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第一章
39. 不機嫌な胸の内
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ライファが聴取を終え戻ってきた時から、自分の機嫌が悪いことはよくわかっていた。ライファから漂う兄さんの気配に神経を逆なでされる。
ライファにペンダントを渡したのは勿論お守りの意味もある。どう考えてもライファの誘拐にはあの犯人たちの後ろに貴族がいて、ライファに今後危険がないとは言い切れないからだ。ライファが誘拐された時、もしもライファがこの世界からいなくなるようなことがあったらと思うと怖くて、魔力が暴走しそうな程だった。
あのペンダントはずっと「将来のお嫁さんにあげるのよ」と言われて育ててきた。
お嫁さん、などと言われると今の自分にとっては現実味がまだなくて良く分からない。でもこんなにも惹かれるのはきっとライファだけだと思った。だから、ペンダントを渡した。本当のことを言えば受け取ってくれないだろうと思い、その意味を隠して。
それに、これだけ強い魔力を身に着けていれば、レベッカのパーティーのあの夜のようなことになることはないだろう。姉さんからあの日の状況を聞いた時は肝が冷える思いをした。ライファが他の者の手に落ちるだなんて想像もしたくない。私の魔力を身に着けていれば私のものだと皆が認識するはずだったのに。
兄さんめ、と思わず舌打ちをしそうになる。薄々嫌な予感はしていたけどこんなに堂々と宣言してくるなんて。しかも兄さんはリベルダ様が言ったライファの好みのタイプ【年上で背が高くて、がっしりとしたタイプの男性】なのだ。一見細そうに見えるその体も触れてみればわかる。しっかりとした筋肉のついた理想的な体だ。
あの時だって・・・。そう、王宮のパーティーのとき。私にはコルセットを緩めろと言ってきておきながら兄さんがやろうとしたら拒否していた。ライファにとってわたしはまだ男ではないのだ。
ぎりっと唇を噛む。
ペンダントを渡したときは、ゆっくり自分を好きになってくれればいいと思っていた。恋愛音痴そうなライファのことだし、急いては逃げられる気がして。でも、今は目の前に兄さんという強力なライバルが現れた。その焦りからかどんどん顔がこわばっていくのを感じた。
ライファに「なんか、怒ってる?」と「私、気付かないうちにレイに失礼なことでもした?」と聞かれた時、正直に言えば怒っていたのだ。
兄さんの魔力を身に着けているライファに、いつまでも男として見られない自分に。
ひとしきり怒ると、ライファは姿勢を正し、もう他の男から魔力が籠った物を受け取らないと約束してくれた。きっと私がなぜそんな約束をさせるのか、ピンときていないだろう。
それもまた、もどかしくて、ちゃんと思いを伝えられない自分も情けなくて、ライファの腕にある兄さんの気配が鬱陶しくて。
その辺の軽いお守りなら何とか理由をつけて外させるのに、兄さんのお守りが私のお守りの効力を増大させるようなものだから外してして欲しいとも言えずにイライラは募る。
無性にもっとライファに私自身を刻み付けたい衝動に駆られた。
ライファの首に唇をつければ、ひっ、とライファが声を上げる。そのまま強く吸って皮膚をうっ血させた。でもそれじゃ足りなくて、噛みつけば今度は、いっ、と声を上げる。その背中が動揺しているのが分かる。
動揺して、頭の中が私でいっぱいになればいいのに。
随分な独占欲だと自分でも驚いた。
ライファの首元をみれば、私が付けた傷がある。それが愛おしい。ずっと消えないで残っていて欲しいほどだ。
「痛い?」と聞いておきながら返事を待たずに「でも、今回は治してあげないよ?」とわざと耳元で言った。
私の気持ちが少しでも伝わればいいのに。いや、今伝わったら、逃げて行ってしまうだろうか。
