「キヨ、ちゃんと仲直りできたよ。」
そう呟けば、大きな笑顔を見せるキヨが思い浮かんだ。
そういえば、一体何の効果があるものなのだろう。願いが叶う、なんてそんな液体が存在するとは思えない。私はスキルでその液体を見てみた。
【操心効果 9 死】
ドクンと心臓が跳ね、手から落ちそうになった小瓶を慌てて受け止めて机の上に置いた。持っていた手から恐ろしい毒が侵食していくような気がして、まだ心臓の音がドクドクしている。
どういうことだ?
キヨが私を殺そうとすることなどない。第一、これを相手に飲ませて願いを言うと願いが叶うと言っていた。しかも、キヨはこの効力を信用していなかったはずだ。
友達に貰ったと言っていたこの液体。
キヨは王宮の建設に関わっていた。
「師匠!!」
私の声の大きさにベルが驚いて私の腕にしがみつく。私は小瓶を持って師匠の元へと走った。
「マリアのもとへ行くぞ。」
先生は深夜だというのにも関わらずトイレの魔法陣を開くと、「マリア!開けろ!!」と叫んだ。それから3分程して魔法陣が新たな反応を見せ、師匠と一緒に壁をくぐると寝間着姿で眠そうな顔をした先生が居た。
「一体どうしましたの?」
先生が軽く欠伸をする。
「ターザニアを滅ぼした魔獣に使われたと思われる薬が手に入った。」
「なんですって!!」
先生の目が一気に覚醒する。
「何がどうなってどう、どう。あぁ、もう、いいですわ。こっちに来て説明してください。」
先生はもどかしそうに言うと、足早に寝室兼調合室へと私たちを連れていく。その途中で騒ぎに目が覚めたのかグラ
ントさんが起きてきた。
「リベルダ様?ライファも。何かあったのですか?」
「グラントもいらっしゃい。あなたも知りたいでしょうから。」
先生の言葉にグラントさんもついてくる。
調合部屋に入るなり、師匠が先生の調合テーブルの上に青い液体の入った小瓶を置いた。
「ライファ曰く【操心効果 9 死】だそうだ。」
「ライファ曰くとはどういうことですか?」
「あぁ、グラントは知らなかったな。ライファは見るだけでそのものが持つ効力が分かるというスキルを持っている。」
「スキル・・・か。」
グラントさんが唇を噛んだ。自身のスキルのことを思い出したのだろう。
「操心効果。9となると強力すぎるくらいですわね。だから、死の文字も見えるのかしら。ターザニアの魔獣に使われたというのなら、飲んですぐに死ぬことはなさそうですわね。」
「あぁ、いずれこの薬に体がもたなくなり死ぬ、そう考えるのが自然だな。」
師匠が難しい顔をしている。
「敵がこの薬を持っていて、居場所も分からない。この薬の解毒薬の開発が必要だな。マリア、出来るか?」
「出来ないだなんて言っていられませんわ。言いたくもないですけど。まずはこの薬の分析からですわね。どんな薬材を使っているのか。分析が出来たらそれに対抗できそうな薬剤を集める。そして調合する。」
「時間がかかりそうだな。マリア、二日で薬材のあたりをつけろ。一種類でもいい。きっとなかなか手に入らないようなものを使わないと解毒薬は出来ないだろうからな。」
「リベルダ、何を考えておりますの?」
「役割を分担するぞ。マリアは調合、グラントはマリアの手伝いだ。ライファには薬材探しに出てもらう。お前のスキルが必要なんだ。」
「ライファ一人では危険ではなくて?」
「あぁ、だからジェンダーソン侯爵にレイをライファにつけるよう交渉してくる。」
「国王に話して他国にも協力を仰ぐのはどうですか?」
私が師匠に聞く。ここから移動するよりも薬材に近い国へお願いした方が早いのではないかと思ったのだ。
「犯人がどこにいてどのような奴か分からない以上、大っぴらに協力を仰ぐのは危険だ。こちらが薬の情報を持っていて解毒薬を作ろうとしていることは犯人には分からないようにしたい。」
「確かにそうですね。」
「犯人がなぜターザニアを滅ぼしたのか、そして今後の動きが気になりますわね。」
「そうだな・・・。私は暫くの間、記憶に潜ることにする。潜ると言っても瞑想状態のようなものだから話しかければ目は開けるから、何か分かったら遠慮なく起こしてくれ。記憶に潜って犯人につながる手がかりを探すとしよう。」
