聖剣の光Ⅰ(完結)

まさきち

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世界大会

第71話

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世界大会の会場は毎年変わる。各国を順番に移っているのだ。今年はじじいの居る王国の隣の国で行われる。



じじい「船で約5日間掛かるのか…もう船酔いで死んでしまいそうだ。」
ドーン「5日も乗っていれば慣れちゃいますよ。」

ヘンリー「何だよ、船に弱いのかよ。」
じじい「ああ、これだけは治らないな。」



じじい「しかし新鮮だな。お前が大会に同行するなんてな。」
ニャン太「にゃー(もう魔王はあそこに居ないからな)にゃーん(俺が残っている必要は無い訳だ)」
じじい「いや、にゃーじゃ何言ってるか分かんないから。」
ニャン太「にゃー(人前だからな)」




一応、部屋はある程度良い部屋にした。少しでも船酔いに負けずに、モチベーションを上げる作戦だ。


じじい「どっちみち船酔いはするんじゃん。」
ニャン太「ふう、猫の真似は疲れるぜ。」


この良い部屋のブロックは、三部屋ともじじい達で借りている。ニャン太が騒いでも大丈夫なのだ。


ニャン太「何だよ騒ぐって。」



運動すると言っても、大きな動きは出来ない。じじいは恐らく、世界で一番船酔いをする。


じじい「結局、寝てしまうのが一番だよな。」






王国に着いたら取り敢えず宿屋に行く。会場に近い宿屋は予約できた。その日と次の日で調子を整えて、世界大会に挑む。



コンコン


ドーンとヘンリーが来た。


ドーン「ケーオは本当に魔王に関係しているのでしょうか?」
ニャン太「分からないな。でも、今の所は他に情報が無いんだしな。」
じじい「まあ可能性があるんだったら、確かめるしかないわな。」

ヘンリー「でももしさ、ケーオに魔王が憑いているんだったらどうなんだ?めっちゃ強くなってたりするのか?」
ニャン太「多少の恩恵はあるだろうな。でも身体は人間なんだ。限界はあるよ。」
ヘンリー「そんなもんなのか。」

じじい「他に、魔王がどれくらい回復しているかにもよるな。まだまだ本調子じゃなかった場合は、苦戦しないかも。」
ドーン「それは大会で実際に見てみるしかありませんね。」



もしケーオに魔王が憑いているというのが本当だとして、考えようによっては魔王を倒すチャンスなのかもしれない。魔王はケーオが世界大会に出て、じじいと戦うかもしれないという事は知らないだろう。ただ、ケーオに魔王が憑いていない場合…本当に無駄な行動になる。大会中に離れた場所に魔王が現れてしまうと、色々と危険だ。


じじい「そもそも、ケーオはクスリ込みだとしても去年の世界大会優勝者だろ。元がめっちゃ強いんだよな。」
ドーン「そうですね。クスリを使用する所を現行犯で捕えないといけません。でも強すぎるので、薬が切れてから取り押さえないと。」

ヘンリー「俺も去年、ケーオと戦ったけど強かったぜ。結果的に言えば、軽くあしらわれたからな。」




じじい「どっちにしろ、大変そうだな。」


道中は船酔いには悩まされたが、退屈はしなかった。
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