上 下
5 / 10

5

しおりを挟む
私達は、婚約解消の書類にサインをし、最後にレイライン様が書いたら終了!と言う所で、急にレイライン様がごね始めた。

「な、なぁミモルザ…君は俺の事が好きなんだろう?ならば、俺も態度を改めるから…」

「いえ…好きでは御座いません!」

「えっ!?嘘だろう?俺が冷たくしていたから仕返しか?」

「婚約して貴方に好意を抱こうと努めました。ですが…貴方のお遊びの多さに…好意を抱く方が難しいのでは?…もしも…もしもですが…次に婚約される時には、婚約者の方を大事にして下さいませね!」

「嘘…い、嫌だぁー!俺を棄てないでくれー!!」

何を今更!?と呆れている私に、リブルート侯爵様は、謝り、無理矢理レイライン様にサインをさせた。

はぁーこれで全て終わったわ。

傷者になってしまったけれど、後悔はしていない。

私は、晴れ晴れとした気持ちでリブルート侯爵家を後にした。



週明けに学園に行くと、噂は早いもので殆どの生徒が私とレイライン様の婚約解消を知っていた。

私は、令嬢達に陰口を言われたが、当のレイライン様は、学園を休んでいる様だ。

昼休み、1人中庭で休んでいると

「ミモルザ嬢、君とうとう婚約解消したんだって?」

「ギブソン様、ご機嫌麗しゅう…「堅苦しい挨拶は良い!それで本当なのか?」

「はい。無事に婚約解消しました」

「ふぅ~ん、やっと決心したんだ」

「前々から、考えてはいたんです。ですが、リブルート侯爵様や、夫人は、とても良い方達で。父や母の事も考えたのですが…やはり自分の気持ちに正直でありたいと…まぁそのお陰で傷者になりましたが…」

「後1年か…」

「?」

後1年?卒業するまでですかね?

なんだろう?と考えている私を気にすること無くギブソン様は、校舎へと戻って行った。

それからもレイライン様は、学園に来る事は無く修了式を迎えてしまった。



3年になり、始業式の日にギブソン様からレイライン様が学園を辞め、リブルート侯爵領地に行ったと聞かされた。

「えっ!?レイライン様が?」

「やはり知らなかったのか?君との婚約解消から、廃嫡も考えられたそうだが、侯爵も愚息でも自分の子だからね…。侯爵家は、ロベルトが継ぐそうだ。まぁそれも一悶着あった様だが…」

確かロベルト様は、騎士になりたかったはず…それでも侯爵家を絶やす訳にはいかないものね。

「それで…今週末、君の家に伺おうと思うのだが何か予定は有るか?」

「今週末ですか?特には…」

そう言ったギブソン様の顔が赤くなっている様な気がするのは気のせい?

あれ?なぜ家に?お父様に用事かしら?

「あっ、父に用事が?予定を聞いて置きましょうか?」

「あぁ先触れは出して置くから大丈夫だ。君の予定が聞きたかっただけだ」

「わたくしの?」

これは分かってないなっ…という顔をされて「じゃあね」と去って行ってしまった。

お父様と私に用事とは何でしょう!?

まぁ考えても分からないし、週末まで待ちましょう!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愛されていないのですね、ではさようなら。

杉本凪咲
恋愛
夫から告げられた冷徹な言葉。 「お前へ愛は存在しない。さっさと消えろ」 私はその言葉を受け入れると夫の元を去り……

偽りの愛の結婚

杉本凪咲
恋愛
長年連れ添った夫は、私に冷徹に言い放つ。 「お前は国外追放とする。もう二度と顔を見せるな」 原因は私が使用人をいじめたことらしいが、私には全く身に覚えのない出来事だった。 愛する娘を家に残して、私は国外追放に処されたのだ。

あなたを愛していないわたしは、嫉妬などしませんよ?

ふまさ
恋愛
 目の前で抱き合う、婚約者であるダレルと、見知らぬ令嬢。立ち尽くすアレクシアに向き直ったダレルは、唐突に「きみには失望したよ」と吐き捨てた。 「ぼくとバーサは、ただの友人関係だ。なのにきみは、ぼくたちの仲を誤解して、バーサを虐めていたんだってね」  ダレルがバーサを庇うように抱き締めながら、アレクシアを睨み付けてくる。一方のアレクシアは、ぽかんとしていた。 「……あの。わたし、そのバーサという方とはじめてお会いしたのですが」  バーサは、まあ、と涙を滲ませた。 「そんな言い訳するなんて、ひどいですわ! 子爵令嬢のあなたは、伯爵令嬢のわたしに逆らうことなどできないでしょうと、あたしを打ちながら笑っていたではありませんか?!」 「? はあ。あなたは、子爵令嬢なのですね」  覚えがなさ過ぎて、怒りすらわいてこないアレクシア。業を煮やしたように、ダレルは声を荒げた。 「お前! さっきからその態度は何だ!!」  アレクシアは、そう言われましても、と顎に手を当てた。 「──わたしがあなた方の仲を誤解していたとして、それがどうしたというのですか?」 「だ、だから。バーサに嫉妬して、だから、ぼくの知らないとこでバーサを虐めて、ぼくから離れさせようと……っ」 「そこが理解できません。そもそもそのような嫉妬は、相手を愛しているからこそ、するものではないのですか?」  ダレルは、え、と口を半開きにした。  この作品は、小説家になろう様でも掲載しています。

【完】はしたないですけど言わせてください……ざまぁみろ!

咲貴
恋愛
招かれてもいないお茶会に現れた妹。 あぁ、貴女が着ているドレスは……。

あなたの妻はもう辞めます

hana
恋愛
感情希薄な公爵令嬢レイは、同じ公爵家であるアーサーと結婚をした。しかしアーサーは男爵令嬢ロザーナを家に連れ込み、堂々と不倫をする。

【完結】妹が旦那様とキスしていたのを見たのが十日前

地鶏
恋愛
私、アリシア・ブルームは順風満帆な人生を送っていた。 あの日、私の婚約者であるライア様と私の妹が濃厚なキスを交わすあの場面をみるまでは……。 私の気持ちを裏切り、弄んだ二人を、私は許さない。 アリシア・ブルームの復讐が始まる。

離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。

しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。 私たち夫婦には娘が1人。 愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。 だけど娘が選んだのは夫の方だった。 失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。 事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。 再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。

元妻からの手紙

きんのたまご
恋愛
家族との幸せな日常を過ごす私にある日別れた元妻から一通の手紙が届く。

処理中です...