皆が頷いた。
「その前に明日、ユーリスアに向かう。ジェンダーソン侯爵への面会を願う旨のチョンピーを送っておこう。ライファ、明日はお前も行くぞ。」
「わかりました。」
「あの、グラントさん。明日でいいので小弓のメンテナンスをお願いしてもいいですか?旅に出る前に見てもらいたいです。」
「あぁ、もちろんだ。リベルダ様、私には調合の知識もありません。本当に私がマリア様のお手伝いでもよろしいのですか?」
「あぁ、今のところは、な。状況が変わった時に動ける奴がいると助かるんだ。それに、お前のスキルも犯人には知られない方がいい。この薬を飲まされたら、死ぬこともなくずっと操られるぞ。」
その言葉にグラントさんがゴクッと唾を飲んだ。死ぬこともできず、自分として生きる事も叶わないなんてことになったらもはや絶望しかない。
「わかりました。」
翌朝、午前中にジェンダーソン侯爵家を訪ねた。予め連絡しておいたので、ジェンダーソン家の敷地に直接飛獣石で着陸する。
「お久しぶりです。リベルダ様、ライファ。」
ジェンダーソン侯爵が出迎えてくれる。
「突然の来訪、すまない。急ぎの用があってな。」
「ジェンダーソン侯爵、お久しぶりです。」
ジェンダーソン侯爵は私を見ると一瞬驚いた顔をし、その後で複雑そうな表情をした。だがそれも一時のことで、その後はすぐにいつものジェンダーソン侯爵に戻った。
「レイは今、騎士団へ行っておりますがそろそろ戻ってくるでしょう。それまで、どうぞこちらへ。」
私たちは二階の奥にある会議室のような部屋に通された。
「早速話に入る。ターザニアの件だがどこまで情報が来ている?」
「ヴァンスからあらかたのことは聞いております。」
そうか、と師匠が言った時、部屋をノックする音がした。
「レイです。ただいま参りました。」
「入れ。」
レイは部屋に入ってくると私たちに挨拶し、席についた。
「昨晩、ターザニアの魔獣に使われたと思われる薬が手に入った。私が考えていた通り、心を操る類の強力な薬だ。ヴァンスが巻き込まれたドゥブ毒事件で、妖精が飲まされた薬を進化させたものだと思う。現在、その薬を分析中だ。我々はその薬の解毒薬を作ろうと思っている。」
「その話は国王には知らせないのですか?」
「現段階ではな。犯人が誰でどこにいるのかがはっきりしない以上、大っぴらにはできない。権力者であればあるほど、相手が取り入ろうとする確率は高い。」
「つまりベルライト国王が犯人と接点を持っていると思っているのですか?」
「あくまで可能性の話だ。今はリスクを最小限に抑えたい。そこでだ、レイを貸してほしい。」
考え込むように視線を伏せていたジェンダーソン侯爵が、師匠の言葉にハッと顔を上げた。
「強力な薬に対抗するにはその効果の逆をいく強力な薬が必要だ。当然、強力な薬材も必要となる。ライファを薬材探しに行かせようと思っているのだ。その護衛としてレイを貸してほしい。」
レイがハッと師匠の顔を見る。ジャンダーソン侯爵が言葉を発した。
「ライファを・・・ですか?お言葉ですが、魔力ランクの低いライファを行かせるよりも他の者を行かせた方が良いのでは?」
「ライファには見た物の効果が分かるというスキルがある。薬材に関してはこちらも手探りなのだ。欲しい薬材を間違えずに手に入れるにはライファの能力が必要だ。」
ジャンダーソン侯爵は私のスキルに驚きつつも、師匠の提案に納得した。
「わかりました。ターザニアが滅んだ今、犯人が国を亡ぼすほどの力を持っていることが分かった。リベルダ様に協力することは、ユーリスアを守ることになる。レイは騎士団の特別任務として動いているということにしましょう。」
「助かる。」
「出発はいつですか?」
ジェンダーソン侯爵の言葉に師匠が、2、3日後になると思うと答えた。
「レイ、それまでに旅の準備をしておけ。」
「はい!」