その後、ライファの食べ物フィーバーが発生して、その笑顔に心が柔らかくなる。ドーリーを倒した時には「私を見捨てないで」なんて可愛いことも言われて、私はすっかり気を取り戻した。
そして今、魔女の家にいる。
私は盛大に緊張していた。
ライファにその意味を知らせないまま私の魔力を身に着けてさせているこの状態を、ライファの師匠であるリベルダ様はどう思うのだろうか。
「レイ、ドーリーを解体するからちょっと手伝ってくれ。ライファは荷物を置いてそのままご飯の支度だ。」
「はい!」
リベルダ様に連れられてドーリーの元へ歩く。
うぅ、緊張で吐きそうだ。
「で、あれはどういうことだ?あの魔力はお前のだろう?ヤったか?」
「なっ!!何もしてませんっ!」
か、顔から火が出そうだ。なんて言い方をするんだ、この人は。
「だろうな。じゃぁ、ジェンダーソン家に伝わる婚約の石か。」
そう呟くとリベルダ様は真っ直ぐこちらを見た。
「ライファは石の意味を知っていて身に着けているのか?」
鋭い・・・。
「いや、その・・・。」
ゴクリと唾をのむ。
「へぇー、何も言わずに身に着けさせたのか。」
リベルダ様は私の表情でそう判断すると、私に近寄ってきた。私の背中に手を回す。
「なかなかやるじゃないか。いい案だ。今の感じだと意味を伝えたところで盛大に振られるだろうしな。あはははは。」
リベルダ様は私の背中をポンポンと叩くと離れていった。
ド直球に痛いところを突いてくる。しかも楽しそうに。
リベルダ様の楽しそうな話は続く。
「んで、ヴァンスの魔力の気配もするのはなんでだ?」
「ライファが兄さんからもらった石をつけているからじゃないですか。私の方が先に渡したのに。」
私は不機嫌になりながら言う。
「ほほーぅ。兄に喧嘩を売られたか、お前。」
リベルダ様はニヤニヤしながらとても嬉しそうだ。
「なんでそんなに楽しそうなんですか。」
不満を口にした私に、「まぁ、そんなに気を落とすな」とリベルダ様が言う。
「ヴァンスは男前だし、魔力の使い方のセンスも良い。だが、ライファとの距離が近いのはお前の方だ。勝負はこれからだぞ。ただ、お前の場合、恋愛対象に入ってないのが最大の難点だ。」
この会話で落ち込まない人がいるなら教えてほしいくらいだ。私はズタズタの心の中で呟いた。
「いいことを教えてやろう。恋愛は相手をドキドキさせた者勝ちだぞ。あの恋愛音痴には分かりやすく迫れ。」
「分かりやすく迫る?ど、どうやって?」
「その言葉通りさ。もうこれ以上は教えてやらん。あぁ、今後が楽しみだなぁ。」
リベルダ様は鼻歌でも歌うかのように上機嫌に言った。
「まぁ、恋愛はさておき、お前がライファにお守りを渡したことには感謝している。」
リベルダが真面目なトーンで言った。
「ライファのターザニア行きについてだがな、行かせてやりたいがちょっと心配事があって躊躇していたんだ。だが、それだけの魔力を身に着けていれば私もひと安心だ。ヴァンスのお守りもあるし、あいつは恵まれているな。」
「ライファにターザニア行きの許可を出すのですか?」
「あぁ、止めたところで諦める奴でもないしな。ふっ、会えない時間というのも愛を育むためには良いスパイスになるぞ。」
リベルダ様はそう言って笑った。
「さて、解体するか。」
リベルダ様が魔法を一振りすると、ドーリーがあっという間に解体された。私が手伝う必要なんてないじゃないか。ライファ誘拐の時もそうだがリベルダ様の魔力の使い方には無駄がない。大きな魔力を力技で操る私とは大違いだ。リベルダ様の魔力は繊細で正確な動きをする。だから人の意識にも入っていけるのだ。
実は先ほどのリベルダの言葉が胸に引っかかっていた。兄さんを魔力の使い方のセンスが良いとリベルダ様は認めたのだ。何から何まで兄さんには敵わないなんて悔しい。
「リベルダ様、お願いがあります。ライファがターザニアに行っている間、私に魔力の使い方を教えてはいただけないでしょうか。休みのたびに王都から参ります。ぜひ!」
「ふぅん、ただではやらんぞ。」
「来るたびに王都で恋愛本を買って参りましょうか?」
先ほど、恋愛話で面白がっていたから興味があるかと思ったのだ。魔女は知識の塊だというから、本は読むだろうし。
リベルダ様は分かりやすく表情を変えると「いいだろう」と言った。
ライファにペンダントを渡したのは勿論お守りの意味もある。どう考えてもライファの誘拐にはあの犯人たちの後ろに貴族がいて、ライファに今後危険がないとは言い切れないからだ。ライファが誘拐された時、もしもライファがこの世界からいなくなるようなことがあったらと思うと怖くて、魔力が暴走しそうな程だった。
あのペンダントはずっと「将来のお嫁さんにあげるのよ」と言われて育ててきた。
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それに、これだけ強い魔力を身に着けていれば、レベッカのパーティーのあの夜のようなことになることはないだろう。姉さんからあの日の状況を聞いた時は肝が冷える思いをした。ライファが他の者の手に落ちるだなんて想像もしたくない。私の魔力を身に着けていれば私のものだと皆が認識するはずだったのに。
兄さんめ、と思わず舌打ちをしそうになる。薄々嫌な予感はしていたけどこんなに堂々と宣言してくるなんて。しかも兄さんはリベルダ様が言ったライファの好みのタイプ【年上で背が高くて、がっしりとしたタイプの男性】なのだ。一見細そうに見えるその体も触れてみればわかる。しっかりとした筋肉のついた理想的な体だ。
あの時だって・・・。そう、王宮のパーティーのとき。私にはコルセットを緩めろと言ってきておきながら兄さんがやろうとしたら拒否していた。ライファにとってわたしはまだ男ではないのだ。
ぎりっと唇を噛む。
ペンダントを渡したときは、ゆっくり自分を好きになってくれればいいと思っていた。恋愛音痴そうなライファのことだし、急いては逃げられる気がして。でも、今は目の前に兄さんという強力なライバルが現れた。その焦りからかどんどん顔がこわばっていくのを感じた。
ライファに「なんか、怒ってる?」と「私、気付かないうちにレイに失礼なことでもした?」と聞かれた時、正直に言えば怒っていたのだ。
兄さんの魔力を身に着けているライファに、いつまでも男として見られない自分に。
ひとしきり怒ると、ライファは姿勢を正し、もう他の男から魔力が籠った物を受け取らないと約束してくれた。きっと私がなぜそんな約束をさせるのか、ピンときていないだろう。
それもまた、もどかしくて、ちゃんと思いを伝えられない自分も情けなくて、ライファの腕にある兄さんの気配が鬱陶しくて。
その辺の軽いお守りなら何とか理由をつけて外させるのに、兄さんのお守りが私のお守りの効力を増大させるようなものだから外してして欲しいとも言えずにイライラは募る。
無性にもっとライファに私自身を刻み付けたい衝動に駆られた。
ライファの首に唇をつければ、ひっ、とライファが声を上げる。そのまま強く吸って皮膚をうっ血させた。でもそれじゃ足りなくて、噛みつけば今度は、いっ、と声を上げる。その背中が動揺しているのが分かる。
動揺して、頭の中が私でいっぱいになればいいのに。
随分な独占欲だと自分でも驚いた。
ライファの首元をみれば、私が付けた傷がある。それが愛おしい。ずっと消えないで残っていて欲しいほどだ。
「痛い?」と聞いておきながら返事を待たずに「でも、今回は治してあげないよ?」とわざと耳元で言った。
私の気持ちが少しでも伝わればいいのに。いや、今伝わったら、逃げて行ってしまうだろうか。
その後、ライファの食べ物フィーバーが発生して、その笑顔に心が柔らかくなる。ドーリーを倒した時には「私を見捨てないで」なんて可愛いことも言われて、私はすっかり気を取り戻した。
そして今、魔女の家にいる。
私は盛大に緊張していた。
ライファにその意味を知らせないまま私の魔力を身に着けてさせているこの状態を、ライファの師匠であるリベルダ様はどう思うのだろうか。
