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3 グリード&ナリーシャその後
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グリードは、後悔していた。
なぜ父上に出ていけ!と言われて逆らう事もせずに侯爵家を出てしまったのだろう。
なぜナリーシャとなら平民でも愛が有れば幸せになれると思ったんだろう。
そもそもナリーシャの気持ちも確かめずに突っ走ってしまった…。
ナリーシャは、俺の気持ちを受け入れ身体まで許してくれたのに廃嫡されたと聞くと激怒し家を追い出した。
「ただの平民に私が嫁ぐと思うの!?爵位とお金が無い男なんて只のクズよ!!」
ナリーシャが、あんな女だとは知らなかった。
親友のギルスなら俺を助けてくれると思い屋敷を訪ねて行った。
彼は会ってはくれたものの罵られ2度と会いに来るなと言う。
親友だと思っていたのは俺だけだったのか?
驚いた事にギルスは、俺の婚約者だったシルビアと婚約していた。
彼女は俺の物だったのに…。
どこを間違えたのだろう?
何がいけなかったのだろう?
働き口も見付からず、俺は浮浪者となってしまった…。
今の俺を見て侯爵家の子息だったと思う奴は誰も居ないだろう。
あぁあの頃に戻りたい…。
俺は自分で幸せを手放してしまったのだ…。
◈◈◈
お父様の脱税、横領がバレてしまった。
お父様は処罰され伯爵家は取り潰し、私とお母様と弟は爵位剥奪され平民になってしまった。
冗談じゃない!これでは髪を綺麗に結って綺麗なドレスを着て宝石類で飾り、お茶会やパーティーに参加して私の美貌をひけらかせないじゃない。
ギルスとの婚約も破棄されてしまった。
仕方ない。前に私を好色の目で見ていた女好きの高位貴族の殿方の中から愛人にしてくれそうな人に連絡してみるか…愛人になれば今までと同じ生活が出来るだろう。
そんな時だった。
グリードが市井の私の家を訪ねて来たのだ。
彼が婚約者のシルビアでなく、私を見ている事は気が付いていた。
彼は侯爵家の嫡男。
これは優良物件だ。
「ナリーシャ。僕は君が、ずっと好きだった」
「あぁ私もグリードが好きだったの…でもギルスと婚約していたから言えなくて…」
逃してなるものかと直ぐに身体の関係を持った。
グリードは気が付かなかった様だけれど、私は今までにも、お金の為なら嫌な男でも寝てきた。
朝を迎えた時、グリードから侯爵家を追い出されたから此処に住んでも良いかと聞かれて驚いた。
爵位もお金も無い男なんて要らない。
私はグリードを家から追い出した。
高位貴族の殿方達に手紙を送ったが誰1人として返事がない。
お金が無いので働かなければならない。
伯爵令嬢だった私が安い賃金で働くなんて冗談じゃない。
父の仕事仲間だった子爵が訪ねて来た。
愛人になれば、生活の面倒を見てくれると言う。
他の子爵や男爵と身体の関係を持っても少しばかりのお金はくれるけれど愛人にはしてくれなかった。
子爵の方から申し入れてくれたんだもの贅沢させてくれるに違いない。
私は彼の愛人になる事を受け入れた。
お母様は、そんな私を見て泣いていた。
愛人になって1年が過ぎた頃に子爵の事業が失敗してしまう。
これは愛人契約も切られるわね。次の愛人を探すかぁ?と思っていたら、子爵が借金返済の為に私を勝手に娼館に売ってしまった。
それから私は地獄の日々を送っている…。
あぁ誰か私を助けて…。
貴族じゃなくても良いから、普通の生活が出来れば良いから…誰かお願い…。
END
*****
最後まで読んで頂き ありがとうございます。
なぜ父上に出ていけ!と言われて逆らう事もせずに侯爵家を出てしまったのだろう。
なぜナリーシャとなら平民でも愛が有れば幸せになれると思ったんだろう。
そもそもナリーシャの気持ちも確かめずに突っ走ってしまった…。
ナリーシャは、俺の気持ちを受け入れ身体まで許してくれたのに廃嫡されたと聞くと激怒し家を追い出した。
「ただの平民に私が嫁ぐと思うの!?爵位とお金が無い男なんて只のクズよ!!」
ナリーシャが、あんな女だとは知らなかった。
親友のギルスなら俺を助けてくれると思い屋敷を訪ねて行った。
彼は会ってはくれたものの罵られ2度と会いに来るなと言う。
親友だと思っていたのは俺だけだったのか?
驚いた事にギルスは、俺の婚約者だったシルビアと婚約していた。
彼女は俺の物だったのに…。
どこを間違えたのだろう?
何がいけなかったのだろう?
働き口も見付からず、俺は浮浪者となってしまった…。
今の俺を見て侯爵家の子息だったと思う奴は誰も居ないだろう。
あぁあの頃に戻りたい…。
俺は自分で幸せを手放してしまったのだ…。
◈◈◈
お父様の脱税、横領がバレてしまった。
お父様は処罰され伯爵家は取り潰し、私とお母様と弟は爵位剥奪され平民になってしまった。
冗談じゃない!これでは髪を綺麗に結って綺麗なドレスを着て宝石類で飾り、お茶会やパーティーに参加して私の美貌をひけらかせないじゃない。
ギルスとの婚約も破棄されてしまった。
仕方ない。前に私を好色の目で見ていた女好きの高位貴族の殿方の中から愛人にしてくれそうな人に連絡してみるか…愛人になれば今までと同じ生活が出来るだろう。
そんな時だった。
グリードが市井の私の家を訪ねて来たのだ。
彼が婚約者のシルビアでなく、私を見ている事は気が付いていた。
彼は侯爵家の嫡男。
これは優良物件だ。
「ナリーシャ。僕は君が、ずっと好きだった」
「あぁ私もグリードが好きだったの…でもギルスと婚約していたから言えなくて…」
逃してなるものかと直ぐに身体の関係を持った。
グリードは気が付かなかった様だけれど、私は今までにも、お金の為なら嫌な男でも寝てきた。
朝を迎えた時、グリードから侯爵家を追い出されたから此処に住んでも良いかと聞かれて驚いた。
爵位もお金も無い男なんて要らない。
私はグリードを家から追い出した。
高位貴族の殿方達に手紙を送ったが誰1人として返事がない。
お金が無いので働かなければならない。
伯爵令嬢だった私が安い賃金で働くなんて冗談じゃない。
父の仕事仲間だった子爵が訪ねて来た。
愛人になれば、生活の面倒を見てくれると言う。
他の子爵や男爵と身体の関係を持っても少しばかりのお金はくれるけれど愛人にはしてくれなかった。
子爵の方から申し入れてくれたんだもの贅沢させてくれるに違いない。
私は彼の愛人になる事を受け入れた。
お母様は、そんな私を見て泣いていた。
愛人になって1年が過ぎた頃に子爵の事業が失敗してしまう。
これは愛人契約も切られるわね。次の愛人を探すかぁ?と思っていたら、子爵が借金返済の為に私を勝手に娼館に売ってしまった。
それから私は地獄の日々を送っている…。
あぁ誰か私を助けて…。
貴族じゃなくても良いから、普通の生活が出来れば良いから…誰かお願い…。
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