私は久しぶりに自分の部屋にいた。ベルは久しぶりに入る自分の部屋なので、あちこちの臭いを嗅いで異常がないか確認しているようだ。私はあの日以来、開けていなかった巾着を開く。ウニョウ玉も眠り玉も入っていない。中には小弓と青い液体が入った小瓶だけ。私は小瓶を机の上に置くと小弓を取り出した。小弓の冷たさがあの日を呼び起こそうとする。ハッと手を離した。
明日にでも先生の元に行ってグラントさんに小弓を見てもらおう。それと眠り玉とウニョウ玉も作らなくては。
そう思いながら机の上に置いた小瓶に視線を戻す。キヨがくれた願いが叶うという液体。キヨから貰った最初で最後のプレゼント。
「キヨ、ちゃんと仲直りできたよ。」
そう呟けば、大きな笑顔を見せるキヨが思い浮かんだ。
そういえば、一体何の効果があるものなのだろう。願いが叶う、なんてそんな液体が存在するとは思えない。私はスキルでその液体を見てみた。
【操心効果 9 死】
ドクンと心臓が跳ね、手から落ちそうになった小瓶を慌てて受け止めて机の上に置いた。持っていた手から恐ろしい毒が侵食していくような気がして、まだ心臓の音がドクドクしている。
どういうことだ?
キヨが私を殺そうとすることなどない。第一、これを相手に飲ませて願いを言うと願いが叶うと言っていた。しかも、キヨはこの効力を信用していなかったはずだ。
友達に貰ったと言っていたこの液体。
キヨは王宮の建設に関わっていた。
「師匠!!」
私の声の大きさにベルが驚いて私の腕にしがみつく。私は小瓶を持って師匠の元へと走った。
「マリアのもとへ行くぞ。」
先生は深夜だというのにも関わらずトイレの魔法陣を開くと、「マリア!開けろ!!」と叫んだ。それから3分程して魔法陣が新たな反応を見せ、師匠と一緒に壁をくぐると寝間着姿で眠そうな顔をした先生が居た。
「一体どうしましたの?」
先生が軽く欠伸をする。
「ターザニアを滅ぼした魔獣に使われたと思われる薬が手に入った。」
「なんですって!!」
先生の目が一気に覚醒する。
「何がどうなってどう、どう。あぁ、もう、いいですわ。こっちに来て説明してください。」
先生はもどかしそうに言うと、足早に寝室兼調合室へと私たちを連れていく。その途中で騒ぎに目が覚めたのかグラ
ントさんが起きてきた。
「リベルダ様?ライファも。何かあったのですか?」
「グラントもいらっしゃい。あなたも知りたいでしょうから。」
先生の言葉にグラントさんもついてくる。
調合部屋に入るなり、師匠が先生の調合テーブルの上に青い液体の入った小瓶を置いた。
「ライファ曰く【操心効果 9 死】だそうだ。」
「ライファ曰くとはどういうことですか?」
「あぁ、グラントは知らなかったな。ライファは見るだけでそのものが持つ効力が分かるというスキルを持っている。」
「スキル・・・か。」
グラントさんが唇を噛んだ。自身のスキルのことを思い出したのだろう。
「操心効果。9となると強力すぎるくらいですわね。だから、死の文字も見えるのかしら。ターザニアの魔獣に使われたというのなら、飲んですぐに死ぬことはなさそうですわね。」
「あぁ、いずれこの薬に体がもたなくなり死ぬ、そう考えるのが自然だな。」
師匠が難しい顔をしている。
「敵がこの薬を持っていて、居場所も分からない。この薬の解毒薬の開発が必要だな。マリア、出来るか?」
「出来ないだなんて言っていられませんわ。言いたくもないですけど。まずはこの薬の分析からですわね。どんな薬材を使っているのか。分析が出来たらそれに対抗できそうな薬剤を集める。そして調合する。」
「時間がかかりそうだな。マリア、二日で薬材のあたりをつけろ。一種類でもいい。きっとなかなか手に入らないようなものを使わないと解毒薬は出来ないだろうからな。」
「リベルダ、何を考えておりますの?」
「役割を分担するぞ。マリアは調合、グラントはマリアの手伝いだ。ライファには薬材探しに出てもらう。お前のスキルが必要なんだ。」
「ライファ一人では危険ではなくて?」
「あぁ、だからジェンダーソン侯爵にレイをライファにつけるよう交渉してくる。」
「国王に話して他国にも協力を仰ぐのはどうですか?」
私が師匠に聞く。ここから移動するよりも薬材に近い国へお願いした方が早いのではないかと思ったのだ。
