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第二章
35. 知らせ
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クオン王子とベルと一緒にクッキーをつまんでいる。
「ほう、これは冷めると食感が変わるな。サクッとしていて美味い。」
王子がもう一枚とクッキーに手を伸ばす。
「二人は?」
私はトトさんとリュン様はどうしているのか聞いた。
「二人はトーニャとクラウスにつけた魔道虫の情報を聞いているところだ。今のところ大した動きもない。」
「そうですか。なんか、自分たちだけ申し訳ない。」
私はなんとなく遠慮がちにクッキーを半分かじった。
「後で持って行ってやればいい。」
「お茶をどうぞ。」
女主人が透明のポットにお茶を入れて持ってきてくれた。ポットの中にはキレイな花が咲いていて、見た目も楽しむことが出来る。
「ありがとうございます。もし良かったら一緒にいかがですか?」
厨房を借りておいて何もしないわけにはいかない。
「先ほど厨房をお借りして作ったクッキーが焼けましたのでお仕事の邪魔にならなければ、ですけど。」
「ありがとう。初めて見るおやつだな。じゃあ、少しだけお邪魔するかな。」
女主人は自分用のお茶を持ってくると同じテーブルについた。
「お一人でこの宿を切り盛りしているのですか?」
「あぁ、そんなに繁盛していないから一人でもなんとかなるんだ。」
女主人が笑った。
「今は暇なだけだろう?5月になれば毎回忙しくなるくせに。いい加減、人を雇えばいいのに。」
クオン王子がため息をつきながら話した。
「いい年なんだから働くのもほどほどにしておかないと倒れるぞ。」
「いい年って、まだ40代だ!」
「もうすぐ50だろ?」
「もうすぐでもない。あと5年はあるぞ!」
二人の仲の良さにキョトンとする。王子という立場にありながら平民とこんなに仲良く話をするというのは珍しいのではないだろうか。そういえば王子の母親は平民だと言っていた。だからなのかもしれない。
「5月になると忙しいとは何かあるのですか?」
「あぁ、5月はな、リーヤが現れるという言い伝えがあるんだ。」
「リーヤですか?」
「リーヤはこの森にいると言われている魔獣でね、その羽には記憶を呼び覚ます効果があると言われている。記憶を失った者、忘れてしまった記憶を思い出したい者、思い出してほしい者、金もうけをたくらむ者たちがリーヤの羽を手に入れようとやってくるのさ。リーヤは普段はこの世界とは別の空間にいて、5月になるとこの森にやってくると言われている。殆ど伝説のようなものだ。」
「へぇー。それでも、毎年多くの人が集まるってことは、信ぴょう性は高いのかもしれませんね。」
私は興味津々で言った。
「どうだろう。羽を手に入れたって人に会ったことはないけどな。」
「ないんですか・・・。でも伝説の生き物がいるってさすがは不思議とロマンが溢れる国オーヴェルですね!ワクワクします。」
私がおぉーっと目を輝かせていると王子が小突いてきた。
「勝手に一人で森へなんか行くなよ。魔獣がわんさか出るぞ。」
と王子が忠告したが、魔獣がわんさかと言う言葉に、「美味しい魔獣いるかな」と呟いて呆れられた。
「さて、私はそろそろ。クッキーご馳走様。初めての味で美味しかったよ。」
女主人はニコッと微笑むと仕事へ戻って行った。
知らせは翌日の朝に届いた。チョンピーがグショウ隊長の声で話す。
「本日12時にキースが犯人に連絡し、王子の殺害に成功したことを伝えます。このままのペースだと明後日の夕方にはオーヴェルに到着します。」
「わかった。こちらは昨日話した通り準備は整っている。キースを殺しに来た犯人を捕まえ次第、お前たちはまた旅一座として街へ入れ。その後はこちらと合流だ。キースを殺しに来るやつは王都に入る前にケリをつけようとするはずだ。頼んだぞ。」
その時からトーニャとクラウス様の話を聞き漏らさないようにと、より一層耳を傾けた。能力的に私とクオン王子、トトさんとリュン様で二人一組になり、6時間交代で魔道虫の情報を聞く。クオン王子たちの部屋の壁には魔道虫から送られてきた映像が映し出され、喫茶店のミュージックかのように魔道虫が拾う音声が流れる。この部屋では休まらないだろうと、休憩チームは私の部屋で休むことに決めた。
そして12時。私とクオン王子が二人の様子を探る時間だ。トトさんとリュン様は休憩の時間に入るのだが、12時に王子死亡の連絡をすると言っていたキース様の言葉が気になるようで、二人ともそのまま部屋にいた。
動きがあったのは13時を少し回った時だった。
コン、と窓に何かがぶつかる様な音が何度か聞こえて、続いてガタッと音がした。魔道虫の映像ではクラウスが窓を開けたところだった。クラウス様は石を手にとると直ぐに耳にあて、嬉しそうに顔を歪めた。
【クッ、くくくくく、あははははは。】
感情を押し殺したような低い笑い声が次第に大きくなっていく。その異質な声にベルも嫌なものを感じたようで、近くにいたトトさんにすり寄って隠れた。
クラウス様の笑う姿、それは見ている者の身が凍るような不気味な姿だった。自分の死を喜んでいる人間がここにいる、その姿をまざまざと見せつけられているクオン王子が心配になり、そっと視線を向けるとその視線を感じたのかクオン王子がこちらを見て、ほんの少しだけ笑った。
痛くないはずなどない。どんなに強靭にガードしていても悪意というものはするりとすり抜け、いつしか心を削っていく。平気なはずなどないのだ。
「大丈夫です。王子には私たちがいます。」
気が付けばそう声をかけていた。リュン様もトトさんも同じ気持ちだったのだろう。
「そうですよ!」とリュン様が叫び、「大丈夫ですよ」とトトさんが微笑んだ。クオン王子はそんな私たちに驚いた顔をすると、嬉しそうに「ありがとう」と言った。
映像の中のクラウス様は部屋を移動し、半身が映る大きな鏡の前に座った。鏡に右手をかざし何かの呪文を言えば、鏡の表面が波打って鏡の向う側から声がする。
「何か動きはあったの?」
女の声だ。その姿が鏡に映し出されるとクオン王子は声を上げた。
「ウエストロン公爵夫人・・・叔父の第一夫人だ。」
信じられないというように呟いた。少し白髪の混じった落ち着いた色合いの薄いブラウンの髪の毛を綺麗に結い上げ、ニコリともしないその顔には十分な気品と貫禄があった。
「ウエストロン公爵夫人、吉報でございます。クオン王子の殺害に成功したと報告がありました。」
公爵夫人は喜びの報告であろうその言葉にもニコリとはしない。
「その情報は確かなのですか?」
「キース本人から連絡がありましたので間違いはないかと。」
「信用など出来るものですか。今すぐ、確認の者を走らせなさい。そして、王子が殺害されているにしろ殺害されていないにしろキースは殺すのです。いいですね。」
その冷たい表情にゾクッとした。人の死をあんなに簡単に決定する。まるで洋服でも捨てているかのようなその姿は少なからず私にショックを与えた。
「承知いたしました。ウエストロン公爵夫人、成功した暁には私をそれなりの地位に引き上げて下さることをお忘れなく。」
公爵夫人は流すような視線をクラウス様に投げ、わかっているとだけ言って消えた。
ウエストロン公爵夫人はきっとクラウス様を消すことさえも厭わないだろう。そう思わせるには十分な視線だった。
クオン王子は放心状態でそこに立っていた。
「叔父が私を邪魔だと思っているのは知っていた。でも、叔母はそんな素振りなど一切見せなかった。むしろ私に親切にしてくれていたのに・・・。人の心の中と言うものは分からないものだな。」
王子の言葉が哀しく空間に響いた。
