7 / 10
7
しおりを挟む
婚約を発表してからのギブソン様は、今までの冷静沈着から一変し、ミモルザを溺愛する甘々男になってしまった。
「あぁミモルザ、今日も可愛い♡」
「ギブソン様、わたくしは可愛くは有りません。1度目の検査に行かれた方が宜しくてよ。それよりも授業が始まります。席にお着きになって下さい」
「やだ離れたくない!ねぇ君、僕と席を変わってくれないか?」
「ギブソン様っ!!」
この方は、本当にギブソン様なのでしょうか!?
私は、呆れ顔をしていると、
「ごめん、また後でね…ミモルザ、嫌いにならないで…」
レイライン様とギブソン様 2人を足して割ったら丁度良いのかも。
「ミモルザ、大変ね…。まさかギブソン様がねぇ~。
浮気されるのも嫌だけれど、溺愛されるのも度を越すとウザいわ!」
前の席のモニカに言われ、苦笑いをするが、実は そんなに嫌な訳ではない。
ただ、皆の前で…なのが恥ずかしいだけで、馬車の中や屋敷なら甘やかされるのは嬉しい。
授業が始まり、フッとギブソン様を見ると真剣に授業を聞いている。
さっきまでミモルザに可愛いと言っていた人とは別人の様だ。
学年1位を取り続けているなんて、どれだけ勉強しているのかしら?
ジィーと見詰めていたら、視線に気が付いたのかギブソンがミモルザを見る。
あっ!気付かれてしまったわ。
ニコッ!と笑うギブソンを見て、ミモルザは、照れ臭くなり下を向いた。
何…胸がドキドキする。
私、どうしてしまったの!?
「……ルザ……ミモルザ、授業が終わったよ」
へっ!?
「きゃあ、ギブソン様!!」
「どうしたの?顔が真っ赤だ!熱!?医務室に行こう」
「だ、大丈夫です!!」
「駄目だよ!顔が真っ赤なんだ。熱が有るんだよ!」
そう言ってミモルザのおでこに手をあてる。
「あれ?顔は赤いけれど熱は無さそうだね…」
「少しのぼせただけですわ。直ぐに治ります」
パタパタとノートで扇ぐ。
ギブソン様が近くに居ると落ち着かない。
なぜか顔も恥ずかしくて見れない。
なぜなの?
その時モニカが小声で
「ミモルザ、お花摘みに一緒に行きましょう。ギブソン様、少しミモルザをお借りしても?」
そう言って私を連れ出してくれた。
「どうしたの?何があったの?」
「…ギブソン様の顔を見ると胸がドキドキして恥ずかしくて…私、何か病気なのかしら?」
「ぶっ…なぁんだ心配して損した。それは病気じゃなくてミモルザがギブソン様を好きだと自覚したんでしょ?まさか初恋!?」
えっ?好き?私がギブソン様を…。
そう自覚したら、更に胸がドキドキして顔が火照った。
そうか…私、ギブソン様が好きなんだ。
レイライン様と婚約中は好意を持つ様に努めたが彼の浮気のせいで恋心が芽生える事がなかった。
「モニカ、私、ギブソン様が好きなのだと思う」
「本当に!?」
へっ!?
振り返ると、そこにギブソン様が…。
「あ、あの…」
「ごめん、心配で付いて来ちゃった…」
「もうギブソン様、お花摘みと言ったのに…まぁ良いわ。じゃあ私は戻るわね♪」
俯く私に「頑張って!」と言ってモニカは、教室に戻っていった。
「ミモルザ…さっきのは本当?本当なら、とても嬉しい!」
「…はい…」
ギブソンは、ミモルザの手を取り、中庭へと急ぐ。
中庭に着くと、振り返りミモルザを抱き締め
「ありがとう、ミモルザ!必ず幸せにする」
あっ…ドキドキが…もう倒れそう…。
「あれ?ミモルザ?ミモルザ!?」
ごめんなさい…私は、もうキャパオーバーです…。
「あぁミモルザ、今日も可愛い♡」
「ギブソン様、わたくしは可愛くは有りません。1度目の検査に行かれた方が宜しくてよ。それよりも授業が始まります。席にお着きになって下さい」
「やだ離れたくない!ねぇ君、僕と席を変わってくれないか?」
「ギブソン様っ!!」
この方は、本当にギブソン様なのでしょうか!?