「犯人がどこにいてどのような奴か分からない以上、大っぴらに協力を仰ぐのは危険だ。こちらが薬の情報を持っていて解毒薬を作ろうとしていることは犯人には分からないようにしたい。」
「確かにそうですね。」
「犯人がなぜターザニアを滅ぼしたのか、そして今後の動きが気になりますわね。」
「そうだな・・・。私は暫くの間、記憶に潜ることにする。潜ると言っても瞑想状態のようなものだから話しかければ目は開けるから、何か分かったら遠慮なく起こしてくれ。記憶に潜って犯人につながる手がかりを探すとしよう。」
皆が頷いた。
「その前に明日、ユーリスアに向かう。ジェンダーソン侯爵への面会を願う旨のチョンピーを送っておこう。ライファ、明日はお前も行くぞ。」
「わかりました。」
「あの、グラントさん。明日でいいので小弓のメンテナンスをお願いしてもいいですか?旅に出る前に見てもらいたいです。」
「あぁ、もちろんだ。リベルダ様、私には調合の知識もありません。本当に私がマリア様のお手伝いでもよろしいのですか?」
「あぁ、今のところは、な。状況が変わった時に動ける奴がいると助かるんだ。それに、お前のスキルも犯人には知られない方がいい。この薬を飲まされたら、死ぬこともなくずっと操られるぞ。」
その言葉にグラントさんがゴクッと唾を飲んだ。死ぬこともできず、自分として生きる事も叶わないなんてことになったらもはや絶望しかない。
「わかりました。」
翌朝、午前中にジェンダーソン侯爵家を訪ねた。予め連絡しておいたので、ジェンダーソン家の敷地に直接飛獣石で着陸する。
「お久しぶりです。リベルダ様、ライファ。」
ジェンダーソン侯爵が出迎えてくれる。
「突然の来訪、すまない。急ぎの用があってな。」
「ジェンダーソン侯爵、お久しぶりです。」
ジェンダーソン侯爵は私を見ると一瞬驚いた顔をし、その後で複雑そうな表情をした。だがそれも一時のことで、その後はすぐにいつものジェンダーソン侯爵に戻った。
「レイは今、騎士団へ行っておりますがそろそろ戻ってくるでしょう。それまで、どうぞこちらへ。」
私たちは二階の奥にある会議室のような部屋に通された。
「早速話に入る。ターザニアの件だがどこまで情報が来ている?」
「ヴァンスからあらかたのことは聞いております。」
そうか、と師匠が言った時、部屋をノックする音がした。
「レイです。ただいま参りました。」
「入れ。」
レイは部屋に入ってくると私たちに挨拶し、席についた。
「昨晩、ターザニアの魔獣に使われたと思われる薬が手に入った。私が考えていた通り、心を操る類の強力な薬だ。ヴァンスが巻き込まれたドゥブ毒事件で、妖精が飲まされた薬を進化させたものだと思う。現在、その薬を分析中だ。我々はその薬の解毒薬を作ろうと思っている。」
「その話は国王には知らせないのですか?」
「現段階ではな。犯人が誰でどこにいるのかがはっきりしない以上、大っぴらにはできない。権力者であればあるほど、相手が取り入ろうとする確率は高い。」
「つまりベルライト国王が犯人と接点を持っていると思っているのですか?」
「あくまで可能性の話だ。今はリスクを最小限に抑えたい。そこでだ、レイを貸してほしい。」
考え込むように視線を伏せていたジェンダーソン侯爵が、師匠の言葉にハッと顔を上げた。
「強力な薬に対抗するにはその効果の逆をいく強力な薬が必要だ。当然、強力な薬材も必要となる。ライファを薬材探しに行かせようと思っているのだ。その護衛としてレイを貸してほしい。」
レイがハッと師匠の顔を見る。ジャンダーソン侯爵が言葉を発した。
「ライファを・・・ですか?お言葉ですが、魔力ランクの低いライファを行かせるよりも他の者を行かせた方が良いのでは?」
「ライファには見た物の効果が分かるというスキルがある。薬材に関してはこちらも手探りなのだ。欲しい薬材を間違えずに手に入れるにはライファの能力が必要だ。」
ジャンダーソン侯爵は私のスキルに驚きつつも、師匠の提案に納得した。
「わかりました。ターザニアが滅んだ今、犯人が国を亡ぼすほどの力を持っていることが分かった。リベルダ様に協力することは、ユーリスアを守ることになる。レイは騎士団の特別任務として動いているということにしましょう。」
「助かる。」
「出発はいつですか?」
ジェンダーソン侯爵の言葉に師匠が、2、3日後になると思うと答えた。
「レイ、それまでに旅の準備をしておけ。」
「はい!」
0
お気に入りに追加
436
あなたにおすすめの小説
アイムキャット❕~異世界キャット驚く漫遊記~
ma-no
ファンタジー
神様のミスで森に住む猫に転生させられた元人間。猫として第二の人生を歩むがこの世界は何かがおかしい。引っ掛かりはあるものの、猫家族と楽しく過ごしていた主人公は、ミスに気付いた神様に詫びの品を受け取る。
その品とは、全世界で使われた魔法が載っている魔法書。元人間の性からか、魔法書で変身魔法を探した主人公は、立って歩く猫へと変身する。
世界でただ一匹の歩く猫は、人間の住む街に行けば騒動勃発。
そして何故かハンターになって、王様に即位!?
この物語りは、歩く猫となった主人公がやらかしながら異世界を自由気ままに生きるドタバタコメディである。
注:イラストはイメージであって、登場猫物と異なります。
R指定は念の為です。
登場人物紹介は「11、15、19章」の手前にあります。
「小説家になろう」「カクヨム」にて、同時掲載しております。
一番最後にも登場人物紹介がありますので、途中でキャラを忘れている方はそちらをお読みください。
半身転生
片山瑛二朗
ファンタジー
忘れたい過去、ありますか。やり直したい過去、ありますか。
元高校球児の大学一年生、千葉新(ちばあらた)は通り魔に刺され意識を失った。
気が付くと何もない真っ白な空間にいた新は隣にもう1人、自分自身がいることに理解が追い付かないまま神を自称する女に問われる。
「どちらが元の世界に残り、どちらが異世界に転生しますか」
実質的に帰還不可能となった剣と魔術の異世界で、青年は何を思い、何を成すのか。
消し去りたい過去と向き合い、その上で彼はもう一度立ち上がることが出来るのか。
異世界人アラタ・チバは生きる、ただがむしゃらに、精一杯。
少なくとも始めのうちは主人公は強くないです。
強くなれる素養はありますが強くなるかどうかは別問題、無双が見たい人は主人公が強くなることを信じてその過程をお楽しみください、保証はしかねますが。
異世界は日本と比較して厳しい環境です。
日常的に人が死ぬことはありませんがそれに近いことはままありますし日本に比べればどうしても命の危険は大きいです。
主人公死亡で主人公交代! なんてこともあり得るかもしれません。
つまり主人公だから最強! 主人公だから死なない! そう言ったことは保証できません。
最初の主人公は普通の青年です。
大した学もなければ異世界で役立つ知識があるわけではありません。
神を自称する女に異世界に飛ばされますがすべてを無に帰すチートをもらえるわけではないです。
もしかしたらチートを手にすることなく物語を終える、そんな結末もあるかもです。
ここまで何も確定的なことを言っていませんが最後に、この物語は必ず「完結」します。
長くなるかもしれませんし大して話数は多くならないかもしれません。
ただ必ず完結しますので安心してお読みください。
ブックマーク、評価、感想などいつでもお待ちしています。
この小説は同じ題名、作者名で「小説家になろう」、「カクヨム」様にも掲載しています。
転生先は盲目幼女でした ~前世の記憶と魔法を頼りに生き延びます~
丹辺るん
ファンタジー
前世の記憶を持つ私、フィリス。思い出したのは五歳の誕生日の前日。
一応貴族……伯爵家の三女らしい……私は、なんと生まれつき目が見えなかった。
それでも、優しいお姉さんとメイドのおかげで、寂しくはなかった。
ところが、まともに話したこともなく、私を気に掛けることもない父親と兄からは、なぜか厄介者扱い。
ある日、不幸な事故に見せかけて、私は魔物の跋扈する場所で見捨てられてしまう。
もうダメだと思ったとき、私の前に現れたのは……