その後、クオン王子の声でグショウ隊長たちに向けてキース様殺害の指示が出されたこと、黒幕はウエストロン公爵夫人であることを伝える隠密チョンピーが飛ばされた。
「ほう、これは冷めると食感が変わるな。サクッとしていて美味い。」
王子がもう一枚とクッキーに手を伸ばす。
「二人は?」
私はトトさんとリュン様はどうしているのか聞いた。
「二人はトーニャとクラウスにつけた魔道虫の情報を聞いているところだ。今のところ大した動きもない。」
「そうですか。なんか、自分たちだけ申し訳ない。」
私はなんとなく遠慮がちにクッキーを半分かじった。
「後で持って行ってやればいい。」
「お茶をどうぞ。」
女主人が透明のポットにお茶を入れて持ってきてくれた。ポットの中にはキレイな花が咲いていて、見た目も楽しむことが出来る。
「ありがとうございます。もし良かったら一緒にいかがですか?」
厨房を借りておいて何もしないわけにはいかない。
「先ほど厨房をお借りして作ったクッキーが焼けましたのでお仕事の邪魔にならなければ、ですけど。」
「ありがとう。初めて見るおやつだな。じゃあ、少しだけお邪魔するかな。」
女主人は自分用のお茶を持ってくると同じテーブルについた。
「お一人でこの宿を切り盛りしているのですか?」
「あぁ、そんなに繁盛していないから一人でもなんとかなるんだ。」
女主人が笑った。
「今は暇なだけだろう?5月になれば毎回忙しくなるくせに。いい加減、人を雇えばいいのに。」
クオン王子がため息をつきながら話した。
「いい年なんだから働くのもほどほどにしておかないと倒れるぞ。」
「いい年って、まだ40代だ!」
「もうすぐ50だろ?」
「もうすぐでもない。あと5年はあるぞ!」
二人の仲の良さにキョトンとする。王子という立場にありながら平民とこんなに仲良く話をするというのは珍しいのではないだろうか。そういえば王子の母親は平民だと言っていた。だからなのかもしれない。
「5月になると忙しいとは何かあるのですか?」
「あぁ、5月はな、リーヤが現れるという言い伝えがあるんだ。」
「リーヤですか?」
「リーヤはこの森にいると言われている魔獣でね、その羽には記憶を呼び覚ます効果があると言われている。記憶を失った者、忘れてしまった記憶を思い出したい者、思い出してほしい者、金もうけをたくらむ者たちがリーヤの羽を手に入れようとやってくるのさ。リーヤは普段はこの世界とは別の空間にいて、5月になるとこの森にやってくると言われている。殆ど伝説のようなものだ。」
「へぇー。それでも、毎年多くの人が集まるってことは、信ぴょう性は高いのかもしれませんね。」
私は興味津々で言った。
「どうだろう。羽を手に入れたって人に会ったことはないけどな。」
「ないんですか・・・。でも伝説の生き物がいるってさすがは不思議とロマンが溢れる国オーヴェルですね!ワクワクします。」
私がおぉーっと目を輝かせていると王子が小突いてきた。
「勝手に一人で森へなんか行くなよ。魔獣がわんさか出るぞ。」
と王子が忠告したが、魔獣がわんさかと言う言葉に、「美味しい魔獣いるかな」と呟いて呆れられた。
「さて、私はそろそろ。クッキーご馳走様。初めての味で美味しかったよ。」
女主人はニコッと微笑むと仕事へ戻って行った。
知らせは翌日の朝に届いた。チョンピーがグショウ隊長の声で話す。
「本日12時にキースが犯人に連絡し、王子の殺害に成功したことを伝えます。このままのペースだと明後日の夕方にはオーヴェルに到着します。」
「わかった。こちらは昨日話した通り準備は整っている。キースを殺しに来た犯人を捕まえ次第、お前たちはまた旅一座として街へ入れ。その後はこちらと合流だ。キースを殺しに来るやつは王都に入る前にケリをつけようとするはずだ。頼んだぞ。」
その時からトーニャとクラウス様の話を聞き漏らさないようにと、より一層耳を傾けた。能力的に私とクオン王子、トトさんとリュン様で二人一組になり、6時間交代で魔道虫の情報を聞く。クオン王子たちの部屋の壁には魔道虫から送られてきた映像が映し出され、喫茶店のミュージックかのように魔道虫が拾う音声が流れる。この部屋では休まらないだろうと、休憩チームは私の部屋で休むことに決めた。
そして12時。私とクオン王子が二人の様子を探る時間だ。トトさんとリュン様は休憩の時間に入るのだが、12時に王子死亡の連絡をすると言っていたキース様の言葉が気になるようで、二人ともそのまま部屋にいた。
動きがあったのは13時を少し回った時だった。
コン、と窓に何かがぶつかる様な音が何度か聞こえて、続いてガタッと音がした。魔道虫の映像ではクラウスが窓を開けたところだった。クラウス様は石を手にとると直ぐに耳にあて、嬉しそうに顔を歪めた。
【クッ、くくくくく、あははははは。】
感情を押し殺したような低い笑い声が次第に大きくなっていく。その異質な声にベルも嫌なものを感じたようで、近くにいたトトさんにすり寄って隠れた。
クラウス様の笑う姿、それは見ている者の身が凍るような不気味な姿だった。自分の死を喜んでいる人間がここにいる、その姿をまざまざと見せつけられているクオン王子が心配になり、そっと視線を向けるとその視線を感じたのかクオン王子がこちらを見て、ほんの少しだけ笑った。
痛くないはずなどない。どんなに強靭にガードしていても悪意というものはするりとすり抜け、いつしか心を削っていく。平気なはずなどないのだ。
「大丈夫です。王子には私たちがいます。」
気が付けばそう声をかけていた。リュン様もトトさんも同じ気持ちだったのだろう。
「そうですよ!」とリュン様が叫び、「大丈夫ですよ」とトトさんが微笑んだ。クオン王子はそんな私たちに驚いた顔をすると、嬉しそうに「ありがとう」と言った。
映像の中のクラウス様は部屋を移動し、半身が映る大きな鏡の前に座った。鏡に右手をかざし何かの呪文を言えば、鏡の表面が波打って鏡の向う側から声がする。
「何か動きはあったの?」
女の声だ。その姿が鏡に映し出されるとクオン王子は声を上げた。
「ウエストロン公爵夫人・・・叔父の第一夫人だ。」
信じられないというように呟いた。少し白髪の混じった落ち着いた色合いの薄いブラウンの髪の毛を綺麗に結い上げ、ニコリともしないその顔には十分な気品と貫禄があった。
「ウエストロン公爵夫人、吉報でございます。クオン王子の殺害に成功したと報告がありました。」
公爵夫人は喜びの報告であろうその言葉にもニコリとはしない。
「その情報は確かなのですか?」
「キース本人から連絡がありましたので間違いはないかと。」
「信用など出来るものですか。今すぐ、確認の者を走らせなさい。そして、王子が殺害されているにしろ殺害されていないにしろキースは殺すのです。いいですね。」
その冷たい表情にゾクッとした。人の死をあんなに簡単に決定する。まるで洋服でも捨てているかのようなその姿は少なからず私にショックを与えた。
「承知いたしました。ウエストロン公爵夫人、成功した暁には私をそれなりの地位に引き上げて下さることをお忘れなく。」
公爵夫人は流すような視線をクラウス様に投げ、わかっているとだけ言って消えた。
ウエストロン公爵夫人はきっとクラウス様を消すことさえも厭わないだろう。そう思わせるには十分な視線だった。
クオン王子は放心状態でそこに立っていた。
「叔父が私を邪魔だと思っているのは知っていた。でも、叔母はそんな素振りなど一切見せなかった。むしろ私に親切にしてくれていたのに・・・。人の心の中と言うものは分からないものだな。」
王子の言葉が哀しく空間に響いた。
その後、クオン王子の声でグショウ隊長たちに向けてキース様殺害の指示が出されたこと、黒幕はウエストロン公爵夫人であることを伝える隠密チョンピーが飛ばされた。
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