私は、呆れ顔をしていると、
「ごめん、また後でね…ミモルザ、嫌いにならないで…」
レイライン様とギブソン様 2人を足して割ったら丁度良いのかも。
「ミモルザ、大変ね…。まさかギブソン様がねぇ~。
浮気されるのも嫌だけれど、溺愛されるのも度を越すとウザいわ!」
前の席のモニカに言われ、苦笑いをするが、実は そんなに嫌な訳ではない。
ただ、皆の前で…なのが恥ずかしいだけで、馬車の中や屋敷なら甘やかされるのは嬉しい。
授業が始まり、フッとギブソン様を見ると真剣に授業を聞いている。
さっきまでミモルザに可愛いと言っていた人とは別人の様だ。
学年1位を取り続けているなんて、どれだけ勉強しているのかしら?
ジィーと見詰めていたら、視線に気が付いたのかギブソンがミモルザを見る。
あっ!気付かれてしまったわ。
ニコッ!と笑うギブソンを見て、ミモルザは、照れ臭くなり下を向いた。
何…胸がドキドキする。
私、どうしてしまったの!?
「……ルザ……ミモルザ、授業が終わったよ」
へっ!?
「きゃあ、ギブソン様!!」
「どうしたの?顔が真っ赤だ!熱!?医務室に行こう」
「だ、大丈夫です!!」
「駄目だよ!顔が真っ赤なんだ。熱が有るんだよ!」
そう言ってミモルザのおでこに手をあてる。
「あれ?顔は赤いけれど熱は無さそうだね…」
「少しのぼせただけですわ。直ぐに治ります」
パタパタとノートで扇ぐ。
ギブソン様が近くに居ると落ち着かない。
なぜか顔も恥ずかしくて見れない。
なぜなの?
その時モニカが小声で
「ミモルザ、お花摘みに一緒に行きましょう。ギブソン様、少しミモルザをお借りしても?」
そう言って私を連れ出してくれた。
「どうしたの?何があったの?」
「…ギブソン様の顔を見ると胸がドキドキして恥ずかしくて…私、何か病気なのかしら?」
「ぶっ…なぁんだ心配して損した。それは病気じゃなくてミモルザがギブソン様を好きだと自覚したんでしょ?まさか初恋!?」
えっ?好き?私がギブソン様を…。
そう自覚したら、更に胸がドキドキして顔が火照った。
そうか…私、ギブソン様が好きなんだ。
レイライン様と婚約中は好意を持つ様に努めたが彼の浮気のせいで恋心が芽生える事がなかった。
「モニカ、私、ギブソン様が好きなのだと思う」
「本当に!?」
へっ!?
振り返ると、そこにギブソン様が…。
「あ、あの…」
「ごめん、心配で付いて来ちゃった…」
「もうギブソン様、お花摘みと言ったのに…まぁ良いわ。じゃあ私は戻るわね♪」
俯く私に「頑張って!」と言ってモニカは、教室に戻っていった。
「ミモルザ…さっきのは本当?本当なら、とても嬉しい!」
「…はい…」
ギブソンは、ミモルザの手を取り、中庭へと急ぐ。
中庭に着くと、振り返りミモルザを抱き締め
「ありがとう、ミモルザ!必ず幸せにする」
あっ…ドキドキが…もう倒れそう…。
「あれ?ミモルザ?ミモルザ!?」
ごめんなさい…私は、もうキャパオーバーです…。
53
お気に入りに追加
572
あなたにおすすめの小説
幼なじみの親が離婚したことや元婚約者がこぞって勘違いしていようとも、私にはそんなことより譲れないものが1つだけあったりします
珠宮さくら
恋愛
最近、色々とあったシュリティ・バッタチャルジーは何事もなかったように話しかけてくる幼なじみとその兄に面倒をかけられながら、一番手にしたかったもののために奮闘し続けた。
シュリティがほしかったものを幼なじみがもっていて、ずっと羨ましくて仕方がなかったことに気づいている者はわずかしかいなかった。
貴方もヒロインのところに行くのね? [完]
風龍佳乃
恋愛
元気で活発だったマデリーンは
アカデミーに入学すると生活が一変し
てしまった
友人となったサブリナはマデリーンと
仲良くなった男性を次々と奪っていき
