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生チョコレート
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チョコレート作りは本番を迎えた。
大理石のテーブルでテンパリングをすると、チョコレート生地は魔法のように輝き始める。みのりは何度もテンパリングを繰り返すと、チョコレートをバットに入れた。
「今日は生チョコレートを作ろう」
バットにクッキングシートをおいた。
レミはみのりに尋ねる。
「私にもできることないかしら?」
「残念だけど、レミに頼めることはないかな。弟子入りしたのはサブリナだしね」
「はーい」
レミはほっぺをぷくっと膨らませて頷いた。
「サブリナ、鍋に生クリームを入れて沸騰直前まで暖めて、バットに入れて、チョコレートがクリーム状になる生でよくかき混ぜて。」
「はい」
「これで一時間冷蔵庫で冷やせばできあがりだ」
「簡単ね」
レミがそう言うとみのりは答えた。
「ゴブが手伝ってくれたからこんなに簡単にできたんだぞ。えらいぞ、ゴブ」
ゴブは照れて頭をかいた。
「サブリナは、へらの使い方がもう少し荒っぽい。もっと丁寧にすりつぶすように」
「はい、みのり先生」
サブリナは真剣な顔で頷いた。
一時間が経過した。
レミとサブリナは町の噂話に花を咲かせていた。
みのりはふたりのために紅茶を入れて、昨日作っておいたチョコレートをだした。
「はい、お嬢様方どうぞ」
レミは紅茶を受け取ると、優雅にその香りを楽しんだ。
「有り難う、みのり」
サブリナも紅茶を受け取ると、おっかなびっくり一口飲んだ。
「ありがとうございます、みのり先生」
「さあ、チョコレートを召し上がれ」
そういうと花柄のプレートに小さなチョコレートをのせて、二人の前に置いた。
「いただきます」
「いただきます、先生」
レミとサブリナの二人は目を合わせると微笑んで、それぞれチョコレートを口に含んだ。
「美味しい」
レミはうっとりした。
「美味しいです」
サブリナは目をつむって楽しんでいる。
みのりはその様子を満足げに見守っていた。
「さあ、そろそろ生チョコレートが固まったころだ」
みのりは壁に掛かった木の時計を見て、腰を上げた。
みのりは冷蔵庫から生チョコレートを取り出すと、注意深く切り分けた。
「これが生チョコレート。食べてごらん」
レミとサブリナはおそるおそる手を出した。
「とろける!」
「美味しい!」
レミとサブリナはほぼ同時に感嘆の声を上げた。
「みのりって天才ね」
レミはみのりの腕をとると、胸にぎゅっとだきしめた。
みのりはレミの胸の感触にドギマギしながら答えた。
「材料が良いからだよ。僕はまだ全然実力をだしてないよ」
レミは、ハッとした表情をした。
「それじゃあ、みのりに全力を出してもらいましょう」
みのりはそれを聞くと身構えた。
「全力?」
「来週、お父様とお母様の結婚記念日があるの。そこでみのりのチョコレートケーキを披露してもらうの。どう?自信ある?」
レミは悪戯っぽい目をして、ニヤリと笑った。
みのりはサブリナの方を見た。
サブリナは震えている。
「王様と王妃様の結婚式の記念ケーキですか?見習いの私も参加するのでしょうか?」
みのりは覚悟を決めるとレミに言った。
「わかった。記念のケーキを作ろう」
「そうこなくっちゃ」
レミは上機嫌で紅茶を飲み干した。
大理石のテーブルでテンパリングをすると、チョコレート生地は魔法のように輝き始める。みのりは何度もテンパリングを繰り返すと、チョコレートをバットに入れた。
「今日は生チョコレートを作ろう」
バットにクッキングシートをおいた。
レミはみのりに尋ねる。
「私にもできることないかしら?」
「残念だけど、レミに頼めることはないかな。弟子入りしたのはサブリナだしね」
「はーい」
レミはほっぺをぷくっと膨らませて頷いた。
「サブリナ、鍋に生クリームを入れて沸騰直前まで暖めて、バットに入れて、チョコレートがクリーム状になる生でよくかき混ぜて。」
「はい」
「これで一時間冷蔵庫で冷やせばできあがりだ」
「簡単ね」
レミがそう言うとみのりは答えた。
「ゴブが手伝ってくれたからこんなに簡単にできたんだぞ。えらいぞ、ゴブ」
ゴブは照れて頭をかいた。
「サブリナは、へらの使い方がもう少し荒っぽい。もっと丁寧にすりつぶすように」
「はい、みのり先生」
サブリナは真剣な顔で頷いた。
一時間が経過した。
レミとサブリナは町の噂話に花を咲かせていた。
みのりはふたりのために紅茶を入れて、昨日作っておいたチョコレートをだした。
「はい、お嬢様方どうぞ」
レミは紅茶を受け取ると、優雅にその香りを楽しんだ。
「有り難う、みのり」
サブリナも紅茶を受け取ると、おっかなびっくり一口飲んだ。
「ありがとうございます、みのり先生」
「さあ、チョコレートを召し上がれ」
そういうと花柄のプレートに小さなチョコレートをのせて、二人の前に置いた。
「いただきます」
「いただきます、先生」
レミとサブリナの二人は目を合わせると微笑んで、それぞれチョコレートを口に含んだ。
「美味しい」
レミはうっとりした。
「美味しいです」
サブリナは目をつむって楽しんでいる。
みのりはその様子を満足げに見守っていた。
「さあ、そろそろ生チョコレートが固まったころだ」
みのりは壁に掛かった木の時計を見て、腰を上げた。
みのりは冷蔵庫から生チョコレートを取り出すと、注意深く切り分けた。
「これが生チョコレート。食べてごらん」
レミとサブリナはおそるおそる手を出した。
「とろける!」
「美味しい!」
レミとサブリナはほぼ同時に感嘆の声を上げた。
「みのりって天才ね」
レミはみのりの腕をとると、胸にぎゅっとだきしめた。
みのりはレミの胸の感触にドギマギしながら答えた。
「材料が良いからだよ。僕はまだ全然実力をだしてないよ」
レミは、ハッとした表情をした。
「それじゃあ、みのりに全力を出してもらいましょう」
みのりはそれを聞くと身構えた。
「全力?」
「来週、お父様とお母様の結婚記念日があるの。そこでみのりのチョコレートケーキを披露してもらうの。どう?自信ある?」
レミは悪戯っぽい目をして、ニヤリと笑った。
みのりはサブリナの方を見た。
サブリナは震えている。
「王様と王妃様の結婚式の記念ケーキですか?見習いの私も参加するのでしょうか?」
みのりは覚悟を決めるとレミに言った。
「わかった。記念のケーキを作ろう」
「そうこなくっちゃ」
レミは上機嫌で紅茶を飲み干した。
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