「レイ、ドーリーを解体するからちょっと手伝ってくれ。ライファは荷物を置いてそのままご飯の支度だ。」
「はい!」
リベルダ様に連れられてドーリーの元へ歩く。
うぅ、緊張で吐きそうだ。
「で、あれはどういうことだ?あの魔力はお前のだろう?ヤったか?」
「なっ!!何もしてませんっ!」
か、顔から火が出そうだ。なんて言い方をするんだ、この人は。
「だろうな。じゃぁ、ジェンダーソン家に伝わる婚約の石か。」
そう呟くとリベルダ様は真っ直ぐこちらを見た。
「ライファは石の意味を知っていて身に着けているのか?」
鋭い・・・。
「いや、その・・・。」
ゴクリと唾をのむ。
「へぇー、何も言わずに身に着けさせたのか。」
リベルダ様は私の表情でそう判断すると、私に近寄ってきた。私の背中に手を回す。
「なかなかやるじゃないか。いい案だ。今の感じだと意味を伝えたところで盛大に振られるだろうしな。あはははは。」
リベルダ様は私の背中をポンポンと叩くと離れていった。
ド直球に痛いところを突いてくる。しかも楽しそうに。
リベルダ様の楽しそうな話は続く。
「んで、ヴァンスの魔力の気配もするのはなんでだ?」
「ライファが兄さんからもらった石をつけているからじゃないですか。私の方が先に渡したのに。」
私は不機嫌になりながら言う。
「ほほーぅ。兄に喧嘩を売られたか、お前。」
リベルダ様はニヤニヤしながらとても嬉しそうだ。
「なんでそんなに楽しそうなんですか。」
不満を口にした私に、「まぁ、そんなに気を落とすな」とリベルダ様が言う。
「ヴァンスは男前だし、魔力の使い方のセンスも良い。だが、ライファとの距離が近いのはお前の方だ。勝負はこれからだぞ。ただ、お前の場合、恋愛対象に入ってないのが最大の難点だ。」
この会話で落ち込まない人がいるなら教えてほしいくらいだ。私はズタズタの心の中で呟いた。
「いいことを教えてやろう。恋愛は相手をドキドキさせた者勝ちだぞ。あの恋愛音痴には分かりやすく迫れ。」
「分かりやすく迫る?ど、どうやって?」
「その言葉通りさ。もうこれ以上は教えてやらん。あぁ、今後が楽しみだなぁ。」
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「まぁ、恋愛はさておき、お前がライファにお守りを渡したことには感謝している。」
リベルダが真面目なトーンで言った。
「ライファのターザニア行きについてだがな、行かせてやりたいがちょっと心配事があって躊躇していたんだ。だが、それだけの魔力を身に着けていれば私もひと安心だ。ヴァンスのお守りもあるし、あいつは恵まれているな。」
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リベルダ様はそう言って笑った。
「さて、解体するか。」
リベルダ様が魔法を一振りすると、ドーリーがあっという間に解体された。私が手伝う必要なんてないじゃないか。ライファ誘拐の時もそうだがリベルダ様の魔力の使い方には無駄がない。大きな魔力を力技で操る私とは大違いだ。リベルダ様の魔力は繊細で正確な動きをする。だから人の意識にも入っていけるのだ。
実は先ほどのリベルダの言葉が胸に引っかかっていた。兄さんを魔力の使い方のセンスが良いとリベルダ様は認めたのだ。何から何まで兄さんには敵わないなんて悔しい。
「リベルダ様、お願いがあります。ライファがターザニアに行っている間、私に魔力の使い方を教えてはいただけないでしょうか。休みのたびに王都から参ります。ぜひ!」
「ふぅん、ただではやらんぞ。」
「来るたびに王都で恋愛本を買って参りましょうか?」
先ほど、恋愛話で面白がっていたから興味があるかと思ったのだ。魔女は知識の塊だというから、本は読むだろうし。
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