そしてマデリーンに愛を告白した
バーレンまでもがサブリナと一緒に居た
マデリーンは過去に決別して
隣国へと旅立ち新しい生活を送る。
そして帰国したマデリーンは
目を引く美しい蝶になっていた
心の声が聞こえる私は、婚約者から嫌われていることを知っている。
木山楽斗
恋愛
人の心の声が聞こえるカルミアは、婚約者が自分のことを嫌っていることを知っていた。
そんな婚約者といつまでも一緒にいるつもりはない。そう思っていたカルミアは、彼といつか婚約破棄すると決めていた。
ある時、カルミアは婚約者が浮気していることを心の声によって知った。
そこで、カルミアは、友人のロウィードに協力してもらい、浮気の証拠を集めて、婚約者に突きつけたのである。
こうして、カルミアは婚約破棄して、自分を嫌っている婚約者から解放されるのだった。
【完結】用済みと捨てられたはずの王妃はその愛を知らない
千紫万紅
恋愛
王位継承争いによって誕生した後ろ楯のない無力な少年王の後ろ楯となる為だけに。
公爵令嬢ユーフェミアは僅か10歳にして大国の王妃となった。
そして10年の時が過ぎ、無力な少年王は賢王と呼ばれるまでに成長した。
その為後ろ楯としての価値しかない用済みの王妃は廃妃だと性悪宰相はいう。
「城から追放された挙げ句、幽閉されて監視されて一生を惨めに終えるくらいならば、こんな国……逃げだしてやる!」
と、ユーフェミアは誰にも告げず城から逃げ出した。
だが、城から逃げ出したユーフェミアは真実を知らない。
わたしにはもうこの子がいるので、いまさら愛してもらわなくても結構です。
ふまさ
恋愛
伯爵令嬢のリネットは、婚約者のハワードを、盲目的に愛していた。友人に、他の令嬢と親しげに歩いていたと言われても信じず、暴言を吐かれても、彼は子どものように純粋無垢だから仕方ないと自分を納得させていた。
けれど。
「──なんか、こうして改めて見ると猿みたいだし、不細工だなあ。本当に、ぼくときみの子?」
他でもない。二人の子ども──ルシアンへの暴言をきっかけに、ハワードへの絶対的な愛が、リネットの中で確かに崩れていく音がした。
政略結婚の約束すら守ってもらえませんでした。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
「すまない、やっぱり君の事は抱けない」初夜のベットの中で、恋焦がれた初恋の人にそう言われてしまいました。私の心は砕け散ってしまいました。初恋の人が妹を愛していると知った時、妹が死んでしまって、政略結婚でいいから結婚して欲しいと言われた時、そして今。三度もの痛手に私の心は耐えられませんでした。
婚約者に初恋の従姉妹といつも比べられて来ましたが、そんなに彼女が良いならどうぞ彼女とお幸せに。
天歌
恋愛
「シャティならもっと気の利いたことを言ったのに」
「お前といると本当に退屈だ。シャティといればいつでも心躍るのに」
「シャティの髪は綺麗な金色で花も霞んでしまう程なのに、お前の髪は本当に地味だな」
「シャティは本当に優しくて美しいんだ。それに比べてお前は氷のように冷たいな!」
私の婚約者であるエルカルト・ルーツベットは、毎度毎度顔を合わせる度に私をこのように彼の初恋の相手である彼の従姉妹のシャティ様と比べては私を卑下するような事ばかり言う。
家の為の結婚とは言え、毎度このように言われては我慢の限界を迎えつつあったある日。
「あーあ。私は本当はシャティと結婚したかったのに!お前のせいで思い合う二人が引き裂かれた!!悪魔のようなやつめ!!」
そこまで言うならばお好きにどうぞ?
ただし…どうなっても知りませんよ…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる