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まったくミモルザと言う女は可愛げがない。

侯爵に頼まれて、この俺が、イケメンと賞される俺が婚約者になってやったというのに、愛想もなければ媚も売ってこない。

おまけに他の女とイチャイチャしても怒りもしなければ、文句も言ってこない。

「あぁそうか…文句を言って婚約解消されたら困るからだなっ!ふーん自分の立場を分かっているじゃないかっ!」

そうと分かれば…と俺は、ミモルザに見える様に、色んな女を側に置いた。

低位貴族の女に、ちょっと声を掛ければ、馬鹿な女は直ぐにベッドを共にした。

少し度が過ぎた時は、父上に怒鳴られたけれど、ミモルザが何も言わないんだから構うものかっ。

だが、最近になってミモルザの周りを父上の後釜と言われているギブソンがウロチョロしている。

ミモルザも、俺というイケメン婚約者が居るのに追い払う事もせずに仲良くしているのは何故だ!?

本来なら、父上の子である俺が次期宰相になっても良いのに、ちょぉーと…いや、かなりか?頭が良いからって、なぜギブソンが後釜なんだ?

あぁ考えていたら、また腹が立ってきた!!

「憂さ晴らしに遊びに…マリアでも抱きに行くか」

レイラインは、馬車を用意させ男爵家に向かった。



「またレイラインは居ないのか?」

夕食の時間になってもレイラインは、戻ってきていなかった。

「あなた、申し訳ありません。わたくしの教育がなって無かったばかりに…」

「お前のせいばかりでは無い。しかし、このままでは、ミモルザ嬢に何時、婚約破棄を告げられるか…あいつは自分の立場を全く理解しておらん。アマンダ…最悪の事態も覚悟しておけ。ロベルト、レイラインに何かあったら、我が侯爵家は、お前が継げ」

「えぇー嫌だよ!僕は騎士団に入ると決めているんですから」

「もしもの時だ!そうならない様にレイラインを何とかしないと…」



マリアの所から戻ると執事から、父上が呼んでいると言われた。

「はぁーまたお小言か…体調が悪くて寝込んだと言って置いてくれ!俺は疲れたから寝る!」

少しぐらい遊んだからと何だと言うのだ。

高位貴族の男達は、遊んでいてる奴らなんて沢山いる。それに手を出しているのは低位貴族の女達…何かあっても金さえ出せば、どうにでもなる相手だ。

全く父上は、母上一筋で融通が聞かない。

人生楽しまなくてどうする?

俺みたいにイケメンが遊ばなくてどうする!?

まぁ婚約者がミモルザの様な女じゃなく、絶世の美女や聖女の様な女だったら、俺も違ったんだろうなぁー。

俺は知らなかった…ミモルザが婚約解消に向けて着々と事を進めている事に…。

それが俺の人生を狂わせる事になるとは…。
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