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冬真

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ちゅるっ…ちゅくっ


「んっ……レン、ぁ…んっん…」

貪るとしか言いようがない。
逃げるキエナの足を捕らえて、口付けては、舌を這わす。

「あ、ゃ…」
「ん…いや…? 」

足首に歯を立てる。
邪魔な足枷は、外してしまった。
痛みにキエナが呻く。その肩が細かく上下する。

「レンの…好きにしていい…」

そう言いつつも表情は冴えない。

「そうか…」

音を立てて足への愛撫を続ける。日に焼けることを知らない白いふくらはぎ。丁寧に形の整えられた綺麗な爪。
舐めあげて、噛みついて、嫌がるキエナをしつこく追い詰める。

足に触れられるのが苦手なのは、知っている。

「んぁっ…あ…ぃ…ッあ…れ、レン! 」
「なに?」
「そこは、…も、いい。でしょ…? 」

少し怒ったように言う。
汗で額に張り付いた髪が艶かしい。
耐えるキエナは、堪らなくそそる。

「好きだよ…」
「ん、わかってる…から、」

嫌だとレンを蹴る。

「誘ったのは、キエナなのに? 」
「・・・そ、だけど。」

ひきつる笑顔。
怒っているのだろう。思い通りにならないことが苦手な完璧主義者。賢くて、他人を利用するのが好きなキエナ。

「もう少し」
「っ」

もう少し楽しみたい。そう言うレンに、拒否権のないキエナは頷くしかなかった。
おかげで、何回かレンの肩を蹴りつつ、足がつりそうになるなのを耐えなければならなかった。


「あ、…はぁ…レン! 」

ちゅぱちゅぱと、厭らしく音をたてて行為に浸るレン。


「ねぇ、ねぇっ」
「…ん? 」

はっきりとした苛立ちが声に滲む。しつこく攻められるのも焦らされるのも好きではないらしい。

寄せられた眉根。釣り気味の瞳が潤んで濡れたように光る。

「キエナ」
「もっと…近くに」


誘われるままに膝を割って足の間に入り込む。
身を屈めたキエナの髪がサラサラとレンの顔にもかかる。

「レン、」
「キエナ…」


熱く囁く。

「欲しい。もっと、俺にくれるよね? 」

低く心地よく耳に注がれる言葉。

「レンを、俺にちょうだい。全部…くれる、よね…」

吐息を残してキエナの顔が離れる。追うレンに笑って口を開く。

キエナのほっそりとした脇腹を撫でて、腰に腕を回そうとするがこの体制では上手くいかない。背もたれと、鎖が邪魔だ。
キエナが身をよじる。

「ん、」

白い髪を指で梳いて、かき乱す。

「好きだよっ…」
「…ふっ…ぁ…はぁ」
「…キエナ」

熱い口内を貪るように蹂躙する。
合わせた唇から溢れた雫を舌ですくう。首筋に口付け、肩口に歯を立てる。
僅かにキエナが呻く。

「あぁ…レン、レン、」

ねだるようにキエナが身を寄せてくる。縛られたままでは、届かずにもどかしそうに喘ぐ。

「来てよ、もっと…ねぇ、もっと」
「わかってる、」

身を屈めるレン。キエナは、飢えた獣のようにレンの首筋に額を押し付ける。そのまま顎関節を舐めあげて、耳朶に噛みついた。

「ッ…」
「ふふっ…」

溢れた笑い声がレンの耳をくすぐる。

「俺が欲しいでしょ、」
「そうだよ…俺は、キエナが欲しいんだ…」
「あげるよ。レンが望むなら、」
「好きだ」

抗えない。
レンは、キエナの腹にすがり付く。

「あっ…」

グッと指に力をこめる。腿に指が食い込む。
痛いとキエナが呟く。
構わずそのまま足を開かせた。





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