【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪

山葵

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使用人の止める様な声と、私を呼ぶ声が聞こえる。

…ん?何だか外が騒がしいわね?誰か来たのかしら?

何が有ったのか確認をしなくては…と思い瞼を開けソファから立ち上がろうとした。

そこで急にノックもされずに扉が開く。

「リリアナ、カイルと離縁したのは本当か!?」

飛び込んで来たのは、カイルの兄で今は男爵家を継いでいるロバート様。

「ロバート様、ノックもされずに部屋に入って来られては困ります。お手紙でお知らせした通りカイルさんとは先程、離縁致しました。理由も書いたと思いますが?」

「待ってくれ!あいつは性悪女に騙されているんだ!真実の愛なんて有る筈がない。僕がカイルの目を覚まさせる。だから離縁は考え直してくれないか?」

「…はぁー。ロバート様が何を言われましても、カイルさんが言ったのですわ。それに届けも無事に役所で受理されております。今更、取り消せませんわ。それにロバート様にも新しい若い義妹が出来ましてよ」

「…困るんだ…」

「はいぃ?」

「今、君の家から融資を打ち切られては困るんだ…頼む!カイルと君が離縁しても融資を続けて貰える様に父上に頼んで貰えないだろうか!?お願いだ!!」

そうでしょうねぇ…何とか芽が出てきたかなぁ?と思っていたのに、水がなければ花は咲かずに枯れてしまいますわよねぇ。

「…分かりました。但し条件が御座います。今まで無利子で貸していましたが、これからは利子を頂きます。それと、カイルさんと縁を切って頂きます。勿論、御両親にも…それでも宜しいですか?」

「カイルなど君と離縁した時点で我が家の敷居を跨がせるつもりはなかった。利子は払う。リリアナありがとう!!」

流石に私だってカイル以外には鬼では無いのだ。
カイルと縁を切ってくれるのなら、融資を打ち切る必要は無い。
それに利息も払ってくれるなら万々歳だ。

「では、明日の午前中、話をしましょう。流石に父が居ないのに、勝手には決められませんので…」

「分かった。ありがとう!」

ロバートは、喜んで帰って行った。
彼は、弟よりも男爵家を選んだ。
当然だ。

さぁもうこれで頼れる所は失くなりましたよ。

私とアスベスを裏切った罰です。

2人の愛が本当に真実の愛ならば、お金が無くとも、仕事が無くとも愛を貫き通す事が出来るでしょう。

2人とも頑張って下さいね♪
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