これは捨てられた盲目の私が、魔法と前世の記憶を頼りに生きる物語。
美味しい料理で村を再建!アリシャ宿屋はじめます
今野綾
ファンタジー
住んでいた村が襲われ家族も住む場所も失ったアリシャ。助けてくれた村に住むことに決めた。
アリシャはいつの間にか宿っていた力に次第に気づいて……
表紙 チルヲさん
出てくる料理は架空のものです
造語もあります11/9
参考にしている本
中世ヨーロッパの農村の生活
中世ヨーロッパを生きる
中世ヨーロッパの都市の生活
中世ヨーロッパの暮らし
中世ヨーロッパのレシピ
wikipediaなど
「専門職に劣るからいらない」とパーティから追放された万能勇者、教育係として新人と組んだらヤベェ奴らだった。俺を追放した連中は自滅してるもよう
138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「近接は戦士に劣って、魔法は魔法使いに劣って、回復は回復術師に劣る勇者とか、居ても邪魔なだけだ」
パーティを組んでBランク冒険者になったアンリ。
彼は世界でも稀有なる才能である、全てのスキルを使う事が出来るユニークスキル「オールラウンダー」の持ち主である。
彼は「オールラウンダー」を持つ者だけがなれる、全てのスキルに適性を持つ「勇者」職についていた。
あらゆるスキルを使いこなしていた彼だが、専門職に劣っているという理由でパーティを追放されてしまう。
元パーティメンバーから装備を奪われ、「アイツはパーティの金を盗んだ」と悪評を流された事により、誰も彼を受け入れてくれなかった。
孤児であるアンリは帰る場所などなく、途方にくれているとギルド職員から新人の教官になる提案をされる。
「誰も組んでくれないなら、新人を育て上げてパーティを組んだ方が良いかもな」
アンリには夢があった。かつて災害で家族を失い、自らも死ぬ寸前の所を助けてくれた冒険者に礼を言うという夢。
しかし助けてくれた冒険者が居る場所は、Sランク冒険者しか踏み入ることが許されない危険な土地。夢を叶えるためにはSランクになる必要があった。
誰もパーティを組んでくれないのなら、多少遠回りになるが、育て上げた新人とパーティを組みSランクを目指そう。
そう思い提案を受け、新人とパーティを組み心機一転を図るアンリ。だが彼の元に来た新人は。
モンスターに追いかけ回されて泣き出すタンク。
拳に攻撃魔法を乗せて戦う殴りマジシャン。
ケガに対して、気合いで治せと無茶振りをする体育会系ヒーラー。
どいつもこいつも一癖も二癖もある問題児に頭を抱えるアンリだが、彼は持ち前の万能っぷりで次々と問題を解決し、仲間たちとSランクを目指してランクを上げていった。
彼が新人教育に頭を抱える一方で、彼を追放したパーティは段々とパーティ崩壊の道を辿ることになる。彼らは気付いていなかった、アンリが近接、遠距離、補助、“それ以外”の全てを1人でこなしてくれていた事に。
※ 人間、エルフ、獣人等の複数ヒロインのハーレム物です。
※ 小説家になろうさんでも投稿しております。面白いと感じたらそちらもブクマや評価をしていただけると励みになります。
※ イラストはどろねみ先生に描いて頂きました。
駆け落ち男女の気ままな異世界スローライフ
壬黎ハルキ
ファンタジー
それは、少年が高校を卒業した直後のことだった。
幼なじみでお嬢様な少女から、夕暮れの公園のど真ん中で叫ばれた。
「知らない御曹司と結婚するなんて絶対イヤ! このまま世界の果てまで逃げたいわ!」
泣きじゃくる彼女に、彼は言った。
「俺、これから異世界に移住するんだけど、良かったら一緒に来る?」
「行くわ! ついでに私の全部をアンタにあげる! 一生大事にしなさいよね!」
そんな感じで駆け落ちした二人が、異世界でのんびりと暮らしていく物語。
※2019年10月、完結しました。
※小説家になろう、カクヨムにも公開しています。
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる