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勇者の願い
第97話
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光の精霊「では光の力を授けましょう。」
光の精霊から一筋の光が放たれた。この前の魔王戦の時に見た光だ。それはじじいの中に入っていき、全身に力が漲る。
じじい「…これで聖剣の呪いが効かなくなったのか。」
ニャン太「そのはずだな。」
光の精霊「勇者レイス。私が手伝えるのはここまでです。頑張って魔王を倒して下さい。」
じじい「はい、有難うございます。」
何か、初めて光の精霊に光の魔力を与えて貰った時を思い出す。あの時もこんな感じだった。勇者よ、貴方に力を貸しましょう…みたいなノリだ。
光の精霊「場所はニャン太に伝えました。私は天界へ戻ります。」
そう言って光の精霊は消え去った。
じじい「さあ、行くか。」
ニャン太「言っておくが、取り敢えず船だぞ。」
じじい「…マジで!?」
この大会関連で知り合った仲間には何も言わずにいた。ドーンやヘンリーなら、一緒に行きたがる可能性があったからだ。魔王との決戦の前には、あの二人でさえも邪魔になる。二人は間違いなく強い。でも、世界大会前の時点でじじいがあしらえる程度でもある。本気の生死を掛けた戦いの前に連れて行く事は出来ない。
じじい「まあ不死なんだけどな、俺。」
でもあの二人は不死ではない。あの二人には死んでほしくなかったのだ。
港町から船を借りて出発する。普通の便では目的の孤島に行く便が無かった。
じじい「うむむむ…かなりの金を使ってしまった。」
ニャン太「大丈夫だ。質素に暮らせば来年まではもつ。また大会に出て稼げば良いだろう。」
じじい「どんだけじじいをコキ使うんだ。」
食料も船の燃料も買い込んだ。もちろん酔い止めも。
じじい「…これが最後の戦いか。」
ニャン太「最後じゃねえ。来年の大会が待ってる。」
じじい「そうだったな。」
船に乗り込みながら、嫌な予感がした。
じじい「これは…絶対に船酔い確定だな。」
ニャン太「大型船じゃないからな。揺れも酷いぜ。」
~天界~
精霊王「…光の精霊。お前、またやったな?」
光の精霊「何の事でしょう?」
精霊王「勇者に光の力を授けたな。」
光の精霊「まあ…一応私の力を持つ勇者ですから。」
精霊王「今回は神もちょっかいを出したようだし。少々は構わないがな。」
光の精霊「でも現状で、勇者が必ず勝つとは言えません。展開次第では魔王が勝つ可能性も大いにあります。」
精霊王「うむ。さて、勇者の力とやら見せて貰おうか。」
神「二人とも、何を話しているのだ?」
光の精霊「あら神様、ごきげんよう。」
精霊王「貴方の贔屓にしている人間の、魔王との決戦を眺めているのですよ。」
神「人間は私が作り出した。我が子の肩を持つくらいは良いではないか。」
精霊王「神様の行う事に文句はありません。…些か目を掛け過ぎでは、とは感じますが。」
神「手厳しいな。だが、これ位はしないとあの二人は釣り合わぬだろう。」
光の精霊「そうでしょうか?人間も馬鹿には出来ません。」
精霊王「ん?元のままでも魔王に勝てたと?」
光の精霊「戦い様によります。」
神「まあ良いではないか。今はこの戦いを楽しもう。」
光の精霊から一筋の光が放たれた。この前の魔王戦の時に見た光だ。それはじじいの中に入っていき、全身に力が漲る。
じじい「…これで聖剣の呪いが効かなくなったのか。」
ニャン太「そのはずだな。」
光の精霊「勇者レイス。私が手伝えるのはここまでです。頑張って魔王を倒して下さい。」
じじい「はい、有難うございます。」
何か、初めて光の精霊に光の魔力を与えて貰った時を思い出す。あの時もこんな感じだった。勇者よ、貴方に力を貸しましょう…みたいなノリだ。
光の精霊「場所はニャン太に伝えました。私は天界へ戻ります。」
そう言って光の精霊は消え去った。
じじい「さあ、行くか。」
ニャン太「言っておくが、取り敢えず船だぞ。」
じじい「…マジで!?」
この大会関連で知り合った仲間には何も言わずにいた。ドーンやヘンリーなら、一緒に行きたがる可能性があったからだ。魔王との決戦の前には、あの二人でさえも邪魔になる。二人は間違いなく強い。でも、世界大会前の時点でじじいがあしらえる程度でもある。本気の生死を掛けた戦いの前に連れて行く事は出来ない。
じじい「まあ不死なんだけどな、俺。」
でもあの二人は不死ではない。あの二人には死んでほしくなかったのだ。
港町から船を借りて出発する。普通の便では目的の孤島に行く便が無かった。
じじい「うむむむ…かなりの金を使ってしまった。」
ニャン太「大丈夫だ。質素に暮らせば来年まではもつ。また大会に出て稼げば良いだろう。」
じじい「どんだけじじいをコキ使うんだ。」
食料も船の燃料も買い込んだ。もちろん酔い止めも。
じじい「…これが最後の戦いか。」
ニャン太「最後じゃねえ。来年の大会が待ってる。」
じじい「そうだったな。」
船に乗り込みながら、嫌な予感がした。
じじい「これは…絶対に船酔い確定だな。」
ニャン太「大型船じゃないからな。揺れも酷いぜ。」
~天界~
精霊王「…光の精霊。お前、またやったな?」
光の精霊「何の事でしょう?」
精霊王「勇者に光の力を授けたな。」
光の精霊「まあ…一応私の力を持つ勇者ですから。」
精霊王「今回は神もちょっかいを出したようだし。少々は構わないがな。」
光の精霊「でも現状で、勇者が必ず勝つとは言えません。展開次第では魔王が勝つ可能性も大いにあります。」
精霊王「うむ。さて、勇者の力とやら見せて貰おうか。」
神「二人とも、何を話しているのだ?」
光の精霊「あら神様、ごきげんよう。」
精霊王「貴方の贔屓にしている人間の、魔王との決戦を眺めているのですよ。」
神「人間は私が作り出した。我が子の肩を持つくらいは良いではないか。」
精霊王「神様の行う事に文句はありません。…些か目を掛け過ぎでは、とは感じますが。」
神「手厳しいな。だが、これ位はしないとあの二人は釣り合わぬだろう。」
光の精霊「そうでしょうか?人間も馬鹿には出来ません。」
精霊王「ん?元のままでも魔王に勝てたと?」
光の精霊「戦い様によります。」
神「まあ良いではないか。今はこの戦いを楽しもう。」
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