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「ミモルザ、卒業おめでとう!」

「うふふ…ギブソン様も一緒に卒業ですよ。おめでとうございます!明日より宰相補佐ですね…。忙しくて結婚式まで中々お逢いする事が出来なくなるのでしょうか…?」

「それは大丈夫だ!結婚式までの2週間は定時で上がらせて貰う約束をもぎ取った」

はいっ!?もぎ取ったと仰りました…?
まさか…リブルート侯爵様を脅し…いやいや、まさかそんな…。
いくらギブソン様でも…。

「!!」

ギブソン様の顔を見上げると、ニタニタと悪い顔をしている。

…何が有ったのか考えるのは、もう辞めましょう。

「そうですか…では結婚式の準備の確認も2人で出来ますね」

「僕としては今、結婚式を挙げてミモルザを家に連れ帰りたいけれどね♡」

ふわぁー、もうギブソン様!

「ふふ、ミモルザ可愛い♡」

「ギブソン様、ミモルザ様、旦那様達が、屋敷でお待ちです。そろそろ帰りませんと…」

従者の声に、ハッ!とし、ミモルザは、気持ちを落ち着かせてから、

「ギブソン様、早く戻りましょう」

「そうだね。父上達を待たせても悪いからね。でも、その前に…」

ギブソンがミモルザの腕を引き抱き締める。

「!?」

「ミモルザ、愛しているよ!」

そう言うと、ミモルザの頬に口付けをした。


卒業式を終えてからの2週間は、招待する貴族の方々に粗相が有ってはならないと、念入りにチェックの毎日だった。

次期宰相の結婚式となれば、国王も出席される。
何か有れば、両家の侯爵家も、巻き込んでしまう。

朝から定時で帰宅される迄の間は、両家のお母様達が協力してくれた。

「ミモルザ…大丈夫か?なんか疲れてない?」

「大丈夫ですわ…」

ギブソンは、ミモルザの手を引っ張り、自分の膝の上に座られ抱き締められる。

「無理をしないで!もう準備は完璧だと母上から聞いている。あとは、当日を待つだけだよ。花嫁がボロボロでは悲しすぎるからね…」

ギブソン様が優しく背中を撫でてくれると、ホッとしてしまい、私は疲れのせいか眠ってしまった。

「…んっ…???あら、ここは…うっ、私、ねむってしまったの!?」

ベッドから飛び出すと、ノックがされ、部屋にザイラス侯爵家の年配の侍女が入ってきた。

「お目覚めで御座いましたか?では、お支度のお手伝いを致します」

ベッドから抜け出し、私…着替えて?誰が…?と考えていると、ドアがノックと共にギブソンが入ってきた。

「おはよう!ミモルザ」

えっ!?ギブ…

「きゃあー!!」

私は、ベッドに戻り、シーツを被る。

「ギブソン様、ミモルザ様は、まだお着替え前で御座います。どうか退室を…」

「えぇー」

侍女に睨むような目をされ、ギブソン様は、「食堂で待っているよ」と言って出ていかれた。

「ミモルザ様、早くお着替えされませんと、待ちくたびれたギブソン様が戻ってきてしまいます。恥ずかしかったのは分かりますがベッドから出てきて下さい。それに5日後にはご結婚されるのですよ」

その言葉に、「そ、そうよね…結婚すれば毎朝…と言うよりも全てを見られてしまうのよね!?」
うわぁとミモルザは、ベッドの中で悶えた。


白いドレスに着替え終え、椅子に座り待っている。

ノックされ返事をするとギブソン様が部屋に入ってきた。

「ミモルザ、着替え終え…うわぁーミモルザ綺麗だ!!」

「ギブソン様、ありがとうございます。ギブソン様も、とても素敵です♡」

私達は、今日、結婚する。

1年前まで、まさかギブソン様と結婚するなんて夢に思わなかった。

あのまま我慢をすれば、私の横には今もレイライン様が居たのだろう。

私の事を見下し、平気で浮気をする彼と結婚して惨めな結婚生活を送っていたかも知れない。

でも、今、私の横にはギブソン様が居る。

私の事を大切にし、愛してくれている彼が居る。

「さぁ行こう!ミモルザ、手を…」

「はい、ギブソン様、行きましょう」

「ふふ、僕は幸せだ。ありがとうミモルザ」

「わたくしも幸せです。ありがとうございますギブソン様」

ミモルザは、ギブソンの差し出した腕に手をまわし式場へと向かった♪


                                      END


*****
最後まで読んで頂き ありがとうございます。

番外編でレイラインのその後を書こうと思っています。
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